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〇〇を見たら、「わが子のことがもっと分かる!」ふたつのポイント

私の投稿を覗いてくれてありがとうございます。

いきなりですが、質問です。

「あなたのお子さんは今日一日をどのように過ごしていましたか?」

一度ふりかえってみてください
言葉にできそうですか?

「んー、うちの子は受験生だから1日中部屋にこもっていたなー。」
「今日は学校がお休みだったからテレビの前にずっと座っていたわ」
「今日は、あの子、部活に行かなかったわ。」
「今日はちゃんと宿題をしていたな。」

などいろいろ思い浮かぶと思います。

お子さんの様子を突然聞かれて即答できたみなさんはさすがです!
日常の様子をきちんと観察されているのですね。
しかし、上にあげた4つの回答、実は・・・

どれも十分に観察できているとはいい難いのです。

すいません、批判するつもりではありません。

しかし、あるポイントを知って
そのポイントを意識しながらお子さんの様子を観察すると
あなたは、お子さんのことがもっと分かるようになります。

そして、私の質問に答えられなかった方でもこのポイントを知れば
お子さんのことを観る目が変わります。

ところで、タイトルの〇〇に入る言葉は分かりますか?

一度考えてみてください。

3・・2・・1・・

正解は 「行動」 です。

いやいや、あなたが不十分と言った回答も
実際に我が子を見た様子なんだから行動じゃないですか?!

そんなふうに思われるかもしれませんが、
行動ではありません。

これから
「なぜ上の回答が行動でないのか」
を2つの尺度をご紹介の上、解説し、
「お子さんの様子を観察する時のポイント」
をお話します。

1つ目です。
みなさんは、「死人テスト」という尺度をご存知ですか?

行動分析学という心理学の一分野の考え方なのですが、

死人にもできることは行動ではない
つまり
死人にはできないことが行動である。

という考え方です。その尺度に当てはめると

「んー、うちの子は受験生だから1日中部屋にこもっていたなー。」
▶一日中部屋にこもるのは死人にもできるので行動でない。
「今日は学校がお休みだったからテレビの前にずっと座っていたわ」
▶テレビの前にずっと座っているのは死人にもできるので行動でない。
「今日は、あの子、部活に行かなかったわ。」
▶死人も部活にはいかないので行動でない。

となるのです。

2つ目です。
行動分析学では死人テストともうひとつ尺度を用意しています。
それが「具体性テスト」です。

つまり、目の前のお子さんの状況を具体的に表現できるまで観る必要があるということです。
「今日はちゃんと宿題をしていたな。」
▶ちゃんとの幅は人によって違うので具体性テストをパスできない。

「死人テスト」と「具体性テスト」をパスできるものが「行動」なのです。
なので、上の4つの回答はこの2つのテストをパスできないので行動ではないのです。

そう言われてどのように感じますか?

「ん〜、死人テストだか知らないが、あんまり腑に落ちないな。」

そういう感想を持たれる方もいるかと思います。

私もはじめはしっくりこない感があったことを覚えています

しかし、この尺度を携えて見る前と後では見えるものが大きく変わりました。

正直、私は、この「行動」の定義は行動分析学という分野での定義なので、違う定義が存在してもいいと思っています。
今回ポイントとしてお伝えしたいのはこの2つのテストを腹落ちしてもらうことより

「死人テスト」と「具体性テスト」のモノサシの存在を知って、目の前のお子さんの様子を観察すると、見えてくる行動の解像度がぜんぜん違うということを伝えたいのです。

例えば、
「部屋にこもっている」は行動でないから、数時間後に声をかけてみたらゲームをしていたよ、とか
「ちゃんと宿題をしている」という観察では具体性に欠けるからもう一段階よく見てみたら、数学のここの問題でつまずいて苦い表情をしていたな、とか

結果的によりお子さんの行動を詳しく知れていると思いませんか?

そして、お気づきでしょうか?
死人テストと具体性テストをパスするために、
お子さんの状態を「見る」のでなく「観ようとしている」ことに
何かしらのアクションを起こしていることに

それはよーく目をこらせば観える場合もあれば、意図的に情報を得ようと働きかける場合もあります

もしかしたら、これは、一般的には
「好奇心」「興味」という言葉に置き換えられるかもしれません。

好奇心を向ける、興味を持つという抽象的なアクションよりも
「死人テスト」と「具体性テスト」の尺度を使って観察するというアクションをぜひ実践してもらえたらなと思いました。

そうすれば、お子さんの「行動」を発見できます。
すると、お子さんのことをより知ることができます。
そして、その情報をもとにお子さんとコミュニケーションを取ったり、フィードバックをしたりできます。

ぜひ、「死人テスト」と「具体性テスト」のメガネを装着してみてもらえたらと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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