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「すごいインコ」と「いわしのにぎり」

おおいッ!すごいの捕まえたぞ!
お前たちっ!スゴイの!!


夕暮れ時に父親が興奮しながら家に帰ってきました。父親の両手の上にはみどり色のモコモコした生き物。スーモのキャラクターみたいな丸さとあおさ。クチバシがあるから、どうやら「鳥」である。インコの仲間か。

とにもかくにも、羽がボンバっている。ぼわぼわ。こんなインコは確かに見たことがない。おまけに世の終わりのような形相で「ぎぃぃぃ!ぎぃぃぃ!」と叫んでいる。父が興奮するのも無理はない。

「すごい鳥だね!どこで捕まえたの。」
「道端の木に止まっていた!これは、とても珍しい鳥だ、きっと。おい、とりカゴがあったろう。もってこい!」
「はーい」

「これで…よしと。上から薄手のタオルケットをかけてやって、一晩休ませてやろう。それで落ち着くかもしれん。ふう、しかしすごい立派な鳥がいたもんだな。びっくりした。きっと高級な鳥に違いない。明日から持ち主を探すとしよう。」

ということで夜が明けまして、家族一同とりカゴの前に集まります。さあ、世にも珍しい鳥を拝もうじゃないか。と胸を高鳴らせてタオルケットをめくりますと、世にも普通の「セキセイインコ」でした。

昨日の奇異なすがたは、ただ興奮して毛羽立っていただけ。なんのことはない、ふつうのインコ。インコ・オブ・インコ。

すっかりスリムになったインコはぴょんぴょんと元気そうに跳ねている。対照的に人間の家族は、みんなしょんぼり。

これが飼い主が見つからず、けっきょく5年もの歳月を家族として過ごすことになったインコとの出会いでした。


さて、与太話もほどほどに。
トップの写真は「いわしの握り」です。

この握りを口にしたとき、イワシの漢字の魚へんに「弱」いをつけた人間の軽率を知りました。すんごい強い。分厚くてはちきれんばかりに旨味が乗っている。マグロといい勝負する、とんでもないいわし。

いつかの豊洲市場。
名店の呼び声高い「寿司大」での一貫です。

【お店の情報】
店名:寿司大(すしだい)
住所:東京都江東区豊洲6-5-1 豊洲市場内6街区 水産仲卸売場棟 3F
電話:03-6633-0042(予約不可)

バブルだなんだと高騰する寿司業界の「良心」みたいなお店です。お寿司って本来こういうことなんだな、と教わりました。五千円札を握りしめて毎月給料日に通いたくなる正真正銘の銘店。



ぜひ一度お試しいただきたいものです。

きょうもお読みいただきまして、
ありがとうございます。

それでは、また明日。

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