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計算化学ソリューションを提供!新規上場企業分析!〜HPCシステムズ株式会社〜

みなさんこんにちは。
ご覧になって頂きありがとうございます。

2019年の新規上場企業から開始し、現在、2019年マザーズ上場企業64社分中38社掲載、残り26社です!
本日時点(7/25)で2020年のIPO数が32社ですので、合計残り58社です!

IPO企業分析第39弾!本日は、HPCシステムズ株式会社さんです。

毎度のことながら、間違っている箇所などありましたら、いつでもご指摘ください!
また、こんなこと追加で記載してほしい、などの心優しいご意見がありましたら、いつでもご連絡ください!

※尚、記載の情報は、日本取引所グループの新規上場会社情報や最新の決算資料等を元に作成しています。

HPC システムズ株式会社」概要 ※新規上場時

■設立日  :2006年3月3日(上場承認日:2019年8月21日)
■従業員数 :81人
■本社所在地:東京都港区海岸三丁目 9 番 15 号
■市場   :マザーズ
■代表者名 :小野 鉄平

■事業内容:
科学・工学向け高性能コンピュータのソリューション提供

■経営理念・ミッション・ビジョン:
経営理念:人とコンピューティングの力で世界平和に貢献する
ミッション:研究者には研究する力、開発者には製品を開発する力を提供すること

主要年間指標
2017年6月期 → 2018年6月期(上場対象期)

■売上  :3,900,793千円 → 4,053,088千円
■経常利益:254,234千円 → 291,743千円
■純利益 :162,961千円 → 189,852千円
■時価総額初値:76億円(初値PER39倍)
※以下、新規上場申請のための有価証券報告書

現時点の時価総額 :109億

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ビジネス概要

HPCシステムズ社は、以下の2つの事業を展開しています。
□HPC事業:専門的な知見を求められる科学技術計算用コンピュータ事業
□CTO事業:安定的で信頼性の高い製品供給を求められる産業用コンピュータ事業

※用語解説
HPC:High Performance Computing(Computer)の略語であり、スパコンと呼ばれる超高速演算用コンピュータによる計算処理環境
CTO:Configure-to-orderの略語で、注文仕様に応じてコンピュータ製品を開発・製造する受注生産方式

同社の提供するHPC事業は、いわゆるSIerが行うSI事業とは異なり、「科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミ ュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーション」を提供する事業です。(有価証券報告書より抜粋)

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HPC事業においては、計算科学の手法を用いて「理論化学」の問題を取り扱う「計算化学」分野を強みとしており、その中で、ライフサイエンス(生命科学)とマテリアルサイエンス(材料科学)分野を重点事業領域として位置づけています。

CTO事業では、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージなどに搭載される産業用コンピュータを、顧客の注文仕様に応じて開発、製造及び販売を行っています。(以下、2020年6月期第3四半期 決算補足説明資料より抜粋)

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同社のビジネスモデルは以下の通りです。(有価証券報告書より抜粋)

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トピックス

・HPC事業、CTO事業の販売実績は以下の通りで、ややHPC事業事業のほうが販売構成比が多くなっていますが、利益はCTO事業のほうが若干多い構成です。
 □HPC事業:2,648,451千円(約65%)/利益:138,841千円(利率約5%)
 □CTO事業:1,404,637千円(約35%)/利益:143,377千円(利率約10%)

・同社は成長戦略として、HPC事業・CTO事業という基盤に加えて、SaaSサービスとしてのScience Cloudや計算科学/化学ソリューションを展開していく構想です。(以下、2020年6月期第3四半期 決算補足説明資料より抜粋)

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まとめ

今回は、HPC事業、CTO事業を展開するHPCシステムズさんの分析記事でした。

正直、すごい技術力を持っている企業なんだな、というのが第一の感想です。いわゆるSI事業ではなく、今後ますます需要の大きくなるAI×科学技術の領域で、自社のテクノロジーを武器に戦える稀有な会社だと思いました。

今後、ますます拡大していくことに期待です!

それでは、また次回!



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