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「関東昇格の挑戦に終止符を」 2年山口泰生

平素より大変お世話になっております。今年度主将を務めさせていただく、都市科学部環境リスク共生学科2年の山口泰生です。

初めに、日頃よりご支援いただいているスポンサー様、OB、OG含むサポーターの皆様、保護者の方々へ心より感謝申し上げます。主将を務めてまだ数週間ですが、皆様に支えていただき日々の活動が成り立っていることを肌で感じております。今年度も引き続きご支援、ご声援のほどよろしくお願いいたします。

さて、僭越ながら長きに渡った部員ブログのトリを務めさせていただきます。提出時期の関係で、多くの同期のブログを読んだ状況でいま書いていますが、なかなか普段は話さないような熱い内容ばかりで面白く、かつ刺激をもらっています。そんな普段は話さないような熱いことを書けるのが部員ブログの良いところだと思うので、自分も今の気持ちを赤裸々に綴っていければと思います。長く拙い文章になりますが、最後まで読んでいただけると幸いです。


2022年10月26日。
1つ上が始めた「関東2部昇格」という挑戦が幕を閉じた。関東昇格にあと一歩というところまで行ったが、結局参入戦で敗北を喫した。自分史上あれほどの高揚感と緊張感を持って挑み、敗戦後にあれほどのやるせなさを味わった試合はなかった。


勝てば関東昇格という参入プレーオフは、大したサッカー経歴を持っていない自分からすれば間違いなく、サッカー人生最高の舞台だった。遡ること約一年前、当時の自分は県リーグのベンチに入ったことはなくサタデーリーグを主戦場としていた。

ところが、代が変わり4年生が引退したことで、自分にもトップチームでプレーをするチャンスが巡ってきた。玲音くんや竹内くん、沖くん、柊太郎くんなどそれまで外から見てきた選手と肩を並べてプレーするのは恐れ多く、最初はただガムシャラにやるしかなかった。そんな中、頑張りが実を結んだのか徐々に信頼を得ることができ、気づけばチームの中心人物としてプレーすることができていた。それから4月にリーグが始まり、苦しい時期もあったがなんとか3位という結果を収め、プレーオフ進出を決めることができた。リーグが始まってから関東昇格プレーオフまでは、本当にあっという間だった。

この1年間で自分の意識面は大きく成長した。もちろんトップの試合に出させてもらえるようになったことは大きいが、人一倍当事者意識を持ち、関東2部昇格というチームの目標達成に向けて力を尽くせていた。


そして迎えたプレーオフ当日。ここで勝てば念願の関東昇格という状況で、チームのボルテージは最高潮、やってやろうの一心で皆の思いは一つになっていた。個人としては、「自分が出せる最高のパフォーマンスをする」「自分がこのチームを勝たせる」という気持ちで臨んだ一戦だった。


だが、結果は0-1で敗北。惜しくも苦汁を嘗めることとなった。

自分はこの試合に向けて相当な覚悟を持って臨んだ。リーグ戦で3位が確定しプレーオフ進出が決まってからは、プレーオフのことを考えればわくわくが止まらず何かせずにはいられなかった。全体練習や自主練習には当然高いモチベーションで取り組め、腰が重い筋トレも、この試合でヒーローになるイメージをすれば面白いほど捗った。

自分が出せる全てを出す準備は万端だった。

それだけに、この結果は精神的にくるものがあった。確かに、自分自身ベストは尽くせたと思うし、チームも一年前からは考えられないくらいの成長を感じられた試合だった。何度かチャンスを作ることは出来たし、J下部組織や強豪高校出身の、自分たちより個人の能力で圧倒的に優れている選手にも、組織的な守備で簡単にゴールを割らせなかった。スコアだけ見れば、後半48分までは0-0の五分五分な試合ができていた。

だが、やはり勝ちきれなかった。チャンスを仕留めきれず、最後の最後でやられてしまった。俺たちは届かなかったんだと、そう実感してからは涙が止まらなかった。ただただ悔しくてしょうがなかった。


同じく、試合後にはサッカー人生の集大成であった4年生、1年間首脳学年としてチームを引っ張ってくれた3年生が涙を流す姿があった。そんな姿を見ると、自分が泣いていることが急に恥ずかしくなり、また申し訳ない気持ちになった。こんな2年のぽっと出のやつなんかより、4年生や3年生の方がさらに強い覚悟を持って臨んでいたはずだからだ。そう気づいてからは「もっとやれたんじゃないか」、「自分にもっと力があれば結果は変わっていたのではないか」、そんな自責の念に駆られた。

解散の際に、4年生が横国サッカー部の未来について話してくれたり、あと2年頑張れと声をかけてくれた。ただ、目標を達成できず道半ばで引退する4年生からの励ましの声は、自分をより情けなく感じさせ、素直に受け取ることができなかった。2年生ながらフル出場させてもらって、何も目に見える形で貢献することができなかった。失点のシーンだって、自分が流れの発端となるミドルを決めていればよかった。0-1どころか1-0で勝っていたかもしれない。コーナーでもっと良いボールを上げていれば。アシストのチャンスはいくらでもあった。もっと走れてハードワークできていたら。MFとしてあのレベルの試合をコントロールする実力があれば。

試合が終わってからはそんな負の考えばかり浮かんだ。


しかし、時間は待ってくれなかった。自分たちの代の始まりがすぐそこまで迫っていた。

最初は切り替えきれず、先のことなんて考えられなかった。あと2年あるからなんて考えは無責任だと思い、プレーオフの結果に囚われていた。

それでも、立場上切り替えるしかなく、内心しんどくもありながら前を向いた。この敗戦をバネにするつもりで切り替えた。そこで見えるようになったポジティブな要素をいくつか挙げたい。

まずは、自分たちでも強豪私立に0-1という接戦を繰り広げられると証明できたこと。今回このような大舞台でこうした結果を残せたことは、公立高校出身が多い横国サッカー部に少なからず自信をもたらすと感じた。また、自分、駿、凜太郎は2年生ながらスタメンでこの経験をできたこと。さらには、1年生が何人もベンチに入っていたり、ベンチに入れなかったメンバーも現地に来て同じ経験をすることができたことなど、新シーズンに活かせる要素は確かにあった。


そう気づいてからは、むしろ「あと2年ある」という事実をどう活かすかが重要だと考えた。あと2年で挽回を図る。あの舞台で同じ経験をさせてもらえた自分たちが、残りの期間で関東昇格を達成する。それがそのままお世話になった4年生への恩返しにもつながると考えるようになった。

関東参入戦を経て、この先は自分がこのチームを勝利に導くのだと、真に腹を括った


そして代がわりを経て、現在主将という立場でこのチームを率いている。プレーオフでの敗戦は今の自分の原動力となっていて、あの敗戦があったおかげで、より強い気持ちで日々の活動に取り組めている。

今シーズンから神奈川県リーグが東京都リーグに吸収される影響で、自分たちの所属リーグが昨年度でいう東京都リーグ1部(今年から名称が変わる)に移る。今までの神奈川県リーグよりも強度やレベルは圧倒的に上がり、試合数も増えることになる。しかし、何より着目すべきは、今年も関東昇格のチャンスがあること。したがって、必然的に今シーズンも関東昇格を目指す。ただ、今年の関東昇格という目標が今までのものと一点違うとすれば、今年のメンバーは関東参入戦に因縁があり、今年こそはと息巻いて関東昇格を掲げているというところ。ほとんどが悔しい経験をし、リベンジに心を燃やしている。だから、関東昇格という目標は口だけではなく、とりあえず掲げている目標でもない。成し遂げなくてはいけない実現可能な目標だ。あのプレーオフの一戦で確かに手応えはあったのだから、俺たちならできる。


では関東昇格を成し遂げるために、自分は何をするべきか。どうすればこのチームに貢献できるのか。

新チームが始動して、主将として活動すること数週間、現在の課題は主将と選手の兼ね合いの部分にある。チームを束ねることに意識がいきすぎて、自分の練習が疎かになってしまうというものだ。そこで、リーダーとして、そして選手としても結果を出すことを今年の目標とする。主将という立場でのチームへの貢献の仕方には、日々の言動や運営面でチームをまとめたり、選手として背中でチームを引っ張ったりと様々なものがある。その中で自分は、リーダーとしてこのチームを束ね上げた上で、ピッチに入れば誰よりも活躍する存在でありたい。どちらかに手を抜くのは、決して自分自身が許さない。それが自分の思い描く理想の主将像だからだ。二つの顔でベストな結果を求めるのは大変だが、気負わず楽しんでやりたいと思う。関東昇格を目指すチームの主将はこんなものではないと思うから。 



長くなったが、最後に「なぜ大学でも本気でサッカーを続けているのか」という問いについて自分なりの考えを示し、このブログを締めくくりたいと思う。この問いは去年のブログにも書いていたテーマで、当時は明確な答えはなかったが、今は一つ答えを持てている。

それは、チーム一丸となって本気で努力し、目標を達成したときの気分が最高だから。チームスポーツの経験があれば味わったことがある、珍しくない感覚だと思う。だが、その感覚の虜になっているからこそ大学でもサッカーを続けているのではないだろうか。

昨シーズンは関東昇格こそ達成できなかったが、きつい練習の先にある毎試合毎試合での勝利は最高に嬉しかった。公式戦での味方のゴールは自分事のように嬉しかった。思えば一年前も、舞台は違えどBチームらしくサタデーリーグで勝利を掴んだときは最高に楽しかった。

その最終形が、先日の関東昇格戦のような舞台で勝つことなのだと思う。あの舞台での勝利、関東昇格という結果は今まで経験したことがない喜びを味わわせてくれるだろう。今年で言えば都リーグで優勝することも並行して挙げられると思う。当然どちらも一筋縄ではいかない。だからこそチーム一丸となって努力する必要があり、その先で得られる喜びが増す。確かに、実際はこんな綺麗に事は進まないかもしれない。なぜか調子が上がらなかったり、変な負け方をしたり、チームメイトで衝突したり、色んな困難に見舞われると思う。イライラしたり、やる気が切れたり、気持ち良くない場面も訪れるだろう。しかし、それらを乗り越え、全てを引っ括めて最後に最高の気分を味わえるのだと思う。それは本気でやった人にしか味わえない特別な感覚だ。そのためなら自分は何だってやる。チームマネジメントから一選手としての貢献に至るまでの全てに全力で取り組む。一回でも多く皆と最高の気分を味わえるように。


都リーグ優勝、関東昇格。想像するだけでわくわくする最高な瞬間が待ち構えている。

さあリベンジの一年だ。

横浜国立大学体育会サッカー部に関わる全ての方の、世界を熱くする挑戦を。

横浜国立大学体育会サッカー部73期主将 山口泰生

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