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キャリアデザイン、その3、自分資産の棚卸

キャリアの両輪、前節では「資質」についての説明でした、今回はもう一方の「資産」の話です。

 資産と言っても、預金や財産の金融資産の事ではありません。自分資産ですので、これまで自分が行って積上げられたものを指します。つまり、多くの時間を費やして培われた無形資産になります。経験や実績と同じものと思われるかも知れませんが、キャリアデザインを考える上では別と捉えてください。

 何故かと言えば、経験と実績は過去の出来事であり結果を表しています。今後のキャリアで活かすにしても同じ仕事、または近い仕事に狭められてしまいます。つまり、延長線上で考えることが最も合理的になるからです。

 一方、資産は、使い方が限定されることはなく、様々な応用が可能です。そのような意味で、両者は全く違うキャリアを歩ませてくれるのです。

 ですが、「資産」をどう見つけるのか、イメージが湧きませんよね。

 ここで、営業職として多くを培われた方を例として資産を取り出してみましょう。営業としてとらえると対象が大きすぎるので、営業行為の観点から特徴を切り出すと次の3点になりました。

 ①コミュニケーション、関係構築手法

 ②成約手順、クロージング手法

 ③関係維持、アフターフォロー手法、リピートケア

 ほんの一例ですが、営業でも色々な場面があります。コミュニケーションを取り上げても、営業でありながら対面ではないコミュニケーションで関係構築する手法を得意としている方もいらっしゃいます。その方であれば、非対面で満足度を与えられるという資産を持っているので、通販事業や、コールセンターのような対面でないビジネスモデルで間違えなく活かせますね。チームより個人、という方であれば、個別指導などを希望される顧客専門とすることで有効に資産が活用できるはずです。

 これまでのように営業と言う大枠だけで捉えず、他へ応用できるストーリーへ転換すれば、資産として多くの利が作れることが分かります。

 纏まらない場合は、ゆっくりと思い出しながら、出来る限り文字に起こすことをお勧めします。頭の中からすべてを出し切り、資産の棚卸をするつもりで行ってみましょう。そして、出し切ったものを眺め、なぜ自分はそれに時間を費やしたのか、何がそうさせたのか、状況や環境も考えながら進めてみましょう。バラバラだったものが整理され、思いもよらぬ共通点などが浮かび上がってきます。

 経験や実績を元に、これまでと同じフィールドで挑戦するのは、中高年には有利に働きません。何故ならば、中高年の実績そのものは賞味期限が切れているのです。30~40代と比較されては勝ち目がありません。フィールドに自分を合わせるのではなく、自分の資産を中心に据えて違ったフィールドへと展開する着想が必要とされるのです。

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