青春のトレーニング

9月下旬になるというのに、全身の毛穴から汗が噴き出るほど暑い。
今日の最高気温は31℃に達するそうで、真夏日になるとのことだ。
9月上旬〜中旬には20℃前後で気温が推移してきた日があったので、また季節が巡って夏が到来したような気温だ。

こんな日に限ってランニングシャツを忘れてしまう。
リュックには、着替え、ランニングシューズ、スパイク、タオル、飲料、そしてランニングパンツが2枚入っているだけであった。
クローゼットからランシャツとランパンちをセットで取り出したつもりだったが、あろうことかパンツを2枚取り出してきてしまったようだ。

トレーニングメニューは、大体その日の気分で決めることが多い。
今日はなんとなく、しんどい持久系のトレーニングがしたい気分だった。
この炎天下でほんとにやるのか、と一瞬言い訳が頭をよぎる。
しかし、トレーニングメニューを決めるのは天気ではなく自分だと思い、弱い心を一蹴する。
競技場までの道のりを歩きながら、持久系のトレーニングといえば、と思い出したものがある。

200m×10本。

中学校の冬季練習の際によくやっていた練習だ。
2週間から3週間に1回程度、競技場で行うトレーニング。
設定タイムは各々のレベルに合わせて設定される。
冬季練習の初めの頃は、30秒を切るくらいのペースから始まり、8本程度設定を守れたら次回は29秒ペース、というように目標達成&チャレンジというサイクル回る楽しいトレーニングだった(ハードだが)。

中学1年生の頃は先輩に着いていくのが必死だったが、たまに先着できるようになると嬉しく、次の本数も負けない!と思い頑張れた。
2年生の頃は、110mHで全中出場、400mHでインターハイ入賞を果たしたCと、走高跳・三段跳でインターハイに出場したNといった同級生と競い合いながら、楽しく走り込んでいた。

Cとはお互いに負けず嫌いな面もあって、どちらが設定タイムを守れ、よりハイペースな設定でいけるかを競い合っていた(Nは跳躍種目が専門だったのでのらりくらりとやっていたが)。

私は400mが専門であり、レースの後半もあまりペースを落とさず走れるタイプだった。
しかし、最後の30m程度で前を行くCを抜くと、なんとなく負けているような、ずるいような気持ちになるので、スタートからバチバチに競い合いトレーニングに走り込んでいた。

このトレーニングは、男女、専門種目に関係なくみんなでやる。
疲れてたれてきている後輩にヤジを入れたり檄を飛ばしたり、次はスタートからガンガン行くわ、とか牽制しあったり、女子にかっこいいところを見せたくて、しんどいけど平気な顔して(余裕じゃね?"とかいってみたり(そして無茶なペース配分により後半苦しむ)。

よく行く川沿い競技場、芝生に散布された農薬が臭くて気持ち悪いと大騒ぎしながら、寒さに負けず取り組んだ200m10本。
青春のトレーニングだ。


10数年後の今は、結局200m×6でダウン。
暑さなのか、体力なのか、仲間がいないからなのか。
それでも、途中で辞めたことに嫌な気持ちはない。
競技への向き合い方も目標も違うし、今できる限りでしっかりやり切った。
中学生ながらよくこんなのやっていたな、と懐かしみつつ浴びるシャワーの心地よさたるや。
また冬が来たら、懲りずに改めてチャレンジしよう。

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