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子育てと仏教

今日は、
お坊さんである私が、三児の母として
「仏教の教えを子育てにどう活かしているか」
というお話です。

そういえば私はお寺らしい子育てをしているのか・・・
「子どもたちも朝5時に起きて、朝のお勤めをする」
お寺もあると聞いたことがありますが、
うちはユルユルです。

でも、ユルユルでも、これはお寺らしい子育てかも!
と思いついたものを書いてみます。

1.仏教系幼稚園に通う


「そら、そやろ」と言われるかもしれませんが、
うちの子どもたちは仏教系の幼稚園に通いました。
うちがお寺であることを差し引いても、
仏教系幼稚園に行ってよかったと今でも思っています。

仏教という1本大きな筋が通ったポリシーの元で、
子どもたちを育んでもらえる環境は貴重です。

例えば、
・命の大切さを深く知る
ただ、「命って大切だよ」だけじゃなくて、
仏さまの大きな世界観を通して生と死を捉えるので、
より深く命の大切さを教えてもらった気がします。

・手を合わせる習慣
毎朝、玄関の前の仏さまに手を合わせていました。
また、節目の時には必ず「お参り」をします。
昨今、日常の中で、手を合わせるという機会は、
少なくなりました。
親も子も、毎朝手を合わせ、
忙しい毎日にほんの少しの静かな時間を持つことで
心が落ち着きます。

2.我が子に伝えていること

日々の関わりの中で、
子どもたちに伝えていることがいくつかあります。

子ども達が、将来、親から離れて自立していったとき、
彼らの心の中に留めておいてほしい。
私の言うことなんか聞かなくなっても、
自分で色んな決断をして人生を歩む中で、
心の支えになればと思うのです。

・「人間は万能じゃない」
便利な時代。
何でもできる気がします。
多くの病気は治せるようになったし、
分からないことはgoogle先生やchat GPT先生に聞けば教えてくれる。
人間は何でもできるような錯覚に陥ります。

そんな便利な世の中でも
人間の思い通りにならないことや
人間の理解をはるかに超えた世界がある。
例えば、自然災害や、
いずれは誰もが必ず死んでいく存在であること。
どれだけ願っても叶わないことがあるし、
努力が報われないことだってある。

人間の理解をはるかに超えた世界がある。
神や仏に対する畏怖の念を持つこと
はとても大事です。

「人間は万能じゃない」と知っていることによって、
しなやかに生きられると思うからです。
人生の苦しい場面で人間は無力なものだと知っている方が
しなやかに生きていける気がします。

どれだけ強く願っても、努力を積み重ねても、
自分の思い通りにならないことは世の中に山ほどあります。
理不尽なことに出会って悔しい思いをすることもあるでしょう。
それでも、心折れずに立ち上がれる、しなやかさを持ってほしい。

また、「人間(自分)の愚かさ」を冷静に認識していれば、
傲慢な人にはなりにくいと思うのです。
自分の力で何でも手に入るわけじゃない。
そんな謙虚な人でいられるように(自戒もこめて)。


六道の話
「死んだらどうなるか」など、学校では教えてもらえないことです。
けれども、死生観を持つからこそ、
より充実した人生を送ることができます。

仏教では古来から「六道輪廻(ろくどうりんね)」といって、
「地獄・餓鬼(がき)・畜生(ちくしょう)・阿修羅(あしゅら)・人間・天」
の6つの世界を行ったり来たりしていると考えます。

人間が死ぬと、閻魔大王のところへ行って、
極楽へ行くか、地獄へ行くかが決まる。
小さい頃、こんなお話をよく聞いたものです。

善いことをたくさんしていれば極楽、
嘘をついたり悪いことをしていれば地獄へ
送られるわけです。

人間ですから、善いことだけじゃなく悪いこともします。
きれいな感情だけでなく、ドロドロした汚い感情もあります。
ちっぱけな自分を受け入れつつ、
できるだけ善いことを積み重ねようという気持ちは
ずっと持ち続けてほしいです。



いかがだったでしょうか。

自慢できるような子育てをしている訳では全く無いのですが、
日常意識していることをまとめてみました。
親の目が届かない年頃になっても
子どもを信じて待てる親でありたいものです。

最後までお読みいただきありがとうございました。
素敵な1日をお過ごしください。

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