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【2021年度当初予算概要 5G通信インフラ整備】

こんにちは。学生インターンで青山学院大学の佐藤颯と申します。
本年2月に渋谷区当初予算概要が発表されました。当初予算概要とは、新年度に渋谷区が取り組む行政サービスの内容を公開するものです。何にどれくらいの予算を費やすのか、どのような形で進めるのか、などの概要を公開したもので、新年度の事業説明でもあります。

今回は、その当初予算概要の中にある「5G通信インフラ整備補助制度」についてご紹介をいたします。
5G通信インフラの設置目的は、グローバル拠点都市の形成およびオープンイノベーションの実現で、国は2024年までにグローバル拠点都市を中心に、インフラ整備を進めるとしています。次世代通信規格と言われている5Gですが、現状普及率が低いため、私たちはまだその恩恵を十分に受けることはできていません。
では、私たちが5Gの恩恵を受けるために渋谷区はどのような取り組みを始めるのでしょうか。
この記事では、「そもそも5Gとは」の基礎的な部分から渋谷区の具体的な取り組み内容についてご紹介をいたします。「次世代の通信技術について詳しく知りたい!」という方はぜひご参考にしてみてください。

▼東京都|世界をリードするグローバル都市の実現
http://www.seisakukikaku.metro.tokyo.lg.jp/tokyo_vision/vision_index/pdf/honbun3_6_1.pdf
早速、この記事の結論ですが、渋谷区は「5Gがより多くの地域で接続可能となるよう、民間による基地局の整備を積極的に促進する」取り組みを始めます。5Gについての説明や具体的な取り組み内容については下の章で記載をしておりますので、ご覧ください。

⑴そもそも5Gとは?
⑵5Gがまだ普及してない理由や、渋谷区が抱える課題とは?
⑶渋谷区はどのような取り組みを始めるのか?

そもそも5Gとは?

そもそも5Gとは次世代の通信技術と言われており、導入すれば超高速で遅延が起きにくく、同時に多数接続が可能な通信規格です。5G技術の汎用性は高く、普段使用する携帯電話などの通信だけでなく、医療現場や防災など幅広い分野での活用が期待されています。また、渋谷区ではICT教育が発達しているため、教育の分野にも応用ができるかもしれません。

5Gがまだ普及してない理由や、渋谷区が抱える課題とは?

このように、メリットがたくさんある一方で5Gはインフラ整備が難しいと言われています。従来の4Gは一つの基地局がより多くの範囲をカバーできるため、広いエリアでの迅速な普及が可能でした。しかし5Gは基地局あたりのカバーエリアが狭いため、一般的な普及にはより多くの時間を有するとされています。
実際に私も5G対応のスマートフォンを使用しているのですが、現状では一部の地域をのぞいてほとんどつながらない状態です。(余談ですが、渋谷だと道玄坂あたりがつながりやすいです...)
では、5Gにはより多くの基地局を設ける必要があるという課題を解決するために、渋谷区はどのような取り組みをするのでしょうか。

渋谷区は「5Gがより多くの地域で接続可能となるよう、民間による基地局の整備を積極的に促進する」取り組みを始めます。
渋谷区のリリースは以下の通りです。
5Gにおける情報通信基盤となる通信基地局をはじめ、複数のICT関連のセンサーなどを搭載可能な多機能通信基盤施設(いわゆる「スマートポール」)を渋谷区内に整備しようとする事業者に対して整備費用の一部を助成することで、5G通信エリアの面的拡大を促進し、区の政策課題であるグローバル拠点都市の形成及びオープンイノベーションを実現する。つまり、5Gの環境整備を行う事業者に対して経済的な支援をすることで、普及を促すということです。

渋谷区はどのような取り組みを始めるのか?

支援の対象や内容はこのように定められており、条件をみたす事業者が費用の一部負担などの支援を受けることができます。この記事をご覧いただいたいる方の中で事業者様がいらっしゃればご参考にしていただければと思います。
ポール間での通信範囲は半径70mで、一台あたり約800万ー1000万円(内:1/4区が負担)となっており、本年度予算は約15機の設置を想定しています。

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◆事業期間
令和3~5年度
◆補助対象者
以下の1~3の条件を全て満たす者
⑴指定地域内(※1)の特定空間(※2)にスマートポールを整備しようとする者
⑵電気通信事業法第117条に基づく総務大臣の認定を受けた者
⑶特定空間の占用許可を得た者
※1 渋谷駅周辺地域、その他区が必要と認める区域
※2 区が管理する道路(区道・区有通路)及び公園
◆補助対象経費
スマートポール整備に係る経費のうち、以下に規定する経費
○設備費
①スマートポール本体の製作に係る費用 (5G通信基地局を除く付帯機能搭載のための費用は除く)
②5G通信基地局をポールに搭載するための費用
○工事費
①スマートポール本体を設置するための工事費
②光ファイバー回線引き込みのための工事費
※5G通信基地局以外の付帯機能(街路灯、Wi-Fiなど)整備に係る経費は補助対象外。
◆補助金額
補助対象経費の合計額に1/4を乗じて得た額以内の額(上限2,000万円/者) 令和3年4月~(予定) 随時。
◆補助申請
予算の範囲内で先着順に申請審査、交付決定

さいごに

今回は次世代通信規格5Gの普及に関する渋谷区の取り組みをご紹介させていただきました。
ちなみに他の自治体の例をあげれば、港区が民間事業者と協力をして5G基地の整備に取り組んでいます。
港区は、5Gの活用に関する基礎調査と活用の検討を実施するとともに、民間事業者と連携することを発表しています。
リリースによると、都心部で必要な基地局が確保され、5Gの通信網が早期に確保されることで区民・来街者が5Gのサービスを享受できるように、区の建物や公園等に官民連携により 5Gの基地局を設置するとしており、官民連携の文脈でも積極的な取り組みを行なっています。

▼港区リリース|次世代移動通信システム(5G)活用への取組
https://www.city.minato.tokyo.jp/houdou/kuse/koho/houdouhappyou/documents/2020013kishahappyosiryou12.pdf

このように、自治体によって取り組み方は異なり、渋谷区では民間事業者の支援を経済的に行うというものでした。私たちの生活をより豊かにする5Gが、いつまでに世の中に普及するのか、どのように自治体がそれをサポートするのか、今後に注目が集まります。

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