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見えないものと想像力

新型コロナウィルス感染防止のため大勢の人が一箇所に集まるのは非常に困難になってしまいました。
昨年の8月15日に「〈コロナのない世界〉=〈あの世〉で踊るボンダンス 大会」と題してコロナウィルスの存在しないVR空間で盆踊り大会を開催しました。
これは「盆踊り」というものを確実にアップグレード出来たと自負しており、私自身も驚くほど本当に貴重な体験でありましたが、
インターネット環境やVRゴーグルなど、高齢者や障害を持った方など、すべての人が気軽に参加するということはこの現代ではまだ難しいという課題が残りました。

しかし、「お盆、盆踊り」という風習を改めて考えて見ると、日本人は古来より「想像力」という力を使って当たり前のようにバーチャルリアリティーをアナログで実践してきたことが見て取れます。
キュウリで馬を作って先祖をあの世まで迎えに行き、ナスの牛で先祖をあの世に送り届けました。(あの世から早くこちらの世界に来てほしいので迎えは馬で、帰りは名残惜しいのでゆっくりと牛で)
盆踊りの最中も踊りの輪の中で、提灯の薄明かりの向こうに先祖、祖霊が一緒に踊っている様子を想像し、「人でないもの、見えないもの」と近づく技術をDNAレベルで継承してきたのです。
この日本人が培ってきた想像力という技術をコロナ禍である現代にこそ必要であると考えます。

今回の盆踊り参加者は自分自身のアバター(分身/依代)を紙相撲の人形のように自分自身でデザインし、自分の「気」を紙人形に移して「郵送」という現代では誰もが利用できる手段で(障がいがあっても遠方からでも)盆踊り会場に集まり、踊り念仏に参加します。
ご先祖様がきゅうりの馬で移動するように、自分自身のアバター(分身)を郵送という旅に出すのです。
自分の分身がここではないどこかで盆踊りを踊っていると想像すると不思議な気持ちになりませんか?
アバター紙人形を郵送で広く募集し、一遍上人の生まれた宝厳寺本堂内に設置した「踊り舞台」に並べ(見えない力である)音頭の音、波動/振動で人形を踊らせます。踊ります。
自分の依代アバター人形が踊る様子はインターネット配信でリアルタイム視聴出来るようにし、自分の分身が踊っている様子も見ることが出来ます。

スクリーンショット 2021-02-14 1.08.32

…つづく。

出典:
・沖縄県立芸術大学
今を生きる人々と育む地域芸能の未来
レクチャー・シリーズ①
「ソーシャル・ディスタンス」の時代において地域芸能を考える
[講師]
石倉敏明(秋田公立美術大学准教授)
大石始(ライター)

・「一遍と時宗」
石田善人著 法蔵館

・「遊行に生きた漂泊の僧 一遍」
井上宏生著 新人物往来社

・「一遍上人と熊野本宮ー神と仏を結ぶー」
桐村英一郎著 はる書房

より大きな気づき、ヒントを頂きました。

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