「普通の人」の心の闇を暴く『炎上フェニックス』
こんにちは、石川由弥子（ゆみこ）です。
先週金曜日に会社で指定された試験がありまして、ここ1週間は試験勉強に集中していました。
試験が無事終わり、開放感に満ち溢れています。
試験会場に着く前にふらりと立ち寄った本屋で、ようやくゲットしました。
石田衣良さんの新作IWGPの第17弾『炎上フェニックス』。
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週末にカフェで一気読みし、いまとても心がほっこりしています。
マコトもキングも最高でした！
今日はそのレビューをします。
『炎上フェニックス』のあらすじ
――炎上、上等!
ストーカーと化したADが自殺。「悪女」「尻軽」と大炎上し焼かれた女子アナ。マコトが接触したネット放火魔のなかに真の“モンスター”が存在した!ネット社会の闇にGボーイズが打った手とは――-半グレ集団に脅かされる“パパ活女子”、女性ばかりを狙う“ぶつかり男”、トラブルに巻き込まれた“デリバリー配達員”……現代を鮮やかに切り取る4編収録。
累計440万部突破!アニメ化、2.5次元舞台化…勢いが止まらないIWGPシリーズ第17弾
『炎上フェニックス』のおすすめポイント
今回も４編が収録。あらすじに書いてある通り、現代でよく目にするニュースを元にした話が多いです。石田衣良さんは社会問題への感度が高いのでいつも感心してしまいます！
今回は、本のタイトルにもなっている「炎上フェニックス」にフォーカスしてご紹介します。
あらすじはこうです。
「炎上フェニックス」の依頼人は女子アナ。ストーカー化したADが自殺したことをきっかけに、SNS上で叩かれるようになりました。有る事無い事書きつづられ、ついにはうつ病を発症。顔の見えない放火魔たちの身勝手な言い分とは？ 問題解決のため、池袋のトラブルシューターのマコトとGボーイズのキングが動き出す、というお話です。
①顔の見えない放火魔たちの心の闇
一般の人々がSNSを使って想いを発信することが容易にできてしまう時代。匿名で相手を傷つけることもとても簡単にできてしまいます。
女子アナは、特にひどい誹謗・中傷を書き連ねた3人に、マコト同席の元、会うのですが、あまりにも身勝手な言い分を紡ぐ放火魔たちに呆れてしまいます。
定年退職して再雇用されたが忙しさは変わらずに給料が半分になったことの腹いせにやった。他にも、離婚しシングルマザーになりたてで、ただうまくいっている人が羨ましかった、など。
共通しているのは、女子アナ自身に恨みがあったわけではなく、ただ鬱憤を晴らしたかっただけで、なんの根拠もない誹謗中傷を書き連ねたということ。
世の中の炎上に乗っかっている人たちもきっと、こういう思考なんだろうなと思いました。有名人は傷つけられても構わないと思っているのでしょうか。
②修羅場を潜り抜けてきた勘の鋭さ
対面してみると顔の見えない放火魔だった人間が家庭があるごく普通の人であることを知った女子アナとマコト。
危険なことなどないだろうと少し気が抜けたマコトに対して、キングの勘が冴え渡ります。
「ただ、おれはなにか嫌な勘が働いてるんだ。そうすんなり終わるのかってな。あの女子アナはもっと悪い運を引き寄せるんじゃないか。まだ最悪の底は見えていないのかもしれない」
数ある修羅場を掻い潜り、池袋の荒くれ者達をまとめあげるキングの勘はそんじゃそこらの人よりも信憑性がある。
マコトも気を引き締めて最後の面会者に会うことになるのですが、キングの読み通り、最後の1人がとてつもなく曲者。女子アナに対する憎悪がとてつもないのです。
（その背景は後々明らかになります。）
マコトも数あるトラブルを潜り抜けてきた経験はありつつも、キングのそれには敵わないということを認めています。マコトのキングに対する信頼感が特に感じられる瞬間でした。
高校からの腐れ縁にして、最高のバディ。
今回も最高です！！！
（やっぱりマコトとキングは最高！）
炎上させる人たちはきっと暇なんだろう
今回も現代社会の闇を切り取った物語にワクワクしっぱなしでした。
楽しんで読みましたが、きっと現実世界の方がもっと不可解で、もっと理不尽なんだろうなと思わずにはいられません。
「炎上フェニックス」を読んで思ったのが、人の人生に対してそんなに興味あるんだな〜ということでした。
何かに集中していたり目標があったりする人は、きっと人の人生についてそんなに関心がないんじゃないだろうか、と思うのです。
今、法律で匿名での書き込みでも訴えることができるようになりました。ネットの世界でももはや匿名ではいられないことを理解した方がいいですよね。
私たちが生きているのはネットの世界ではなくリアルです。
どうせ一度きりの人生ならば、もっと自分の人生が好転するようなことに関心を向けたら良いのではないかと思いました！
ではまた〜
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