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題... 派閥を重視すると政治の成長が止まる

◆ 組織は協働体系(co-operating system)としてとらえることができます。

 人工知能の生みの親のノーベル経済学賞のH.A.サイモン氏に組織の理解で大きな影響を与えた現代の組織論の創始者のC.I.バーナード氏は、組織を“協働体系”と考えていました。[ #協働体系 ]

 “協働体系”とはわかりにくい概念ですが、バーナード氏の主張はいわゆる素人学者の常で、私のような普通の人間には理解しにくい難しい言い回しが多用されています。

 正直、バーナード理論の全容を理解するのは困難。私なりの理解では、組織が効果的に機能を発揮するには“異質なものをうまく統合することが大切”というものでした。

 “異質なもの”という点が重要で、“同質なもの”では、組織として充分な機能を発揮できないのです。異質なものが集まれば、1+1が3にも4にもなる。[ #異質なもの ]


◆ まぁ、考えれば、それは当然です。

 軍隊組織にしても、スポーツ組織にしても、異質な能力を持つ人たちの集合体

 一番わかりやすいのは映画かもしれません。“七人の侍”や“荒野の七人”など、クセの強い異能者がひとつの目的のために集まれば、何十倍の敵にも対応できます。

 単なる剣豪や銃の名手だけを集めてもダメ。各専門分野の能力に長けた人々をひとつにまとめなければ、うまくいきません。ひとつにまとめるには“共通の目的”が必要になる。

 課題もある。そんな専門能力に長けた人は、いわば、“くせ者”揃いという点。人の言うことを素直には聞いてくれない人が多い。[ #くせ者 ]

 でも、彼らをひとつにまとめられれば、バッタバッタと敵をなぎ倒すことも可能。実際には映画ほどうまくいかないとは思いますが、組織とはそういうものなのだと思います。


◆ 政府や政党も組織なので、政府にも政党にも異質の人が必要なのです。

 政府には政府を構成するサブセクターとして“省庁(役所)”があるのでそれなりの体裁は保てていますが、各政党では、それは達成されていません。

 小泉政権の頃は良かった。官房長官は小泉派の実力者をあてていましたが、その他の大臣は、小泉構造改革に共感する人を、派閥に関係なく任命していました。“一本釣り”。

 小泉政権では、いわゆる“抵抗勢力”は自民党から追い出されていたので、小泉構造改革に積極的に賛成しないまでも、あくまでも反対する人は自民党にはいなかったのです。

 当時の自民党は、名実ともに“構造改革”という共通目的があったのだと思います。それどころか、民間からも積極的に大臣を任命して衆知を集めていました。[ #構造改革 ]

 ところが、安倍政権以降の自民党は、明確な政策的目的もない(美しい国は共通目的には役不足)政党に逆戻りし、抵抗勢力も自民党に大勢が復帰してしまいました。

 その結果、自民党(最大勢力の安倍派)は、単なる安倍晋三氏個人の仲良しグループ(つまり、同質なものだけ)が自民党安倍派を跋扈するようになりました。

 私は、安倍派の聞いたこともない人々が大臣をしているのがどうにも腑に落ちません。

#コラム #ブログ #天眼流 #天の邪鬼 #共感工房


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