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友人の新たな一面にふれる

最近、友達の新たな一面にふれることが多い。
 
大学からの付き合いである友人Aは、フットワークがとにかく軽い。人脈が広く、休みの日はほぼ外出しているそう。ミーハーなので、わたしの好きなバンドのライブでも「行きたい!」と即OK。いつも明るくてよく笑う、ノリの良い友人である。
 
そんな彼女も、怒りの感情を持つことがあるらしい。
Aの職場で業務に大幅な変更があったらしく、それが入社時の条件とまったく異なったものだという。たとえるなら「研究職として採用されたのに、営業として外回りを命じられた」というような感じ。Aはもちろん、他の社員もみな不満に思っているらしく、会議で反対であることを伝えたそう。(結局、秋までは話が進んでいるからそこまでは実行することになったらしい)
 
わたしはうんうんと話を聞きながら、内心驚いていた。Aの勤める会社の方針にではなく、Aの言動に。
いままでAの口から愚痴を聞いたことがなかったし、怒っている顔もみたことがなかった。同じ大学出身で、共通の友人も数名おり、一緒にバイトだってしたこともあるのだが、不平不満を聞いたことはない。Aが話している間「Aも強い言葉を使うことがあるんだな」とずっとびっくりしていた。そのくらい、Aが怒りをあらわにしたところを、わたしは見たことがなかった。
 
そして同時に安心した。「Aにもちゃんと『怒り』の感情があるんだな」と。その一面をわたしに見せてくれたことが、とても嬉しかった。
 
それからAから不満を聞く回数が増えた。といってもこちらから「最近仕事はどう?」と尋ねると話す程度で、A自身からはあまり話そうとしない。たぶん、友達といるときは楽しく過ごしたいという気持ちが強いのだろう。
そんな優しいAがわたしは大好きだ。話を聞くことしができないけれど、少しでも力になれたらなと思う。 


そしてもう一人、友人B。10年前にSNSで知り合い、遠方に住んでいるため毎月電話をしている。
Bはマイペースでさっぱりとした性格をしており、「大丈夫でしょ」「なんとかなるって」とよく言う。
わたしは心配性なので、その言葉によく救われている。世渡り上手で、ほどよく力を抜いて生きている”ゆるさ”がうらやましかった。
 
それが最近、わたしの思い違いであったことがわかった。
普段は明るく振る舞ってはいるが、悩みをなかなか打ち明けられず、考えこんでしまうことが多いらしい。そして去年の冬、ベッドから起き上がれなくなり、仕事を1週間休んでしまったことを打ち明けてくれた。
 
その期間中、たまたまメッセージを送っており「元気なかったから連絡がきてうれしい」と返信があった。まさかそこまで精神的に落ち込んでいたとは……。
Bの口癖である「大丈夫」「なんとかなる」は、本当にそう思っているのではなく、不安な自分自身に言い聞かせている言葉だった。
 
常に前向きであるように見せかけていたBに、わたしはよく話を聞いてもらっていた。何があっても最後には「なんとかなるよ~」と言ってほしくて相談していたことも。
自分のことばかり考え、常にBに甘えてしまっていた。これからはわたしもBの助けになってあげたい。そう思ってからは、Aと同じでBにも「最近どう?」「この前の件はどうなったの?」と話しかけるようにしている。


「どちらも知り合ってから5年以上経っているのに、びっくりする一面もあるんだな」と思う一方、5年以上経ったからこそ知ることができた、新しい彼女たちなのだなとも思う。意外だったけれど、人間らしくていいなと嬉しくなった。
 
これからもどんどん新しい一面を知っていきたい。そして、なにかあったときに助けてあげられるような存在になりたいなと思う。
 

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