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英語が苦手な人が英文Writingを学ぶにあたっておすすめの本五選

Amazonのミーティングはとても奇妙な形で行われることが多い - ミーティングの最初にドキュメントを参加者が黙読するのだ。議論は全員が読み終わったことを確認してからスタートする。基本的に文章を読まずにいきなり発言し出したりということは許されない。大人数が一つの部屋に集まり、一つの文章を黙って読む姿は結構シュールである。

私はこの奇妙なミーティングをする会社に7年ほど勤めていた。こういった環境で生き残るには人に読ませる、よいドキュメントを書かねばならない。しかもアメリカで働いているのだから当然英語で書く必要がある。しかしながら私は帰国子女でもなく、特段英語が得意というわけでもない。最初の頃に書いたドキュメントは複数人にレビューされていつも真っ赤っかになっていて、そのマークアップの量を見ては鬱々としたものである。が、小さな子供とVisa問題を抱えて異国の地でクビになるわけにもいかない。英語弱者なりに色々と試行錯誤して努力する日々が続いた。

個人的に一番効果的だなと思ったのは実際に書いて誰かに添削してもらうことなのだが、一方で、いくつか基本的な押さえておくべきルールのようなものもあるため、闇雲に書けばよいというものでもないということがわかってきた。というより、そういったルールを押さえておかないと読みにくくて、みんな途中で読むのをやめてしまう。次第に色々な評判のよい本を人に聞いたり調べたりして読むようになった。本は当たり外れが結構あって、高かったのに意味がないものや、何か発見があるのではないかと思って最後まで読んだのに今ひとつな内容だったものもあり、厳しい思いを何回もした。

最近、英文Writingについてどう学べばよいか、ということを立て続けに聞かれることがあったので、私の経験から読んでおくことをお勧めする本を五つ紹介したいと思う。全て英語で書かれた本だが、多くのものは分量がそれほどでもない。尚、繰り返しになるが本稿を書いている私は帰国子女でもなく、英語で教育を受けたのは米国MBAだけという、英語や英語教育について何か専門的な知見がある人間ではない。その点はご容赦頂いて参考程度に見て頂ければと思う。

The Elements of Style

英文Writingに関する本を薦められた中にこれが入っていなかったら卒倒する人もいるのではないか、というレベルの定番書である。とにかく読んだことがなければ絶対に読んだ方がよい。Amazonに入って直ぐに買うことを薦められた本でもある。カンマの使い方、コロンやダッシュの使い方といった基本的な英文を書くときのスタイルとそのルールに始まり、受動系をなるべく使うなといった基礎動作、よく間違って使われる単語や表現などが纏まっている。それでいて本文は100ページ弱でまとめられているというコンパクトさが素晴らしい。Amazonへのリンクはこちら。(US Storeはこちら)。

The Elements of Writing

この本は余り有名ではない気がするのだが、どうやって英文を書くか、という点については最も参考になったと思っている。パラグラフは一つのトピックを表す、最初の掴みが強い印象を持つ必要がある、文章は重層的に構成しなければならない、といった基本的な文章の構成の仕方を教えてくれる。文法やスタイルをThe Elements of Styleで抑えたあとに読むのに最適の本だと思う。少なくとも私はこれを読んで文章を書くということの考え方が大きく変わった。おすすめです。シリーズものになっているが、まずはPart 1からスタートして、その他の興味のあるシリーズへ移るのがよいかなと思う。Part 1: The Golden Rule of WritingのAmazonへのリンクはこちら。(US Storeはこちら)

Writing That Works

こちらも定番本でWritingを学ぶとなるとよく出てくることが多い。テクニックやルールといった解説についてはThe Elements of Styleと被る部分が多いのでさっと読めばよいと思うのだが、この本のよいところはビジネスシーンドキュメントの種類毎に詳細な説明がついていることである。例えば、Emailをカジュアルに書きすぎるな、件名はわかりやすくシンプルに書け、といった極めて大事なテクニックについて記載されていたりする。私はメモを書き出す前などにいまだにこの本を見て何を気をつけるんだっけな、と書くべきポイントを整理している。Amazonへのリンクはこちら。(US Storeはこちら)

Unleash the Power of Storytelling

英文で文法的に正しく、構成的に正しく、ドキュメントフォーマットの特性に合わせたツボを抑えた文章を書く - これは英文を書く上での第一歩であるがそれで終わりではない。そこから"読ませる"ビジネス文章を書くという長い旅路が待っている。そもそも、ビジネス文章なんというのは小説に比べるとつまらないものである。それをなんとか読んでもらう形にするにあたって、私はStorytellingというテクニックは非常に重要だと考えている。色々な本が出ているが、まず初めに読む本として非常にConciseに纏まっているこちらの本をお勧めしたい。Amazonへのリンクはこちら。(US Storeはこちら)

Ca$hvertising

ビジネス文章を書くということは、何かその文章を通じて達成したいことがあるはずである。根本的につまらないビジネス文章を読んでもらうための方策がStorytellingであるとすれば、その読んでもらった文章に書かれたアイデアを売る方法も必要であろう。このCa$hvertisingは広告代理店の使うテクニックについて書かれたものだが、人間の心を掴む文章というものはどういうものか、という点について具体例を交えて紹介されていてとても参考になる。Amazonへのリンクはこちら。(US Storeはこちら)
因みに、より一般的な人間心理についてはInfluenceという本もあって、こちらもおすすめです。(Amazon JP / Amazon US)

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