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【里親制度について 現状と今後の課題】〜まちづくりLABのイベントを踏まえて〜

⑴ご挨拶

はじめまして。記事を担当させていただきます、今年の1月から森田事務所でインターンとして活動させて頂いている大学二年生の山中貴仁(やまなかたかひと)と申します!

⑵はじめに〜今回のテーマ〜

2月7日に行われた、『まちづくりLAB』のイベントに参加させて頂きました。記事を通して里親・特別養子縁組制度を利用する方々を取り巻く現状を説明し、それぞれの制度を少しでも多くの方に普及できたらと思います。また里親・特別養子縁組制度の課題について紹介し、どのような対策を講じていけばよいか自分なりに考えたことをまとめましたので、ご覧になって頂けたら幸いです!

この記事の結論は下記の2点です。
○里親・特別養子縁組に関する情報を得る機会が少ないため今でも制度があまり普及していないというのが現状である。
○興味がある・里親になりたいという方がより積極的に行動できる環境を整えることが必要である。

⑶里親・特別養子縁組制度について

里親制度・特別養子縁組制度とは何か
この二つは保護を必要としている子どもを家庭に迎え入れることで健康に育ち、安心感をもたらすことができるという制度では同じですがいくつか違いがあります。簡単に説明すると、里親制度は自分の家庭に子どもを迎え入れ原則として一定期間養育する制度、特別養子縁組制度は実親との法的な親子関係を終了し、新たに養親と親子関係を結ぶという制度です。
【里親制度とは】
そもそも里親とは、いろいろな事情によって家庭で暮らすことができない子どもたちを自分の家庭に迎え入れ寄り添いながら養育する方のことをいいます。養育期間は数週間から数年間、十数年間と子ども状況によって様々です。原則として子どもが18歳になるまでが最長の期間ですが、大学への進学等を理由に22歳まで養育する場合もあります。里親の方は親権は持たず児童相談所長が親権を代行します。
【特別養子縁組制度とは】
特別養子縁組制度とは子供と実親側の法律上の親子関係を終了させ、実親子関係に準ずる安定した養親子関係を家庭裁判所を成立させる制度です。対象年齢は今までは6歳未満でしたが、令和二年四月一日より原則として15歳未満に引き上げられました。また養親が唯一の親権者になります。

⑷日本の現状及び問題点

日本ではまだ里親・特別養子縁組制度の仕組みを理解している人は数多くありません。日本における要保護児童のうち里親委託児童の占める割合は12%とお世辞にも高い割合とはいえない状況です。その一方で、諸外国の割合は50%から80%と半数以上が里親委託によるものです。
(参考資料.社会的養護の現状について:厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kodomo/syakaiteki_yougo/dl/yougo_genjou_01.pdf 23ページ)
同様に日本の特別養子縁組の成立割合も諸外国と比較するとあまり高くありません。こういった状況に陥っている背景には里親・特別養子縁組制度があまり認知されていない、制度を利用したいが相談できる環境がない等の問題があると私は考えています。
また現在東京都は『里親等委託率を37.4%にする』ことを目指していますが、国の掲げている『就学前の里親委託率を7年以内に75%以上を実現する』という高い目標と比較するとかなり低い数値であることがわかります。これは社会的養育のもとにある子どもの絶対数が多いためその分解決すべき課題が多数あること、虐待件数が非常に増えていることもあり全国的に見ても社会的養育に関しての取り組みが遅れていることが原因となっています。
そこで東京都で行われている取り組みをいくつか紹介したいと思います!

⑸里親・特別養子縁組制度を普及するための取り組み

○制度を利用する、利用したい方々をサポートするための取り組み
【特別養子縁組に関する取り組みの推進】

特別養子縁組制度をより多くの人に知って頂くために支援の充実、また民間養子縁組あっせん機関との連携を図り相談の場の拡大、養子縁組成立前の養育、養親希望者への情報の提供といった、特別養子縁組制度をより身近なものにするための取り組みを推進しています。
【里親養育専門相談事業】
子ども最善の利益を守るとともに権利を擁護するため、専門相談員が第三者の立場から里親・児童相談所から意見を聞き課題や疑問調整する仕組みを構築するという第三者が里親の方々をサポートするという取り組みが推進されています。
【フォスタリング機関の創設】
これまでは里親の方々を研修する機関と実際に子供を迎え入れてからの支援をする機関が分けられ並走型の支援が無かったことが、里親の方々を悩ませてしまうという状況を生み出していました。そこでフォスタリング機関を創設することにより里親のリクルート、研修、マッチング、子どもを迎え入れてからの支援を並走して行うことができるようになります。さらにこのフォスタリング機関を民間の事業者に委託することで同じ担当者の方がさまざまな事情を理解した上でサポートしてくれるので里親の方々が安心して子どもを育てることができる環境を作ることができるようになります。

○子どもの権利を守るための取り組み〜アドボケイト制度〜
今まで東京都で里親委託が進んでこなかった要因の一つとして子ども権利が弱いということが挙げられます。子どもの権利は2016年になってようやく法律に加えられたもので、未だ日本では子どもの権利は親権に対してとても弱い立場にあるというのが現状です。たとえ虐待をされていた場合でも、従来の児童相談所の方が親と子どもの双方の話を聞き子供にとって何が最善の利益か判断する仕組みでは、実親が里親に行くことを反対したら子どもは里親の方の家庭に行くことができないのです。そこで東京都では子どもの権利だけを主張する代弁者を用意し子どもの大切な権利を擁護することを目的とするアドボケイト制度を令和3年度よりモデル事業を始め、効果を検証して、都内に制度を広げていく考えを示しています。

⑹さいごに

私は里親の方々、特別養子縁組家庭の方々のお話を聞かせて頂くのは今回が初めての経験でした。
ご紹介をさせていただいた通り、認知度の低さなど様々な課題が存在するとともに、このような制度を当たり前に感じられる世の中にするために活動している方々がいらっしゃいます。自分1人で何か力になることができるか考えた時、今回のようなイベントを開催するのは難しいかもしれません。しかしSNSによる発信や日常会話で話してみるなどといった行動が問題解決に役立つのではないかと思いました。
また里親制度・特別養子縁組制度のもつ課題を考える際に、里親・特別養子縁組家庭に焦点が当てられていることが多いです。しかし他にも色々な事情から子どもを託したい方が相談する機会がなかったり、子どもが里親家庭の元で生活している間は学校に行くことができないという現状があります。
表には見えてこない解決すべきことや課題が多くあるとイベントを通して感じました。
今回の記事では、まちづくりLABのイベントを通して私が感じたこと、知ることができたことを書かせていただきました。このような経験を大学生でさせていただけるのはとても貴重です。お話をしてくださったゲストの皆様、本当に有難うございました。そして里親制度・特別養子縁組制度がより身近なものになれば良いと思います。


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渋谷区在住、2児の母。 盲導犬育成支援団体にて視覚障がい者の社会進出や自立促進をサポート。その後、子育て世代が多様な働き方を選択できる社会の実現を目指し「NPO法人代官山ひまわり」を創設。7年間の代表を経て、令和元年5月より渋谷区議会議員。co-ba ebisu入居中。