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やまも
2022年6月27日 12:40
帰り道に幽霊を見たのだ。今日の昼休みに廊下ですれ違った折に、わたしのかばんから逃げ落ちた文庫本を拾ってくれた、わたしの記憶が確かであれば隣のクラスの男子生徒。ひとり校門を出て、日陰になっているところを選んで歩く彼のうしろにぴったりと張り付いて、それはてくてく歩いていた。ちょうど腰の高さほどの背丈の、ひっくり返したバケツのようなシルエットに白い布を被せて上からマジックで目を描き、大福のような丸い足