天の邪鬼’ @問題は人海戦術でしか対応できない業種です

◆ 私は、いわゆる労働組合的活動は嫌いですが、“いいね!”と言いたくなります。

~~< 以下 引用 >~~  ■ エキタスが新宿で「最低賃金1500円デモ」敢行 雨宮処凛氏も「路上生活への直結を防ぐには、最賃向上が最短」と激励 ⇒ http://bit.ly/2oyiXvO ■   「現行の最低賃金制度では、額の決定の際に企業の支払い能力を考慮している。これは国連からもおかしいと指摘されている。そんなことを考慮していたらいつまでたっても最低賃金は上がらない。まずは上げることが先だ。上げた後も中小企業がきちんとやっていけるようにするための方法は、税金を下げたり、下請け方法を厳しくして大企業に搾取されないようにするなどいくらでもある」

◆ 私も、常々、そう思っています。

 まぁ、冷静に見れば、賃金だけを上げても、そのせいで儲かっていない企業が潰れでもしたら“元も子もない”のも確かなこと。そのあたりの対応策も同時に必要になります。
 私は、“賃金を上げることで価格が上がるのは良しとする”ような社会的合意を形成することも大切だと思います。[#社会的合意]
 要は、労務費の上昇分は製品やサービスの価格を上げることでカバーすることも必要ということ。もちろん、みんながみんな価格を上げる必要はありません。
 私は、おそらく、内需産業的な業種だけそうすればすむと予想しています。

◆ 人海戦術でしか対応できない業種が困っています。

 この数年、私は、地方の工場で“派遣”として仕事をしています。私も、できれば楽な仕事の方がいい。なので、派遣会社の営業には、もっといいのを探してこいとハッパをかけています。
 でも、実際にはそんな仕事はありません。あるのは、食品製造関係の仕事や物流関係の仕事ばかり。これらは、要は、人海戦術でしかやれない仕事。[#人海戦術の仕事]
 機械化や自動化にも限度があり、“人が手作業的なやり方で対応するような仕事”なのです。そして、それらのほとんどは、最低賃金スレスレの賃金しか払えません。

◆ 私は、アマゾンでよく買い物をしますが、アマゾンでは送料はタダ。

 そのしくみの詳細は知りませんが、送料タダでは宅配業者もやっていけるはずがありません。しわ寄せは、宅配業者従業員の賃金に跳ね返っているはずだと思います。[#送料タダ]
 さすがに、最近は、宅配業者が社員を確保できなくて困っているという話題も多いのですが、さもありなんなのですね。
 事情は食品製造業界も同じだし、介護業界や保育園業界なども同じ。典型的な内需型企業の多くは、安い賃金で人を使うことでしかやっていけない構造になっているのです。
 しかし、それらも、社会的には必要な仕事。ならば、それらの賃金を上げるためには、それらの価格が上がるのは許容してやらなければならないと思うのです。
 先日のブログで紹介したスイスなどは、そんなやり方をやっているようです。(→ 注1)

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●(注1)  スイスの高賃金の秘訣については、2017.4.12のブログ 『最低賃金は1時間1500円、為替は1ドル100円でいい』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2pjGeEA]


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