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金とき
2022年11月15日 17:24
背中にぴったりとくっつく。ごつごつした肩甲骨を撫でる。大きく息を吸うと、知らない柔軟剤の香りが鼻をついた。 バイブが震えて、背中がもそもそと動いた。それより早く手を伸ばして、傑のポケットからスマホを取り出す。通知に目を通すと、いつもの名前があった。「また、高野杏里さんから」「返せよ」 傑は眉をひそめてこちらに向き直った。傑のこんな顔は滅多に見られない。「人のスマホ見るなんて最