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「日本の水商売 法哲学者、夜の街を歩く」(谷口功一著、PHP研究所)

読了日: 2023/11/28

法哲学者が学術的に夜の店を分析するというものではなく(終章除く)、コロナ禍での全国さまざまな地域のスナックがどのようにあったのかを、店を訪れ綴った12章です。
訪問地は、すすきの、弘前、いわき、武蔵新城、甲府、小倉、境港・松江、別府、浜松、新得町・帯広、赤羽・西尾久、渋谷・銀座です(掲載順)。
雑誌「Voice」での連載まとめたもののようですがサントリー文化財団の研究助成を受けているようです。スナック研究というものは前例がないらしく、2015年に前述財団より助成を受け、「スナック研究会」を発足し『日本の夜の公共圏 スナック研究序説』なる前著を上梓しているようです。読了後こちらにも興味がわきました。
なかなか面白い本でした。
終章では本職からコロナ禍の営業規制にかかる憲法論に熱くなるが、それは著者のスナック愛ゆえんであろうと思いました。

また、なにより著者は文章がとても上手いと感じました。時間変遷含む展開・構成と滑らかな文脈がとても読みやすく内容がすっと入ってくる感じがしました。このあたりも学術的でない要素のひとつと思います。酒が文章を滑らかにしているのでしょうか、飲みながら執筆しているかは存じ上げませんが…。



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