子ども

子どものとき　眺めた
じーっと眺めた道端の花
今見るとちっぽけで
どうでもいい日常

どうやって忘れたんだろう
どうやって思い出すんだろう

缶珈琲の転がる部屋
焦げたよな香り吸い込んで
あなたは目を瞑った
わたしは目を開けた
燦々さんさんと照るだるい朝に
焦げたよな香り広がって
あなたは語りかけた
わたしに語りかけた

子どものとき　知ってた
よおーく知ってたあたたかい腕
血管が浮き出たり
細くもろくなってる

どうやって愛したんだろう
どうやって思い出すんだろう

缶珈琲の転がる部屋
焦げたよな香り吸い込んで
あなたは息吐いた
わたしは息吸った
燦々と照るだるい朝に
焦げたよな香り広がって
あなたは笑いかけた
わたしに笑いかけた

子どものとき　待ってた
ずーっと待ってた柔らかな頬

どうやって守ったんだろう
どうやって守られたんだろう

どうやって愛したんだろう
どうやって思い出すんだろう