Netflix『セックス・エデュケーション』の魅力。
イギリスのNetflixオリジナルドラマ、『セックス・エデュケーション』のシーズン4が配信され、先日完走しました。
世界的に人気の青春コメディドラマですが、日本国内での認知度はあまり高くありません。
このドラマが大好きな僕は、感想を共有できる人があまりいないので、いつも寂しく思っています。
ということで、今回のシーズン4でフィナーレを迎えた『セックス・エデュケーション』の魅力を、ネタバレなしでお届けしたいと思います。
あらすじ
イギリスの片田舎、ムーアデールにある高校が舞台。
主人公のオーティスは、見た目もパッとしない、さえない男の子。
もちろん女性経験もなく、マスターベーションに悩みを抱えるなど、うだつの上がらない毎日を送る彼ですが、打って変わって母親のジーンは、性に奔放なシンママで、いろんな男と体を重ねまくる美魔女。
しかも彼女の職業は、世間的にも有名なセックス・セラピストで、書籍や講演で性の悩みを解決することを生業としています。
そんな母親の影響でオーティスは、自身に経験は無いのにも関わらず、性の知識だけは豊富になっていきます。
彼の豊富な知識と解決力に目を付けた、一匹狼的な同級生の女子メイヴは、「学校でセックス・セラピーを開いて、二人でお金儲けをしよう」と提案します。
生徒たちが抱える性の悩みを解決していく中で、出会う人、起きる出来事。「性」というテーマにフォーカスした、笑えて、時に胸が熱くなる、青春コメディドラマです。
「優しく包み込んでくれる」ドラマ
タイトル通り、「性教育」がメインテーマのドラマです。
エッチな描写はたくさん出てくるにも関わらず、どこかポップで、笑える表現に仕上げているのが特徴的です。
根底にあるのはティーンエイジャーという、どうしても性の悩みにぶつかる時期を焦点にしているという事。
悩みの種類や度合いは人それぞれですが、体の変化や心の変化など、誰しもが何らかの壁に直面したことのある学生時代を描くことで、観る人全員が登場人物に寄り添いたくなるのです。
もちろん真剣に悩んでいる彼らですが、自分の力で、また仲間の助けにより壁を乗り越えていくその様は、とても愛らしい瞬間ばかり。
愛情や友情など、心の交流を経てたくましくなっていく10代の彼らを見て微笑ましくなります。
このドラマを観て一番思うのは、
「全員を優しく包み込んでくれる」
ということ。
オナニーがうまくできない人、オーガズムを経験できない人、痴漢に遭ってから異性を怖く感じてしまう人、ゲイをカミングアウトできない人、処女、レズビアン、ノンバイナリー、バイセクシャル、障がい者など、性をテーマにしたあらゆる悩みを抱えた人たちがたくさん出てきます。
悩みを抱えた彼ら全員の喜怒哀楽や、前向きに生きようとする姿を、ドラマ全体が優しく包み込んでくれますし、同じ境遇の視聴者も勇気づけてくれるのです。
また、僕が思うこのドラマのいい点は、LGBTなど今っぽいテーマを扱っているのにも関わらず、決して説教じみていないという事。
最近のハリウッド作品って、「同性愛者である必要あった?」って思っていしまう作品多くないですか?
そういった、世間からの支持を受けたいがための「無理やり感」は、このドラマにはありません。
なぜなら、もともとが「性の悩み」をテーマにした作品だからです。
自然に見れますし、いい意味でメッセージ性を振りかざされていない感じがするのです。ちゃんとドラマとして100%楽しむことができます。
愛らしい登場人物たち
『セックス・エデュケーション』最大の魅力は、なんといってもその愛らしいキャラクターたち。
明るくて、軽快で、かわいい人物ばかり。完璧じゃなくても前向きに生きる彼らに魅かれるのです。
主人公・オーティスの親友エリックは、常にポジティブなお調子者。テンポのいいトークで周囲を明るくさせます。
しかし、要所要所で悩むオーティスに寄り添う良き理解者であると同時に、自身もゲイセクシュアルとしての生きづらさを抱えています。
そんな彼は、このドラマをコメディたらしめる一番の存在だと思います。
メイヴの親友、エイミーも癒しの存在。天然キャラの彼女の突拍子もない言動は、シリアスなシーンの中においてクッションのような役割を果たします。みんなピリついているのにいきなり手作りカップケーキを配ったり。
ですが、彼女は彼女で、痴漢に遭うという経験から男性恐怖症に陥ります。乗り越えようとする姿も健気です。
他にもいじめっ子のアダムや、両親がレズビアンのジャクソン、プライドの高い美女のルビーなど、個性的なキャラクターがたくさん出てきます。
不器用に生きる彼らのやりとりを見てハッピーな気持ちになれる、そんなドラマです。
様々な問題を抱えている若者たちの日常ですが、ポップな色合いとタイムレスなファッションも見どころの、重苦しさゼロで気軽に笑えて楽しめる『セックス・エデュケーション』。
気になった方はぜひNetflixで。
それでは、また!
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