そもそもAspergillusってなに?

今日は、発酵?の話し。

麹菌がAspergillus oryzae(アスペルギルス・オリゼー)と呼ばれるのは割と知られています。(知られているのか?)

では、そもそも、Aspergillus(アスペルギルス)って何かご存じでしょうか。

それは、アスペルギルムという聖水を撒く道具に由来します。実物を見た方が早いと思うので、なんとAmazonで売っていたのでリンクを張っておきます。

麹菌がこの形に似ているから、聖水を撒く道具である、アスペルギルムの名を取って、Aspergillusという名前が付けられました。

いかがでしょう?似ているでしょうか。

Aspergillus oryzae

さて、Aspergillus oryzae の oryzae の部分を説明します。

oryzaeは稲という意味です。稲の学名はOryza sativaと言ってそこから来ています。さらに言えば、その学名のOryza(オリザ)は、 アラビア語の eruz(米)に由来するそうです。

ちなみに、当社の甘酒の新ブランドシリーズ「orise」も是非、ご愛顧ください。

ちなみに、oryzaeがアラビア語で米であれば、主に醤油に使われる黄麹菌Aspergillus sojae の sojae(ソーヤ)はラテン語で大豆に由来します。英語でも大豆をsoy(ソイ)というので、ラテン語の面影が残っていますね。

ついでに、黒麹菌を示す Aspergillus luchuensis(アスペルギルス・ルチエンシス)の命名の話もしましょう。

ルチエンシスは、琉球に由来します。この ensis (エンシス)は、学名が地名や場所にちなむときに使われます。 琉球+ensis で、luchuensisですね。ですので、命名則通りにリューキューエンシスと読む読み方もあります。

このensisは、割と他の種でも効きます。有名なところでは、ネアンデルタール人は、ドイツのネアンデルという町に由来するため、学名がHomo neanderthalensisです。北京原人は、Homo erectus pekinensis(ペキネシス)ですね。

さて、黒麹菌はAspergillus luchuensis(アスペルギルス・ルチエンシス)と言う学名になりましたが、白麹菌は Aspergillus luchuensis mut. kawachii(アスペルギルスミュータントカワチ)という学名になります。

これは、ご存じの方も多いと思いますが、発見者の河内源一郎さん日南でいます。なお、学名が発見者など人名にちなむときは-i や-iiをつけます。

恐竜で言えば、福島県いわき市で当時高校生の鈴木さんが発見した「フタバスズキリュウ」の学名はFutabasaurus suzukiiです。

ひょっとしたら、新種を発見すれば、

Aspergillus (あなたのおなまえ)+i

という麹菌になるかもしれませんね。

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