[32本目]豊橋⇒下北沢 その2
[31本目]豊橋⇒下北沢 その1の続き。
さてと、今回の豊橋行きの目的でもある、穂の国とよはし芸術劇場プラットに向かいます。
わざわざ豊橋に来てお芝居を観たのは、地元だからと言うこともあるけど、mizhenの3人が制作の中心をになっていたから。mizhen自体は演劇というかアートユニット、才能あふれる3人が創り出す舞台が地元で行われるからより観たかったわけです。あと、mizhenの佐藤蕗子はかつて自分の会社でスタッフをしていたけど、思うところがあって無茶苦茶強制的に演劇の世界に向かわせてしまった事もあり、ちゃんと観ておかねばならなかったわけです。
あとね、下北沢の本多劇場からはじまったDISTANCE -tour-という作品が演じられた空間に行きたかったから。ホントはちょうど実家に帰省しているタイミングに、この穂の国とよはし芸術劇場プラット アートスペースで観劇するはずだったけど、ちょうどアレの第二波が来ちゃってた時期で実家への帰省を断念、生配信で見たんだよね。SKEのお二人の朗読劇も凄かったけど、やっぱ伊礼彼方さんが凄かったなぁ。
ちがう、話がそれすぎてる。高校生と創る演劇『Yに浮かぶ』の話です。
mizhen藤原佳奈が書き演出を手がけただけのことはあり、話の展開やその見せ方、時の流れ全てにおいて、観る側に強く印象が残る作品です。劇場に入った瞬間、そのステージの仕掛けに釘付けでした。まさかの音で演じさせてくるとは、、、さすがは鬼才。音と時、それをものすごく意識させる仕掛けにあふれていました。そして、そんな演出をしっかりと受け止め演じた高校生キャストの皆さんは本当に素晴らしい。もちろん、裏方で支えてくれた高校生スタッフの皆さんあってのことでしょう。見事でした、本当に素晴らしい作品でした。
私は豊川出身ですが、たぶん小学校時代に今回の4本の民話は読んだこと(聞いたこと?)があり、特に傾城塚は記憶に深いです。そんな、この東三河地方の民話をモチーフに、現代の高校生のありのままの思考と共に演じさせる作品。民話が演劇という形で後世に伝えられる、その点からも価値ある作品です。たぶん、この作品を観なかったら私はこの民謡のことを思い出すことはなかったと思います。もうね、それだけでも十分すぎるほど価値がある作品です。
mizhenのお芝居は毎回、演じる側のみならず観る側にも何かを突きつけてきます。今回も、この舞台を通して様々な思考が駆け巡りました。現在と過去が交わり、そして未来に繋がる。未来はこのお芝居が終わった後にまで続いています。mizhen自体は下北沢には全然縁がないですが、私は下北沢で待っています。
そうそう、『Yに浮かぶ』ってTOYOHASHIのYから取ったのかな? そうでなくても、サイコーなタイトルだと感じました。
秋空が拡がる中、すぐ近くの豊橋駅に向かいます。アフタートークが予想より長引いて新幹線の時間ギリギリに。GoToトラベルの電子クーポンが3000円分あったので、駅ビルの中で適当にお土産を購入、さらに何を思ったのか稲荷寿しを買って新幹線へ。
帰りの新幹線、豊橋はガラガラだったのになぜか浜松から隣の席にお客さんが、、、ええ、そんなに混むの? と思ったら、結局後ろの2人掛けには誰も乗らないし。なんだかちょっと緊張感のある2時間2分。新幹線の中では画像加工やら、『Yに浮かぶ』の感想をツイートしたり、気がついたら新横浜まで来ていました。
このところ新幹線に乗っても、車に乗っても富士山は拝めなかったけど、この日は静岡からも神奈川からもハッキリとみることができた。今年は本当に秋が長くてステキだなー。
そんな感じで、品川から山手線、渋谷から井の頭線を乗り継ぎ、24時間で下北沢に帰着。事務所で荷物を下ろし、撮影機材を準備。途中からになりますが『KNOCKOUT FES 2020 autumn』の取材をします。5月の巨大サーキットイベントが中止になり、12月の巨大サーキットイベントが大幅に規模を縮小することに成り、このイベントが2020年唯一の大規模サーキットイベントになります。そもそも、4月に開催される予定の『KNOCKOUT FES 2020 spring』も中止になってますからね。
チケットの販売数も大幅に減らし、それぞれの会場も入場規制を厳しくしている。でも、それぞれの会場に詰めかけたファンは、まさに待ちに待った!という感覚。やる方もそれは同じで、アーティストの表情も晴れやかだった。それでも、みんなちゃんとマスクをしているし、以前のようなぎゅうぎゅうずめではなく、ある程度のディスタンスを取り、気を遣いながら盛り上がっていた。
ライブハウスの厳しい状況は今も続いているし、バンドやソロシンガー問わず、アーティストは思ったように活動ができない状況が続いている。なかなか難しいことも多いけど、ライブハウスが再びかつてのような輝きを取り戻す第一歩になる、そう感じさせてくれるイベントになったことは間違いない。
本当は大トリまで観る予定だったけど、さすがに疲れ果ててしまい取材は途中で切り上げ帰宅。豊橋で買った稲荷寿しを晩ご飯で食べ、即轟沈。1泊2日下北沢から豊橋経由で再び下北沢の、ハードな週末が終了しました。
このお金は全額球磨焼酎購入に使われます。ガンバレ、球磨地方!