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夕方

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夕方のお話です。 日が暮れていく色、一日が終わってしまう時間に、切なさや人恋しさを感じ、自分の想いに気付くようです。
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2021年6月の記事一覧

ばいばい、またね

ばいばい、またね

 窓の外で、銀杏の葉が舞った。まだ青く柔らかい葉は、はらりはらりと飛んで、地面にそっと落ちた。

 そんなことは露知らず、手を繋いだカップルがその上を歩いていく。よく見ると、見たことのある顔ぶれだった。あのふたり付き合っていたのか、なんて、ぼんやりと思う。

 放課後。教室の中は優しい黄色に染まる。

 木の匂い。暖かな、午後の匂い。

「誰かこの問題わかるまで解説してくれたら揚げ餅一本」

 女

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リクエスト

 ベッドの上で、しゃかしゃかと音がする。俺のそば殻枕を鳴らすのが仁奈の最近のブームのようだ。眠るとき、いつも甘い匂いがする。

 ゲームをしていた手を止めて、振り返る。仁奈も小説に飽きていたようで、腕を伸ばしてくる。頭に手を置かれて、髪の毛をくしゃっとされるまでが一連の流れだ。

「そろそろ帰ろっかな」

「おう」

 仁奈はいつも暗くなる前にさっさと帰っていく。寂しくもあるが、安全なので助かる。

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