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シブヤNPOインタビュー①       『生きづらさを感じる10代20代の女の子を支える』

シブヤNPOインタビュー
第一回 特定非営利活動法人BONDプロジェクト(代表:橘ジュンさん)
『生きづらさを感じる10代20代の女の子を支える』

こんにちは、森田ゆきです。
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、note新企画始動です!

新企画「シブヤNPOインタビュー」は、
渋谷区で活動されているNPO法人にインタビューを行い、活動の内容や価値観を共有するというものです。

約一年間の渋谷区議会議員活動を通して、公民連携の協働の大切さを感じてまいりました。
この企画では、NPO法人等の社会課題に向き合う団体の活動などを広く紹介すると同時に、インタビュー形式で活動への思いなどをお伺いします。
※今回のインタビューには、森田事務所の高校生インターンも同席しております。
記事の最後に高校生目線の感想が記載しておりますので、そちらもご覧ください!
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さて、前置きが長くなってしまいましたが、
今回インタビューをさせていただいた団体さまは「特定非営利活動法人BONDプロジェクト(以下BONDプロジェクト)」です!

特定非営利活動法人BONDプロジェクトホームページ
https://bondproject.jp

BONDプロジェクトは10代・20代の生きづらさを抱える女性を対象に、電話相談やシェルターの提供などを行っています。
「女の子のための女性による支援」ということで、悩みを抱える女の子が相談しやすい環境づくりなどを提供しています。
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私とBONDプロジェクトの出会いは、新型コロナウイルス感染症からはじまりました。
新型コロナウイルスの感染拡大が広がる中、以前わたしがアルバイトでお世話になっていた会社の社長から、相談がありました。それは「コロナ禍で困っている子どもたちのチカラになりたい!支援が必要な方々を調べていただけますか?できれば渋谷区に拠点を置く会社として、渋谷区に貢献したいと考えています」というものでした。私は、社会貢献を優先に考えられる社長の姿勢に、胸が熱くなりました。なんてステキな相談なんだろう。会社もコロナの影響を受けているはずなのに、、相談を受けたわたしは、その後、区の職員と話し合いを重ね、学生インターンと調査をはじめながら「BONDプロジェクト」を見つけ、社長におつなぎしたといった経緯です。

6月に入り、外出自粛も解除された為、BONDプロジェクトが支援する、同世代の高校生インターンと共に、代表の橘ジュンさんにインタビューが実現しました。

※事務所では、スタッフの皆さんがPCに向かってLINEやメール対応に追われていました。

<事業概要>

まずは事業紹介からお話しさせていただきます。
BONDプロジェクトの支援活動は主に3つのテーマから成り立っています。
①聴く
メール相談、面談、パトロール、該当アンケート等で女の子たちの声を聴くことで、自分を表現できる居場所をつくる。全国の女の子からのLINEやメール相談は、月/約2000件を超える。ネットパトロールを通して、居場所のない女の子を狙い発信する投稿をチェックし、危険度の高いものを専門機関に通報する。またSNSで不安を抱える女の子の投稿を察知し、個別に連絡をとる。

②伝える
VOICES MAGAZINE 発行(各号3,000部、年3回予定)
講演・イベント、事例研修会

③繋げる
必要に応じて、シェルターや宿泊施設での一時保護や弁護士と連携し、各種専門機関(警察、医療機関、女性相談センター、児童相談所他)へ繋げる。女の子の選択肢を広げられるよう、一緒に考えながら次の支援を検討する。

<インタビュー>

質問①自粛期間中の活動の変化は?
Q.外出自粛要請の中、DV被害やネットカフェ難民など話題になっていましたが、活動に際して変化などはありましたか?

A.この異例の事態を受け、様々な相談室が閉まってしまい、女の子が助けを求められる場がなくなってしまいました。一番困ったことは、大切にしていた出張面談ができなくなってしまったことです。普段はLINEやメール相談でやりとりをした後、心配な子には出張面談をして距離を縮め、一人一人にあった居場所を提供しています。なので、そのような対面形式のものがないということは大きな変化だったと思います。
また、普段行っている街中のパトロールができなくなったことで、ネットパトロールを強化しました。SNS上での危ない投稿などを通報する活動に時間を費やし、これまでの経験値で危険な投稿を素早く察知し、専門機関に通報をしています。しかし残念なことに、危ない投稿がなかなか凍結されず、コロナ禍の中は対応が遅れていたと感じています。
普段から全国を飛び回って面談をしていますが、流石にこの時ばかりは直接会えず、全国の支援団体にチカラを借りました。また、DV被害対策をするところはあるが、その一歩前や心のよりどころ、居場所やシェルターなど、「若年女性を支援する団体」は意外と少ないことが分かりました。

質問②どのような相談があるの?
Q.悩み相談はどういったものが多かったでしょうか?

A.一番多いのは、家族間のトラブルです。特に親子の関係性で悩みを抱える子は多く、性被害や親からのパワハラを受けて「家を出たい。でも行くところがない」といったものが多かったです。

質問③行政との連携や実現可能性は?
Q.行政に望むこと。若者が集まる渋谷の安全を守るために、実現させたいことは何ですか?

A.実は、この事態で全国の対応に追われましたが、東京都の対応は素晴らしかったと思います。
特にネットカフェ難民の子たちに、ホテルを用意していただいたことは迅速かつ、柔軟に対応いただけたことは感銘を受けています。
 渋谷には、全国の子たちが集まっていますが、駅周辺のパトロールはこれからも続けていきたいと思います。特に「ハロウィーン」の時期は、独自にパトロールは行っていますが、今後は警察と連携し、女性警部補と痴漢や性被害から女の子を守ることもしてみたいと考えています。いくら露出度の高い仮装をしていても、決して触っていいものではありません。ここはしっかり守ってあげたいと感じています。

<橘さんから最後にひとことメッセージ>

「Stay Home!」の蔭で「独り」苦しんでいた少女たちの存在を忘れる事なく、先を暗く見過ぎず、頑張ります!

<高校生インターンの感想>

 やはりコロナウイルスがもたらした影響は大きかったなと、今回のお話でも改めて痛感しました。私は、10代20代の女の子がこのような方たちに守られているなんて知りませんでした。ましてや私と同年代の高校生が一番多く悩みを抱え居場所を探していることさえ知らなかったです。好きなことができて、自分の挑戦したいことに挑戦できて、家族にも友達にも恵まれた私は、当たり前だと思っていたけど、その環境があるのは「当たり前なこと」じゃないんですよね。幸せの形は人それぞれではあるけど、今悩みを抱えている子たちにも私たちと同様に幸せになる権利はあります。その子たちにとって、居場所を見つけることが一つの幸せをつかむための一歩になっているのなら、Bondプロジェクトさんが日々行っている活動は、女の子たちに生きる活力と、希望を与える素晴らしいものです。
また、渋谷区民としても多くの若者が集まる渋谷で問題や悩みを抱える人に出会ったら、たとえ他区や他県の人でもしっかりと区として対応して欲しいです。
区の助けがなければ助けたいという気持ちだけじゃ、助けてあげられないこともあるはずです。「高校生の悩みなんて、どうにかなるんじゃない。」と思う方もいるかもしれませんし、「区が対応することじゃない」って思うかもしれません。
でもみなさんが思っている以上に、些細なことでも私たちは毎日悩んでいます。そんなことが家出に繋がったり、自殺願望に繋がっているのかもしれません。
国や都としてだけでなく、区としても将来の日本を作っていく若者を支えて欲しいです。
私もまだまだ知識不足ですが、なんらかの形で悩みを抱える同年代の女の子たちを助けたいです。少しでも多くの方にこのプロジェクトを知ってもらって、一人でも多くの女の子が幸せになれるように、高校生としても沢山発信して行こうと思います。

<森田ゆきから今後に向けて>

BONDプロジェクトや代表の橘さんがこの活動に情熱を捧げることに感銘を受け、わたしは、この取組みが社会に必要なことであることを広く伝えていきたいと思います。渋谷区議会議員として、10代20代の女の子たちが安全・安心して遊びにこれる街を目指し、今後の取組みを検討して参ります。

最後まで読んでいただきありがとうございました。引き続き、よろしくお願い申し上げます。

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