努力は七個のドラゴンボール 3

 もう忘れ去られた往年の女子テニス世界王者 シュティフィ・グラフの言葉だったか、「必要な筋肉はテニスの練習で身につく。筋トレは、メインではない筋力を鍛えるのが目的。この筋力が、微妙なコントロールの基礎になる」と、何かで聞いて、はっとした記憶があります。誰でも気づく物事のメインの部分と、その周辺の力をしっかりと鍛えておくことが不可欠なんですね。「的を射た努力」と、それ以外の、あまり意識しない部分のトレーニングが重要ということ。

 劇やドラマでは、主役よりも優秀な脇役が、全体を引き立てる。いくら詳しい専門知識を持っていても、「教養」が無ければ、人の尊敬を集める人物にはなれない(だから大学では教養科目が必須なんです)、等々。
 例えば野球のピッチャーであれば(実は野球はあまり詳しくないんですが・・)、思った位置に正確に投げるための投球練習は当然のこととして、足腰の鍛錬、バランス感覚の訓練も当然のこと、方中力(注意を分散して周囲の状況を把握していること)、性格分析力と行動予想力など(練習中に自然に意識して会得するのかもしれませんね)。必要な能力は多岐にわたります。

 このように、目的の中心を支える周囲の必要な条件を堅固にする「努力」の必要性に、自分自身で気づくのは、かなり難しいことかもしれません。学習の場面では教師が、スポーツではコーチがここを「指導」しているはずですね。

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