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「営業、マーケティング」と「プロダクト、サービス」

NewsPicksの元編集長、佐々木さんが起業した会社「PIVOT」で、ベルフェイス株式会社がこれまで歩んできた歴史について語っている対談動画があった。

照英さんが営業マンに扮したベルフェイスのCMは「It's OLD営業」という言葉がなぜか脳裏に焼き付いていて、「あ〜、あのCMの会社ね!」とすぐに思い出すことができた。

CMが流れていた当時は、まだコロナ前。「営業もリモートの時代」というフレーズをもって打ち出したベルフェイスのプロダクトは、コロナ禍で非常に伸びているものだと思っていた。

しかし、実際は真逆。コロナになるまで急成長を続けていたベルフェイスは、コロナ禍に7割の顧客を失ったのだ。

マーケットで選ばれ続けるということ

なぜ顧客を失ったのか。
それは、緊急事態宣言下でリモートが推奨される中、zoom、Teams、Google Meetといった、多くのプロダクトが台頭してきたからだ。

それまでベルフェイスのサービスを使っていた多くのクライアントは「あれ、zoomの方がいいじゃん」となり、多くのサービス比較の中で敗れてしまったのだった。

コロナ前まで急成長を続けていたベルフェイス。ここぞとばかりに営業に力を入れ、人材採用を行い、ひたすら営業・マーケティングに資金を投下してきた数年。

しかし、”10年先の未来が前倒しになった”と言われるパンデミックの到来により、プロダクトの価値が再検討され、利用者は激減。

逆に言えば、数年後には選ばれないかもしれないプロダクトを、まずは現状のもので世の中に広めていこうという”OLD営業”をひたすらに行っていたのがベルフェイスだった。

プロダクトを磨き続ける

もちろん、コロナのような自然災害を予測することなど困難であり、「運が悪かった」といえばそれまでかもしれない。

ただ、ここから得られる教訓もある。

私たちは、ものを生み出す、磨いていくという「プロダクト、サービス」に時間やお金を費やしていくことと、それを多くの人に使ってもらおう、世の中に認知してもらおうと「営業、マーケティング」に力やコストを費やしていくことがある。

そしてこれは両方大事であり、大きくバランスが崩れるとどこかで歪みが生じる。ベルフェイスの例では、プロダクトが世の中に受け入れられていったことで、営業に力を傾けすぎてしまい、プロダクトをより良いものにしよう、磨いていこうという意識が抜けた結果もたらされたものだったのではないだろうか。

逆に、どれだけプロダクトを磨き続けても、それが世の中で誰にも使われないサービスだとしたら、それは存在しないのと同等である。

2つのバランスを大事に、両方の視点を持ちながら、より良いサービスを多くの人たちに使ってもらえるためにはどうしたらよいか、考え続けることをやめないようにしていきたい。

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