見出し画像

母親の不調⑨ ~原因がわからない

検査に入ろうとしたとき、心電図を見た先生から、
「ちょっとこれ気になりますね。
心臓が弱ってるかもしれないですね。」
と声をかけられました。

心臓?!
全く予想もしていなかった部位を指摘されたので、
最近いろいろ調べた内容を思いうかべ
「心臓って・・心不全ってことですか・・?」
と尋ねると
「そうです。検査後の診察は、
循環器科の先生にも立ち会ってもらいますね。」
と先生に言われました。


心臓?心臓?と思いながら、
検査室まで歩くのが辛く、よろよろと今にも倒れそうな母親に
付き添い、CTや心臓エコーの検査を受けました。

いくつもの検査を受けて、さらに疲弊した母親と長い待ち時間を過ごし、
再度診察室に呼ばれると、
待っていたのは、先ほどの先生ではなく
ベテランそうな男性医師でした。
「循環器科のKです。
ちょっとね、心臓の音がおかしいから、僕が代わりますね」

K先生に
「これね、脈が異常に早いんだよ。自覚ある?」
と質問され、母親は
「ちょっと動くと、胸がドクドクドクとしてきて、
しんどくなります」
と答えました。

胸がドクドクとする、というのは、母親がその頃よく
口にしていた症状でした。

「あー、これね。心房細動だね。いつからこの症状があったかにもよるけど、心不全になってるね。肺の水もこれが原因だと思うよ。」
と先生はパンフレットを渡しながら説明してくれました。

心不全? 
心房細動?

確かに胸水の原因として、心不全も挙がっていました。
でも、むくみもないし、体重増加もないので、それはないだろうと
却下していました。

心房細動を起こしやすいリスク因子として、
・高血圧
・糖尿病
・肥満
・喫煙
・過度の飲酒
・加齢
などがありましたが、あてはまるのは、「加齢」のみ。
それだけで、3か月ほどで10キロも痩せるの?
心不全の説明として「階段を上ると息切れがする」とありますが、
階段どころか、平地を10メートルも歩けば息切れを起こしているような
状態なのに??

しかし、心不全の症状として
食欲不振や、咳、横になると辛い、などが挙げられており、
これが全て母親が苦しんでいた症状に当てはまっていたため
そうか
心臓だったのか
とすとんと納得ができました。

「まずはこの脈の速さを正常に戻さないといけないね。
治療としては、脈の速さを戻す薬と、血栓ができないようにする薬を
飲んでもらいます。
それでもよくならなかった場合は、
カテーテルアブレーションっていう手術をするという手もあるけど、
まずは薬で様子を見てみようか。」
と丁寧に説明をし
「入院したいって聞いたけど、入院して治療する?」
と確認してくれました。

母親はたいそう喜んで、
「ありがとうございます!!
家にいても動けなくて・・入院させてもらうと安心できます。」
とやっと安心できた様子でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?