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約2週間でアルバム作ってみた vol.1

1st album「旅路」のリリースから約1ヶ月経った頃、YKに衝撃が走る。

YMPもお世話になっている音楽配信サービスのtunecoreにてなんと配信サービス利用手数料が無料というキャンペーンを2週間限定で行っていたのだ。
正確には7月26日から8月10日の間。これを知ったのは28日のこと。

「出遅れた!!」
と内心思ったが、このチャンスを逃してはならない!
アルバムをまた出そう!などとあまりにも無謀な挑戦が始まったのである。

12日間戦争の始まり

その時点で持ち曲は0に近かった。
近いという表現は曖昧だろう。形になっているものは無かったというのが正しい。
しかも、やりごたえ的に作りかけを形にするよりも新しく作った方が話題性もチャレンジ的にも良い。私はこれを自分に課す試練として認識していた。

ただし、フルアルバムといったほどたくさんの曲を用意する事は難しい。だから今回はミニアルバムの規模で出すことを試みた。

コンセプトを考える

12日間という短い戦いの火蓋が切られたわけだが、まずはアルバムのコンセプトを考えた。
シングルの場合は一曲の事だけを考えればいいがアルバムとなればベストアルバムでは無い限りストーリー性がある方がいいと思うからだ。

そこで夏真っ盛りの時期だからこそ、夏のアルバムにしようと考え、そこから

「夏の一日」
朝の目覚めから、夜眠りにつくまでの流れを演出する

といったアルバムコンセプトが決まったのである。

アルバム制作の流れ 〜タイトル編〜

出遅れた制作。
まずはタイトルを考える事にした。
というのも私にとって、タイトルとは曲のコンセプトを表す物と考える節があるからだ。

夏の楽しみを伝えたいのであれば→花火
秋の味覚を伝えたいのなら→真っ赤なりんご
クリスマスの寂しさ→シングル(ジングル)ベル
春の暖かさからくる眠たさ→日向の猫

こういった感じで大まかな曲の方向を決める。後から変えても良い。
伝えたい内容がタイトルから来るときもあれば、歌詞が先行した時は歌詞の内容からタイトルのアイデアを持ってくることもある。
今回は歌詞を最初に思いつく事が無かったのでタイトルから考えている。

同時にどんなジャンルの曲にするかも決める。
次にタイトル(伝えたい内容)から歌詞を書き始める。
今回のアルバムは2曲分の歌詞を書いた。

最初のタイトル(仮)から最終的なタイトルへの変化は

①夏蝉→鳴く蝉、泣かぬ蛍
②ラポラポラ→そのまま
③summer→Re:summer
④Blue sky→Ms.Blue Sky
⑤midnight sun jam→そのまま
⑥最初はなかった→夜蝉

という感じに変わっている。

特に①の夏蝉はすごく変化した。というのも歌詞を考えているときに気に入ったフレーズがあったのでそれを流用したという訳だ。

③はリゼロ(アニメ)が好きだからという理由ではないが「Re:」とついてるだけで何故かワクワクするのは私だけだろうか?
何かをキッカケに「いつかの夏」を思い起こした経験が皆あると思う。
それを再現しようと試みた楽曲だからこのタイトルとなった。

④は偉大なるロックバンド、ELO(Electric Light Orchestra)の名曲、Mr.Blue Skyからインスパイアされた曲だ。
爽やかな夏らしい曲だ。元ネタとなった曲も素晴らしい曲なので是非聴いてほしい。

このように最初の発想から変わる事もある為、柔軟性を持っている方が悩まずに作業に取り掛かることが出来る。
だが伝えたい内容がブレてしまわないように気をつけなければならない。

アルバム制作の流れ 〜作詞作曲編〜

ある程度のタイトルを決めたら、それぞれのジャンルを考える。今回は、、、

①ボサノヴァ
②ポップス
③ ⑥インスト
④ロック
⑤フュージョン

という感じになったが、インストに関してはあまりガッチリと決めて制作したわけでは無い。
アイデア勝負な部分が強い。
動画内でも語っているがある程度のジャンルを決めて、自分の知識やアイデアで肉付けをしている。
その過程で当初とは違う雰囲気になってしまう時もしばしば。

制作の詳細や影響を受けたアーティストや紹介していこう。

①「鳴く蝉、泣かぬ蛍」
ボサノヴァというイメージで考え始めたが、意外にもポップな仕上がりになった。
マイケルフランクスのAOR感、アールクルーのギター感を出そうとやってみたが、、、
なかなか上手くいかないものだ。

アルバムコンセプト「夏の1日」の始まりなので、朝の状況をイメージした歌詞になっている。
ストーリー自体は前日の夜から繋がっている。

主人公は朝、昨夜の出来事を思い返し後悔する所からはじまる。
休日の始まり、土曜日の朝にこのスタートを切るというのは中々にリアルだろう。
休みが始まったが予定が決まっていない時のモヤモヤ、だけど良い休日にしたい。
そんな感情を表現してみた。

②「ラポラポラ」
動画内でも語ったが、NHKの教育番組の「みんなのうた」で流れる感じをイメージして作った。
私が普段作らない様な詩であり、歌になっている。

この曲は唯一ストックから持ってきた歌であり、春頃に考えた曲だ。

ある日母から
「カタカナを使った口遊みやすい曲を作ってくれ」
と、よくわからない注文を受け歌詞と大まかなコード進行は作って放置していた曲だ。
母はおそらく流行りのレモンや、パプリカだのと言った曲を期待していただろう(笑)

そこは斜め上を行くアイデアで対抗しようとした結果がこの「ラポラポラ」という言葉だ。

この言葉はアイヌ語で「羽ばたく」という意味があるらしい。
ふと適当に口遊んでみたこの言葉に意味があるのか調べたところ偶然にも意味があったのだ!
その事実にちょっぴり嬉しくなりそのままタイトルにしたというわけだ。

③「Re:summer」⑥「夜蝉」
この2曲はインストゥルメンタルだ。 

③はピアノを触っている時に浮かんだコード進行をそのまま使い、ドラムをつけたらいい感じになった。

私はギタリストなのでやっぱりギターを入れたい。
色々試しているうちにリバースしたギターを入れたらイメージと合致したのでこのまま採用した。
その時にタイトルにRe:(リバースさせてる所から)を付けるアイデアが浮かんだ。
夏を思い出す感じの雰囲気に出来たと思う。

少し物悲しい雰囲気になってしまったのも理由がある。
人が過去を思い出す時、楽しいものと悲しいもの、どちらが多いかと言えば後者な気がする。
私に限ってかもしれないが。
「人は悲劇を愛する」
と言われるように、人との会話の中で悲劇や失敗談の方が受けがいい。
所謂カタルシスだ。その効果もいい感じに出せたと思う。


⑥は当初は考えていなかったが、⑤の曲では締まりが悪い?と自分の中にあった。

更に今回田舎の環境音(実家の家族に録ってもらったもの)
を曲に取り入れようとしたのだが、気に入った環境音が2つあった為、それを活かす曲を用意しようとしたのも理由だ。
これもギターインストとなっているのだが、
動画内で語ったように自己のギターとの対話風になるようにあえてフリーテンポで三本のギターを一つ一つ重ね、交わるような演奏をしてみた。
今回の演奏を通し、自分のギターはまだまだ向上の余地があると痛感させられた。

④「Ms.Blue Sky」
ポップロックを意識している。
前述したようにELOの影響は多少受けているがそこまでではない。
ELOほどオーケストレーションは出してはいないし、シンセ感もない。
J-pop感を出しつつ、ギターに関しては少しJohn mayerを意識(遠く及ばないが)した感じの演奏。

歌詞は少し小恥ずかしいような歌詞になった。
休みの日にどこかに行こうか行かまいかなどのダラダラとした会話を皆よくすると思うが、
そんな他愛もない雰囲気を表現した。
コロナのこの時期、花火大会も海も、夏らしい場所に行けなかった現代人に向けた歌詞にもなっている。

⑤「Midnight Sun Jam」
最初のトリだけあってタイトルも真夜中の太陽、夏に見られる白夜を意識した曲だ。
日本では見ることはできないが
「夜中に太陽が出ている様な」
という比喩表現だ。
真夜中に熱く燃える「何か」を演奏で表している。

この曲はギターから作った。
イントロの流れるコード進行からのAメロの間のカッティングを土台にドラム、ベースと肉付けしていった。
個人的にはポールジャクソンJrを意識していたが、ちょっと違う感じになってしまった。

コードのトップノートがメロディを作るように、
ボイシングをいろいろこねくり回したカッティングになっている。
ラストのソロは普段やらないようなタッピングを少しだけ入れてみた。

こうして全6曲は形を成し、残すはミックスマスタリングのみとなった。


vol.2に続く




次回の記事は制作時のミックスマスタリングのお話からです。読んでいただきありがとうございました!
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