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味ごのみ賛歌

スナック菓子を食べる上での最大の悩みは
「途中で飽きてしまう」ことだ。

例えばポテトチップスのコンソメ味。はじめの一口は期待通りのインパクトがある味に嬉しくなる。しかし食べていくうちに、だんだんと手が伸びなくなってきてしまう。

お腹が膨れてしまったわけではない、が、もう食べたくない。味の主張がとても強い上に抑揚がないので、どうしても飽きてしまうのだ。ハイテンションな楽曲の主旋律の部分だけをくり返し聞かされているような気分になる。

それはもちろん、コンソメ味に限ったことではない。調味料や香辛料を多用した凝った味わいであればあるほど、その傾向は顕著に現れる。

では、飽きないスナックなど夢物語。所詮は贅沢な悩みだったのだと、あきらめるしかないのか。否。わたしたちの身近には、とても飽きにくいスナックがある。それが、ブルボンのロングセラー商品「味ごのみ」だ。

「味ごのみ」は豆菓子(黒大豆あられ・海苔醤油豆・汐いか豆・ピーナッツあられ)が4種に、米菓(焼きえびせん、だしこつぶ、揚げ餅)が3種、小魚(ごまいりこ)の一種を加えた計8種で構成されるミックス菓子である。

大きさはどれも小ぶり。小指の第一関節から先ほどの、一度に3、4個を口に入れても苦にならないサイズだ。この「小ぶりなサイズ」こそ、味ごのみの真価である「食べ合わせの良さ」を発揮させる味噌。

単体では少し物足りなさすら感じさせる素朴な味付けの八種は、口の中で合わさることで互いに風味や食感、ボリュームを補い合い、見事な調和を見せる。しかも、どんな組み合わせでもおしなべて相性が良い。これは味ごのみの特筆すべき優れた点だ。

無作為に掴んで放り込むと、おおよそ2種から4種が同時に口に運ばれる。その場合の味の組み合わせは、なんと150通りにも上るのだ。この数字は、一袋食べ終わるまでに、同じ味に出会わない可能性を示唆している。

一見して地味な印象を持たれがちな「味ごのみ」だが、食べ合わせ次第で実に多彩な表情を見せる。万華鏡のごときおいしさで食べ手を魅了し続ける「飽きないスナック菓子」なのだ。




きょうもお読みいただきまして、
ありがとうございます。

それでは、また明日。

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