人は現状を維持したがる~ホメオスタシス(恒常性維持機能)~
【心理学】ホメオスタシス(恒常性維持機能)
ホメオスタシスという言葉を知っていますか?
簡単に言うと、一定の状態を維持しようとする身体的機能です。
ホメオスタシス(恒常性維持機能)
例をあげると、以下のようなものがあります。
・走ると、呼吸が乱れて身体の酸素量を保とうとする。
・寒いと体を震わせて体温を保とうとする。
・怪我をすると傷口が塞がる。
身体には、元の状態に戻そうとする働きが備わっています。
なぜか?
それは、生存に必要な要素だからです。
例えば、100mを本気でダッシュして、呼吸が乱れなかったらどうなるでしょうか? おそらく、身体は酸素不足により瀕死状態に陥ってしまうでしょう。
人には、生きるために必要不可欠な身体構造が多々あります。
恒常性維持機能もそのひとつ。
しかし、人の身体に備わった機能は、必ずしも人生をプラスに働かせてくれる訳ではありません。現代社会において、生きるために備わった人体の構造がマイナスに働く場合もあります。
コンフォートゾーン(快適領域)
ホメオスタシスの場合、変化を妨げるというマイナスがあり、これは心理にも働きます。例えば、自分が「明日から毎日1時間勉強しよう。」と意識しても、なかなか続かないという経験、皆さんにもあるかと思います。
人には、心地の良い状態が存在します。
これを「コンフォートゾーン(快適な領域)」と呼びます。新しく習慣を身につけようとした場合、このコンフォートゾーンから外れた行動になります。すると、身体は居心地が悪くなり、元の状態に戻そうとするホメオスタシスが働きます。
だからこそ、新しい習慣を身につけることは簡単ではありません。それでも私たちは、日々成長するために新しい習慣を身につけていきたいと考えます。
では、新しい習慣を身につけるにはどうすれば良いのでしょうか?
習慣のアップデート
新しい習慣を身につけるためには、「コンフォートゾーン」を書き換えることが必要です。
例えば、毎日歯を磨く人ことが当たり前の人にとって、歯を磨かないまま寝ることはどのような感覚でしょうか。「今日はめんどくさいから歯磨きはしないでもいいかな」という人はあまりいないと思います。
なぜでしょうか?
それは、やらない方が気持ち悪い、というくらいに習慣化されているからでしょう。そして、この元に戻る際の現状の位置は、何度も繰り返すことで書き換えができるのです。
例えば、毎日6時起きを、最初は眠気と闘いながら起きていたとしても、何日も繰り返すうちに、自然と早く起きられるようになるはずです。
これは、自分にとって心地の良い起床時間が書き換えられたからです。
まとめると、
・人には「ホメオスタシス(恒常性維持機能)」というものが存在し、現状維持をしようとする。
・「元の状態(快適領域)」の基準をあげることが、習慣化である。だからこそ、快適領域をアップデートすることが大切。
・「元の状態」に戻そうとする期間は、身体との闘いは辛い。アップデートするまでやり続ける「継続性」が大切。
人体の構造を理解し、自分の体とうまく付き合ってより良い生活を送りましょう!