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金とき
2021年3月19日 18:28
勢いよく入ってきたふみくんは、わたしと目が合うなりドアを閉めた。パタパタと足音が響いて去っていく。わたしは構わずに、ぽろぽろと涙を落とした。 なんで泣いているのか、自分でもわからなかった。ただ溢れて止まらないのだ。陽子と遊んで、たくさん話して、帰ってきてから、涙が止まらない。 ふみくんがパタパタと戻ってくる。ドアを開けて姿を見せると、トレーの上には湯気の立つマグカップがふたつ。「隣、