WITHOUT-CORONA

続き
今回、アバター紙人形に踊ってもらう曲は、昨年の8月に制作した
「WITHOUT-CORONA-ONDO」の道後アートバージョンです。
オリジナルは2020年8月15日。国際芸術祭「東京ビエンナーレ2020/2021」の夏秋アーツプロジェクトにてVR空間の中で世界初演されました。

この曲は私が「世の中からコロナを無くしたい」との思いから偶然発明した「コロナ抜き音階」(567=ソラシを抜いている)で作曲されています。

当初は歌詞も5-6-7の音節にするつもりでした。
これも私が発明した「♯コロナ川柳567」です。

(例)
5 菜の花の
6 香り強く
7 マスク越しでも

(例)
5 ストーブは
6 もうしまうか
7 あっコロナ製

(例)
5 来年の
6 春を思う
7 この桜見て

など色々考えてみたのですが、いかんせん語呂が悪い。
しかも作るのが難しい。
この音頭を制作する時点で歌詞を沢山の方から募集するつもりだったので、多くの民謡や童謡に使われていて馴染みの深い7-7-7-5の「都々逸」の音節に落ち着きました。
(7-7-7-5の音節の盆踊りは過去に何回か開催しているのですが、始めたきっかけや発展は後日詳しく解説します)

コロナに関しては本当に人それぞれ、様々な考え方や捉え方があります。
常に恐怖を感じている人、全く気にしていない人、風邪と同じようなものと思っている人、陰謀論を唱える人、それを信じる人、絶対マスクをしない人、マスク警察、自粛警察、、、
聖書に出てくるバベルの塔崩壊後の世界のように、同じ世界に住んでいたはずの人々の思いが通わなくなってしまいました。
何が良い悪いではなく、沢山の人々のコロナに対する思いを7-7-7-5で募集し、長い長い一曲にすることで、このコロナの時代を俯瞰で眺めることが出来ると思ったからです。
今この瞬間がどんな時代であったのか、作家個人の主張ではなく、様々な方々から様々な思い(歌詞)を寄せていただくことが重要だと思っています。

盆踊りというものは元々地域というドメスティックな共通意識のつながりで行うものでした。
しかし、現在は人々が様々な相容れない考え方であっても「大変な時代である」という共感、共通意識に関しては世界中が一つになれると信じています。
全人類は「人に近づけない」という障がいを持ってしまったからです。
その一点のために沢山の人々が集まる(紙人形と歌詞という「思い」で)盆踊り/踊り念仏を開催しなければと思い、今回この企画を進めています。

一遍上人が踊り念仏を各地で開いていた時代の人々の心も、現代に通じるものがあるのではと想像します。

続く

出典:
・「〈コロナのない世界〉=〈あの世〉で踊るボンダンス 大会」
2020年8月15日。
国際芸術祭「東京ビエンナーレ2020/2021」の夏秋アーツプロジェクトにて世界初演された。
メディアアーティストのゴッドスコーピオンがVRプラットフォームSTYLY (https://styly.cc/ja/​) で構築したバーチャルなあの世、
文字通り「コロナの無い世界」でボンダンス大会が開催された。企画・楽曲制作:山中カメラ
プロデュース:海野貴彦
VR空間制作:ゴッドスコーピオン
「山中カメラ」ロゴ制作:小池俊起
協力:文化庁/STYLY(株式会社Psychic VR Lab)/東京ビエンナーレ2020/2021/
楠見清/青木彬/町田紗記/Village Hototoguiss Studio
・「バベルの塔」旧約聖書「創世記」より
・音楽家、中ムラサトコさんのお話
より大きな気付き、ヒントをいただきました。


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