見出し画像

「塩納豆」と「眠りごこち」

なんで寝るのかねえ。

楽しみにしていた新作映画。今夜は家族そろって鑑賞会。夕食の片付けを急いで済ませて、テレビの前に集まります。部屋の明かりも少々暗めにムードをつくって、スナックや飲みものの準備も万端。

さあ、おまちかね。上映開始だよ!
で、5分もすると寝てるんですよ。いびきかいて。

新作だから、サブスク対象外。レンタル料金まで払ったっていうのに。なんで寝るのかねえ。我ながら、呆れたもんです。

でも、ただ疲れて床で寝落ちしたときの眠りと、胸おどる映画を前に家族に囲まれて寝落ちしたときの眠りでは雲泥の差なんですよね。後者が圧倒的に気持ちが良い。安心と背徳と悔恨とが入り混ざった眠り心地、なんだかすごい贅沢をしている気分というか。歌舞伎や能などの高尚な芸能の観覧中にいざなわれるあの眠り。あの感じに似てる。甘美。


でもまあ、寝るなよ。ですよね。


はい、与太話もほどほどに。

トップの写真は、山形県は酒田の郷土食の「塩納豆」。もとは納豆をカメで塩漬けして発酵させ、保存性を高めたことがはじまりと言われており、現在は塩麹と昆布で風味よく仕上げるのが主流なのだそう。

先日、行きつけの定食屋さんで初めて食べましたが、うまいのなんの。まず、サラーっとしてます。生卵を混ぜたくらいのとろみですね。ねばねばと糸を引くいつもの納豆と毛並みが違う。喉越しが良い。

肝心の味わいは納豆ご本人の旨味に加えて、塩麹と昆布が助太刀してますからね。御老公(納豆)にお供する助さん(塩麹)と角さん(昆布)ばりの完璧な布陣といえます。

品の良い納豆の香り、ほっくりした大豆旨味を昆布が下から支えて、塩麹のまろやかな塩気が全体を上手にまとめています。あたたかいごはんとの相性はいわずもがな。

あとちょっとだけ、ごはんを食べたいけどおかずがない。なんて時には重宝すること請け合いの逸品。お見かけになりましたら、是非一度試されることをお勧めします。

きょうもお読みいただきまして、
ありがとうございます。

それでは、また明日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?