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自分たちは、何で、飯を食ってる会社なのか。


結局、日本は社内の『有職故実』に強いことが『仕事が出来る』だったんだよね。

そして、『有職故実』を独自性と勘違いしていたところもあって。年輩経営者と話すと、『例え同じ機械を入れても、自分たちなりに使いこなすことが、差別化要因であり、競争力の泉源だ』という思想が強い。ありもののバットを自分の手に合わせて削るみたいな感覚で、産業機械も改造していく。

おそらく、この世代の製造業経営者が『経営者セミナー』などで聞いてきた『経営の定石』が、『中小企業の独自性の発揮のため汎用品を自社仕様で使いこなす』だったのだと感じる。同様の発想がセントラルドグマになって、帳簿、帳面のような事務作業も、『独自のシステム』を作り上げる。自社独自書式とか。自社オリジナル伝票とか。それを、中小企業独自の個性とか独自性とか、前向きな言葉を当てはめて評価してきた。

結果、事務作業においても、『その会社だけにしか通用しない『有職故実』』が積み上がり、それに精通することが『仕事が出来る』になる。
 

ただ、『そこで差別化すること、そこを内製化することが、本当に競争力なの?あなたの会社が、独自性で勝負するところって、本当にそこなの?』ということは余り考えないで来た。
 

結果、クラウド化とか標準化するときや、システムのバージョンアップをするときなどには、むしろ『自社の独自のやり方』が障害になり、変なことしてなければ汎用品を低コストで導入できたのに、いちいち追加コストを払って自社仕様、自社独自アプリなどにしなければいけない非効率も産んでいる。
 

これが、『儀式』が産まれてしまうことと、共通原因なのかなと思う。


自分の会社で、コストをかけてでもオリジナリティを発揮すべき『勝負ポイント』と、汎用品、クラウド、アウトソーシングなどに頼るところの区別をはっきりすること。この見極めが、ますます重要になってくる。

自分たちは、何で、飯を食ってる会社なのか。アフターコロナでは、それが、より一層はっきりする社会になる。

『何で、飯を食ってる会社なのか。』を突き詰めて考えていこう。


この記事の続編です



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