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2022年よかったもの

もう2022年も終わりですってよ。なんだったらまだ2020年の延長くらいな気分ですらいるのに。
年を追うごとに月日が流れるのは早くなるとよく言われるが、20代前半にしてこれはちょっとヤバすぎるんじゃないかと思えてきた。もっと瞬間瞬間を噛み締めて生きていかなきゃ。

そんなわけで、せめて2022年の自分だけでもしっかり成仏させて来年に進んでいくためにも、ざっくり今年を振り返ってみようかしら。
本当はTwitterでみんなやってるみたいに「2022年映画ベスト10」とかやってみたいんだけど、あいにくランキングをつけるほど数を観ていないので、特にジャンルや分野を決めず、印象深いものから順に挙げてみる。

小説『STAR WARS: Shadow of the Sith』

2022年のスター・ウォーズといえば、やはりこの未邦訳小説『Shadow of the Sith』を抜きには語れない。

スター・ウォーズ本編の完結編として公開された『エピソードⅨ スカイウォーカーの夜明け』。もちろん完結編として一応40年以上にわたるサーガの終着点に着地してはくれたものの、半ば無理やり完結させたためにあちこち綻びのようなものが目立っていたのもまた事実だ。
そんな『スカイウォーカーの夜明け』に対するモヤモヤの多くを胸熱な物語の一部として昇華させてくれた究極のスピンオフが『Shadow of the Sith』だ。

これはもう一回読んでみてほしいとしか言えない。これを一回読んでおくだけでシークエル・トリロジーの見方は大きく変わっていくと思う。続三部作が好きだった人も嫌いだった人も、全員が救われる小説だから。

ドラマ『キャシアン・アンドー』

2022年スター・ウォーズの映像作品部門でいえば、ぶっちぎりの1位はやっぱり『キャシアン・アンドー』でしょ。

『オビ=ワン・ケノービ』のドラマも決して悪くはなかったんだけどね。あれは多分に僕のフェティシズムも含めての高評価だから。万人におすすめできるのは圧倒的にこっちだ。

スピンオフ映画『ローグ・ワン』のサブキャラクターを主役とした、いわば「スピンオフのスピンオフ」とでも言うべき立ち位置のタイトルなので、スター・ウォーズをあまりディープに追っていない人たちへの知名度は皆無に近いのだが、それで済ませるのはあまりにも勿体無い。ライト層のファンにこそ見てもらって、スター・ウォーズというフランチャイズの深さと幅広さに度肝を抜いてほしいと思う。

小説『STAR WARS: Rebel Rising』

それと、『キャシアン・アンドー』とセットで楽しかったのが、未邦訳のヤングアダルト小説『Rebel Rising』だ。これはそれこそ『ローグ・ワン』公開時に『ローグ・ワン』のスピンオフとして出版されたものだが、今読んでみると『キャシアン・アンドー』とセットで作られたのかってくらい互いにリンクし高め合うような内容になっている。

何故か新品が一切市場に流通していない上に日本ではKindleにもなっていないという、端的に言って入手不可能に限りなく近い代物なのだが、多少無理をしてでもこれは読んでおくべきだと思う。

東京コミコン2022

大好きな映画の大好きなスターとツーショットを撮った。これに関してはもうこれ以上の言葉はいらない。

暴太郎戦隊ドンブラザーズ

自分は特撮のシリーズの中でも特にスーパー戦隊を偏愛しているのだが、今年のスーパー戦隊は凄かった。
掟破りに次ぐ掟破り。それでいてただの悪ノリや内輪受け狙いにならずに、きっちり面白い作品に仕上げてくるのは、さすが大先生・井上敏樹。

スーパー戦隊が他の特撮作品と決定的に異なるポイントとして、半世紀弱という長い期間をほぼ休止期間を設けずに駆け抜けているという点が挙げられる。
それはすなわちマンネリ化との休みない戦いを意味しており、その結果多くのブレイクスルーとでもいうべき作品が生み出されてきた。『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』は間違いなくそのうちの一つとしてヒーロー史に名前を残すだろう。

タローマン/展覧会 岡本太郎

僕にとって、2022年最大の「出会い」といえば岡本太郎だ。

きっかけは今夏の『タローマン』を観たこと。当初はやけに質の良い特撮パロディがあるという噂を聞き、ただの特撮の延長として観て楽しんでいた。しかし、これも何かの縁だと思って東京上野の展覧会に行き、音声解説とともに岡本太郎の作品と思想に触れたら普通に感銘を受けてしまった。
今までの自分はこういう絵画や芸術とはほとんど縁のない人生で、こうやって能動的に美術館に行って芸術鑑賞をしたのなんて生まれて初めてだったけど、初めてが岡本太郎で本当に良かった。

良かったので、売店で図録やらグッズも買い込んだし、後日岡本太郎の著書もまとめて買ったりもして、順調に感化されていっているのを感じる。

一番のお気に入り 「雷人」
「森の掟」もベタだけど良い 良かったのでこいつはグッズとして手元に残している

『シン・ウルトラマン』『ウルトラマンデッカー』

自分は東映特撮や東宝特撮映画にどっぷりと浸かっている男なのだが、何故か円谷のウルトラマンにはほとんど縁がなかった。特に思想があったわけでもなく、単に出会うタイミングがなかっただけなのだが、今年『シン・ウルトラマン』を観たのは自分の趣味をグンと広げる良いきっかけになってくれた。

ちょうどそのタイミングで新番組『ウルトラマンデッカー』も始まったので、これも毎週見ている。1年間を通してライブ感満載で駆け抜けていく東映特撮とはまた違った趣で、似て非なるまったく新しい文化に触れたようで毎週とても楽しい。これはとても良い「出会い」だった。

『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』

「出会い」といえば歴代スパイダーマンとの出会いも大きい。正確には出会ったのは昨年末だが、その集大成が公開されたのは今年の頭なので今年の出来事と言って良いだろう。

僕は今までなんとなくでしか「スパイダーマン」というコンテンツに触れていなかった。サム・ライミ版の第一作はDVDを持っていて何度も観ていたが、なぜか『2』と『3』は観てなかった。『アメージング・スパイダーマン』も、第一作は金曜ロードショーか何かで観たことがあったが、『2』まではなぜか手を伸ばさなかった。
別に嫌いだったわけではない。単に縁というかタイミングがなかっただけだ。

そんななか、MCU版スパイダーマンの新作に歴代のヴィランがオリジナルキャストで登場すること、マルチバースがテーマであることが公表され、「……ということはもしかして?」と歴代のスパイダーマンを改めて履修したのが昨年末のことだ。
面白い。どちらのシリーズもとても面白い。普通に世代だったのになぜ今までスルーしてきたのだろうかと心底後悔した。

そしてこの『ノー・ウェイ・ホーム』。3シリーズのスパイダーマンが集結し、それぞれが主人公として機能するなんて今までにない映画だし、これからも同じものは2度と作れないと思う。
万全の準備を整えてから観に行って本当に良かった。

『ローグ・ワン』再上映

ドラマ『キャシアン・アンドー』のプロモーションとして、関連作品『ローグ・ワン』の復刻上映が品川で行われた。

自分はスター・ウォーズの映像作品の中でも『ローグ・ワン』が5本の指に入るくらい大好きなのだが、実は劇場で観たことはなかった。ちょうど受験と丸かぶりの時期だったからだ。
本当は観たくて観たくて仕方なくて、でも将来の人生のために歯を食いしばって我慢しながら劇場に向かう弟を見送ったのを覚えている。そして弟が買って帰ってきてくれたパンフレットの表紙を眺めながら、Blu-rayの発売を今か今かと待ち、いざ発売されたら今度はそのあまりの面白さに余計に悔しくなり、それ以来ずっと自分の中の未練として心に引っかかり続けてきた。
その未練が5年越しに晴れた記念すべき日だ。

ピクミンブルーム

今年の頭から、位置情報ゲームのピクミンブルームを始めた。そろそろちょうど1年になる。

元々散歩は好きで、主にモヤモヤした時のストレス発散法として長距離の散歩に繰り出すことはあったのだが、こいつを始めてからは意識的に外に出るようになった。今の自分は在宅で作業することが多いので、これがなければ1週間丸ごと外にでないなんてこともあり得たかもしれない。自分の健康を維持してくれた救世主だ。

日記

去年の暮れから3ヶ月間、とにかくなんでも良いから毎日noteに何かしら投稿するという取り組みを行った。
何も思いつかなくてその日の出来事を苦し紛れに羅列しただけの本当の意味での日記帳みたいな文章がほとんどだし、就活が佳境に入っていたり左耳に発生した異変が結局完治せずに一生物の障害として残ったりと、なかなか人様に見せられないようなネガティブな内容もかなり多いけど、とにかくなんでも良いから言語化する習慣を付けてみようという取り組みはまあまあ有意義な時間だったと思う。

『正反対な君と僕』『氷の城壁』(2023年01月追記)

読み終わりが2023年頭までもつれ込んでしまったけど、どちらも2022年の「出会い」としては大事だなと思ったので滑り込みで追記させてもらう。

2022年の春にジャンプ+で連載開始された『正反対な君と僕』という漫画。前年に読切として掲載されていた第1話がなかなか好みだったのでなんとなく追いかけてみたのだが、気がついたらいつしか更新日の夜中に真っ先に読む漫画の地位を確立してしまっていた。
自分は、恋愛漫画についてはあればなんとなく公式無料の範囲で読んでみるかくらいの感覚で、ここまで熱中することはかなり珍しい。

この漫画はとにかく「互いが互いを思いやる」という行為に対して非常に真摯で、尚且つ登場人物それぞれが人が誰しも少しは持っているモヤモヤや悩みを非常に飲み込みやすい形で言語化してくれるのが特徴的なのだが、どうやらこれが非常に僕の好みとピッタリとハマっていたらしい。

そんな感じで『正反対な君と僕』を楽しんでいたら、コメント欄で『氷の城壁』という漫画をオススメする声がちらほら上がっていることに気がついた。作者である阿賀沢紅茶さんの前作らしい。
この作者さんの作品ならばそう間違いはないだろうと思って冬ごろからLINEマンガでちまちまと読み進めていたのだが、これがまあ面白かった。

『正反対な君と僕』ではあえてマイルドな「やさしい世界」の中で表現されていた少年少女たちの悩みや問題が、今作ではもっと容赦なくグサグサと突きつけられてくる。それでいて、最終的には全員が優しく救い上げられていくストーリー展開に強烈に心を掴まれてしまった。

わかりやすく人付き合いを拒絶していた主人公はもちろん、明るく元気な人気者の親友も、温厚で優しい男子も、距離感が近過ぎる男子も、そしていけ好かない恋敵ですらも、皆それぞれに根底のところで「他人に心を開くこと」に対して問題を抱えていることが物語を通してだんだんとわかってくるのだが、出会いと恋がきっかけで各々がそれを自覚し己と向き合わなくてはならなくなる展開の連続にとても心が抉られた。
そしてこれらの苦しくも大切な過程を経て、それぞれが一歩ずつ前に進みながら解きほぐされていく展開があまりにも良すぎる。
最近みんなが言う「尊い」という感覚がよく分からずあまりピンときてなかったのだが、もしかしたらこれで感じた感情がそれだったのかもしれない。

これは2022年に読んだ漫画で一番良かったものと言っても過言ではないだろう。

総括

冒頭では2022年はあっという間に過ぎ去っていったような気がすると書いたけど、こうやって一個一個挙げていったら今年はなかなか濃密な1年だったことを思い出した。
ここに書いたもの意外にも、ツイートやらスマホのアルバムを見たら他にも色々なところに行って色々なものを読んで色々なものを観て色々なものを買っていた。こういうのを漫然と受け流してしまっていたから虚しい気分になってしまっていたのだな。反省だ。

来年からは、もう少し意図的に一つ一つの出来事を心に刻みつけて生きていくことを目標に据えようと思う。
具体的にいえば、何かあったら積極的になんらかの形で言語化することを意識してみようかな。流石に1年前みたいに毎日1000字弱も日記を書くのは苦しいけど、せめてツイートだけでも残す。
そしてこのnoteのアカウントももちろんもっと積極的に活用しよう。何か観たり読んだりしたらメモ程度でも何かここに書いておけば、ただツイートするよりも後から見返しやすいはずだ。

個人的な事情だが、来年からは今までとは全く違う生活になる。来年こそは、自ずと有意義だったと自分で思える年末にしたい。

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