見出し画像

秋空の下には「魔」が潜む

暑くもなく。寒くもない。
秋晴れの空のもと、
柔らかなそよ風が吹いている。

はっきりいって、気持ちがいい。
ただ歩いているだけで愉快な気分になる。
もう、ほかの季節のことなんかどうでもいい。

こんな日にこそ「魔」は潜む。

職場に到着したわたしのズボンのチャックは
全開だったのである。

刹那、恥じらいと絶望感が襲いかかり、
記憶が巻き戻される。

呆けた表情をやや上向きにして、ぷらぷらと歩くわたしのズボンのチャック。柄にもなくコンビニの店員さんに「いいお日柄ですね」などと軽口を叩いたわたしのズボンのチャック。通勤バスを降りざまに、朝日に手をかざしたわたしのズボンのチャック。

「こら、急ぎなさい。早く靴下をはきなさい!学校に遅れてしまうぞ。なに、トイレ?!なぜ先にトイレに行っておかなかったんだ、まったく!」

子どもに対して叱るように急かしたわたしのズボンのチャック。

ずっと全開だったのだ。

チャックを開けたまま、
偉そうに、急ぎなさい。だと。
いったいどの口が言うのか。

口だけでは飽き足らず、
チャックまで開け放って、
靴下をはきなさい。だと。

……嗚呼。

今はただ、反省の日々です。


トップの写真は「レンコンのきんぴら」です。
こんなに旨いものだったろうか。
と、目を剥いたものだから載せてみました。

今日もお読みいただきまして、
ありがとうございます。

それでは、また明日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?