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脱・短くて、わかりやすい主義

アクティ場という主催しているイベントを終えた後に感想を頂くのだが、時々びっくりするくらい長文で頂くことがある。

そのままnoteにアップしたら?と思うほどで、もはや感想作品のようにありがたく頂戴するわけだけど、本人からは「つい長く書いてしまう癖が、、、」と添えられており、もっと簡潔に送りたいのですが・・・ということまで書かれていたり。

実にところ、長文を書ける人をリスペクトしていることもあり、こうして文章が長いことに対して、ネガティブなコメントが添えられていることに驚いたのが正直なところ。
(※感想を簡潔に伝えたかったという意味合いでだとは思ってはいるけど)

そもそも、なぜ、長い文章をかけることをリスペクトしているかというと、それは読解力や想像力がないと書けないからだ。

「長い」ものはマイナスに働く

今の世の中では簡潔に分かる・楽しめるコンテンツが溢れていて、そうしたものでないと流行らないのが実情だろう。

例えば、SNSは良い例で、twitterは140文字以内で、インスタグラムでは写真と一言で表現をしているものが大半だ。またyoutubeを始め、映像による表現でも、テンポが良く見たまんまわかるものが受け入れられる傾向があるように思われる。本屋に足を運べば、1分で分かる○○やマンガで解説した本というものが多く並んでいる。つまり単純に「長い」ことはマイナスに働きがちである。

いつに始まったわけではないけれど、多くの娯楽が生まれ、コンテンツを提供する側からすれば時間の奪い合いがあり、その中で売れるために、そうしたわかりやすいインスタントに消費できるコンテンツが増えていって今のようになったと思われる。

セリフだけでなく、感情にも説明が必要になるマンガ

最近、ある漫画を読んでいた時に衝撃を受けた。

それは登場人物の感情を表現するために、丁寧にコマを割いて「ト書き」を使っていたからだ(ちなみに売れ行きは良い本とのこと)

なぜ感情表現を説明したことに衝撃を受けたかと言うと、読み手の多くが、漫画の絵だけでは感情が理解できず、感情にまで説明がないとわからなくなってしまったのか?と思ったからである。

具体的には、告白ができずに背中を見せた男性。その背中のシーンを見れば言いたくても言えなかった感情を感じそうなものだが、1コマ割いてその背中シーンに対して感情の説明がされていたのである。

果たしてそこまで丁寧に説明する必要があるのだろうか?

もし説明しないと感情がわかってもらえないのであれば、普段の会話の中で、怒っているのか、悲しんでいるのかを説明しないとわからないという話になるではないか。。。

読解力、そして、想像力の低下

時々、ニュースで読解力の低下が取り上げられていることがあるが、定量的なデータを見なくても事実なんだと思う。それは消費者に合わせて作られたコンテンツが物語っているからだ。

この傾向が進むと、ますます感じる作品や行間・余白のあるコンテンツは、よくわからないという理由から受け入れられなくなるかもしれない。
その結果、行間、余白というものを理解できない人たちが増えてしまうことにもつながっていく
かもしれない。

短く、わかりやすく。それ自体が悪いことではないが、わかりやすいコンテンツに接しすぎると、知らないうちに読解力の低下、つまりは想像力や考えることの力を失っている可能性があることを意識しなくてはいけない。

長い文章がかけることは素晴らしい

話を感想文に戻すと、長い文章がかけるということは、一つのことを様々な表現を使って伝えることができるということである。つまり比喩など様々な視点で見るといった想像力がなければできないことである。

そもそも短い文章より長い文章を書くほうが難しいと感じている人のほうが多いのではないだろうか。それに長い文章から短い文章にするほうが簡単なことだと思う。

長い文章は確かに受け入れられにくいかもしれないし、なげーよの一言で読まれないこともあるかもしれない。

けど、私はそんななげーよの文章が書けることに憧れているし、そうした長くて深みのある文章であれば、(たとえあまり売れなくても)人は考えるためにも読んでいくべきだと思っている。(もちろん長い文章が全て良いと言っているわけではなく、まずは古典的名著などをおすすめしたい)

だって気づかないうちに考えられない人になっているなんて、人間らしくないではないか!そんなことを切に思っているからだ。
と、長い感想をもらった人にお礼兼ねてつい話した内容をまとめてみました。


本記事で触れたアクティ場というイベントは、楽しみながら感性や想像力を養うことができます。本や写真などいろんなテーマで開催していますので、よろしければ、ぜひチェックしてみてください。企業向けのレクリエーションとしても提供しています。


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