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花瓶

あの日
わたしが泣いた日
あなたの隣でわたし
限りなくひとりだった
てぶくろをしてたあの日

贅沢言うならわたしね
いちにち遊んで家に帰ったら
お花を飾った明るい玄関で
おかえりって
あなたに笑いかけてもらいたかったの

しずくが夜をいて
あなたが愛をいだ
透明の花瓶をじっと見てた
汚れた水でも花は生きてるから
わたしも笑った

あの日
わたしが泣いた日
わたしの隣であなた
さりげなく手を握った
とても寒かったあの日

贅沢言うならわたしね
意識しなくてもただ寄り添ったり
世界を嘲笑わらった哀しい恋心
ごめんねって
あなたとふたりぼっちになりたかったの

しずくが夜を割いて
あなたが愛を注いだ
透明の花瓶をじっと見てる
汚れた水でも花は生きてたから
わたしも

水を注ぐように愛を注ぐ
眩しいあなたをじっと見てる
愛を吸ってすくすく
大きくなりたかったの

しずくが夜を割いて
あなたが愛を注いだ
透明の花瓶が夕陽透かす
眩しい光があなた照らしたから
なみだが溢れた

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