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題... 日本はビジョンのない国
◆ 私が15年も前から指摘し続けていることを、外国のコミュニケーションコンサルタントが指摘しています。
~~< 以下 引用 >~~ ■ そもそもビジョンがない?──「政策」ばかりで「目的」のない選挙戦の不思議 ⇒ https://bit.ly/3Atjm9w ■
<安全保障、経済政策、コロナ対策、少子化問題をテーマに、ほとんどの政党の公約が同じ。しかし、本来は理想を追求するのが政治の姿。政策という目先の解決案ばかりの公約だけでは、投票率は今回も上がらない>
欧米ほどの物価高にもならず(企業努力のおかげ)、デモもない(誰も主張したいことがない)。戦争にも切迫感はなく(ウクライナは遠い)、コロナでの致死率は遂にOECD諸国で最低となった(日本のマスク着用率はいまだに90%だ)。日本は、本当に静かで平和でクールな国だ。
7月10日投開票の参議院議員選挙がこの静けさを打ち破る気配は今のところない。どの政党の公約も大して変わりがなく、安全保障と経済政策とコロナ対策と少子化問題ばかり。
日本の選挙には、というよりそもそも日本には、ビジョンがないのかもしれない。日本がどういう国でありたいのかという話を聞いた記憶がない。私が不勉強なだけかもしれないが、国のあるべき姿などという話は、その国の住人なら、外国人も含む全ての人に実感され認識されるものだと思う。
例えばアメリカでは自由・平等・自主独立が社会を構成する基本理念として理解されているし、フランスには革命によって勝ち得た「共和国理念」があり、イランはイスラーム共和制を実現するための国家である。
このあたりで日本は国家としての理念やビジョンを打ち立ててもいいのではないだろうか。「みんなが幸せ」とか「暮らしを守る」とかいう、ぼんやりとしたスローガンではなく、1世紀たっても古くならない、国としてのありたい姿。
◆ 要するに、日本の政治家たちに“ビジョン”がないのです。
ビジョンは、“本来あるべき理想の姿で、国づくりのための道しるべ”のようなもの。ビジョンがなければ、どんな方向で国づくりをすればいいのかわからない。(→ 注1)
結果的には、場当たり的な安全保障政策や経済政策を吹聴してお茶を濁してきました。そもそも、日本の政治家たちはビジョンを構築したことがないのです。[ #ビジョン構築 ]
彼らは、小手先の矮小化された政策しか提案できません。たとえば、円安によって“インバウンド”を増やして観光産業を活性化させるとかの類の政策などがそれです。
円安で外国からの観光客が多少増えたり、多少輸出が増えても、現代の日本ではその効果は知れている。現代の日本は、輸出大国と言うよりは輸入大国なのです。[ #輸入大国 ]
円安になれば、エネルギーや食糧を輸入に頼っている日本人の生活は壊滅的打撃を受けることになる。つまり、“悪性インフレ”に見舞われる。[ #悪性インフレ ]
しかも、日本の場合、生真面目な国民性のおかげでデモやストもほとんどないので、インフレになっても、給料は上がらないというダブルパンチになってしまう。
◆ 私は、15年前に、“生活文明郷”というビジョンを発表しました。(→ 注1)
そして、日本が発展途上国から成熟国に脱皮するには、時代に合わなくなった古い仕組みを抜本的に再構築する“構造改革”が必要だと指摘しました。[ #構造改革 ]
小泉政権では財政投融資を廃止して(一般には、それは郵政民営化と言われています)構造改革の端緒につくことができました。
私は郵政民営化の次に農協改革や電力改革なども次々やってくれると期待しました。でも、構造改革を引き継ぐはずの安倍政権は、日本を旧来型の守旧路線に引き戻しました。
小泉氏は自民党の構造改革から取り組み、いわゆる“抵抗勢力”を自民党から追い出しました。抵抗勢力と言われていた人たちは“旧来の利権”に固執する守旧路線の人々です。
安倍政権は、そんな守旧路線の政治家を自民党に復党させました。そして、目立たないように、少しずつ自民党を元の守旧路線の政党に戻してしまいました。
挙句には、現在の岸田政権では、“新しい資本主義”なるぼんやりした空論でごまかそうとしている。これなど、安倍晋三氏の“美しい国”と大差ない。ビジョンではない。
◆ 蛇足になりますが、“保守”と“守旧”は明確に違います。
保守は伝統を守るスタンスの人々ですが、守旧は利権を守るスタンスの人々です。
ちなみに、“利権”とは、利益を伴う(得る、専有する)権利のこと。[ #利権 ]
特に、これを供与し得る地位にある政治家・公務員などと結託することによって、形式的には公的手続きを経て与えられる権益のことです。
私は、彼らのことを“ジャパニーズ・マフィア”と言っています。彼らは、自分は当然の権利を主張しているつもりでしょうが、私から見れば、まさにマフィアの行動パターン。(→ 注2)
ロシアなら、最近話題になることが多くなった“オリガルヒ”なども、ジャパニーズ・マフィアと同類の人たちだと思います。[ #オリガルヒ ]
さらに言えば、たとえば労働組合なども、私から見れば利権を追及している人々です。彼らは、“労働貴族”と揶揄されることも多いのがそれを物語っています。
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●(注1) “生活文明郷”については、2007.02.24のブログ『生活文明郷-ビジョン』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2TB6JS9 ]
●(注2) “ジャパニーズ・マフィア”については、2006.11.21のブログ 『ジャパニーズマフィア』をご覧ください。[→ http://bit.ly/2nOckt9 ]
[ #コラム #ブログ #天眼流 #天の邪鬼 #共感工房 ]
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