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痛いか、痛くないか、それが問題だ

お金のこととか、仕事休むとか、手術にまつわる心配はいろいろありますが、出産経験もない、痛みにゲキ弱いわたしが入院手術にあたり最も恐れていたのが「入院手術中に行われる諸々の処置(手術を筆頭に麻酔や注射やその他もろもろ)が、痛いかどうか」。痛くなければ余計にお金を払ってもいい、くらいに怯えていました。

手術などはある程度想像できるけど、そのほかの私が予想だにしなかった処置をいくつかリストアップしてみます。そういえば入院前検査の中にPCR検査もあって、鼻の穴の奥ぐりぐりされたのも痛かったなあ(地味に初体験でした)。

針生検

手術前の検査の一つとして、エコーやマンモグラフィなどの写真撮影ではイマイチわからん!という時の確認手段として、患部に針を刺し、細胞を直接取ってきて顕微鏡でがん細胞かどうかを調べる、という検査がありました。

その針はボールペンの芯くらいの太さです。それをおっぱいに刺します。聞いただけでゾワっとしますよね。私も「無理無理無理」と思いました。でもやるしかないのです。まな板の上の鯉、もしくは処置台の上の患者です。なす術なし。No option.

半泣きで処置台の上に寝てたら、先生と看護師さん以外に3〜4人くらい部屋に入ってきて、「誰?」と聞く間もなく麻酔の針を刺されました(麻酔の針は普通の注射と同じ太さ)。

痛さに関しては、局所麻酔の針が一番痛かった。針生検のぶっとい針も、麻酔が効いてれば「あーなんか押されてるなあ」しか感じません。
麻酔の薬が体に浸透していくのが分かってそれが気持ち悪かったです。麻酔の針は何回か刺された気がする(記憶を消そうとしている)。

後から聞いたら部屋に入ってきた人たちは針生検メーカーの人で、自分たちの商品が正しく使われているかを監査目的で入ってきたそうです。先に言ってくれればいいのに、と思ったけど、大した話じゃないから別にいいです。

手術で切ったところ

私の場合は、左脇に10cmくらいの切開傷があります。手術直後はベッドに寝ながらしみじみと「昔の侍の刀傷ってこんな痛さなのか…」と涙目で歯を食いしばって耐えました。痛さを我慢することしかできない状態が数時間続きました。痛み止めを飲んでからは、徐々に痛みは消えましたが、薬が効いてくるまでのあいだ、麻酔の影響で気持ち悪いのもあいまって、痛みで泣けるのは骨折以来、久しぶりの経験でした。退院して1ヶ月くらいは脇の下にテニスボールを挟んでいるような違和感を感じていました。これも傷によるものらしいです。
2ヶ月経った今は、イマジナリーテニスボールは消滅しましたが、生活していて「チリチリ」とした感覚やピリッと走る微かな痛みなどは毎日必ずあります。でもその痛みも治る過程のものなので心配いらないそうです。電車の中で網棚に物をあげようとしたりする動作などで腕を上に上げるとつっぱり感も(日常生活で普通に動かしていればなくなっていくらしい)

切ったところの痛みや違和感がなくなるのは一年くらいかかるらしいけど、それでも人間の身体って元通りにしようとしてくれるのすごいなーと思います。

ドレーン

部分切除手術後、手術した場所からリンパ液や血液などの体液がしみだしてくるのを、身体に穴を開けてチューブを差し込み、体の外に液体を排出します。このチューブのことをドレーンというらしい。チューブの先にはスマホサイズのプラスチックの四角い容器がついてて、ここに液体が溜まっていきます。この容器をポシェットに入れて常に首から下げています。

私は退院する日の朝までこのドレーンをつけっぱなしにしていて、退院前に先生に抜いてもらいました。でも人によってはつけたまま退院して、自分で抜く人もいるそうです。怖い。

抜く時は痛くないと聞いてたけど、実際は全くの無痛ということはなく、あ、痛いです、と言って先生にはガン無視され、看護師さんには優しく肩を叩かれました。

部位にたまった体液の排出(針を刺す)

ドレーンを抜いた後も、身体からはじわじわと液体がしばらくしみでてくるらしく、手術部位に溜まることがあるそうです。

量が少なければそのまま身体に吸収されるけど、多いとおっぱいに針を刺して排水しないといけないと手術後に教えてもらいました。

組織診のときにも針を刺したけど、また刺すの!?しかも今度は細い針だから麻酔もしないらしい。怖い。怖すぎる。

果たして退院後一週間して診察した際に、先生にエコーを当てられ「あー、液体はそんなに溜まってないですね。これは抜いても抜かなくてもどっちでもいいレベル」と言われた時は心の底からホッとしました。一瞬だけ。

「でも、抜きます。せっかく背中から移動させた脂肪できれいに作ったおっぱいが、液体そのままにしてると脂肪が溶けちゃうんで。まあ、私の趣味の範囲ですね」

ええーーーーーっ!抜かなくてもいいって言ったじゃないですか…

という抵抗も虚しく、エコーを当てたまま慎重に位置を確認しながら細い針を刺されました。

先生曰く、「手術したところ、今痺れてるでしょ?痺れてるってことは針を刺しても痛くないから大丈夫」

緊張マックスでプスっと針を刺されましたが、本当に痛くありませんでした。不思議。ということは正座して足が痺れてる時に足に針を刺しても痛くないってことなのかな?と思ったけど、試す気はありませんし、これ読んでも試さないでください。想像しただけで痛いから。わたしが。

結論: 一番痛かったのは

結局、わたし個人の感想としては、瞬間風速的に一番痛みが強かったのは手術の傷でした。戦国時代に生まれなくてよかったと心から思います。私と同じ痛みに弱い方が手術に備えるにあたり(もちろん健康で、手術はしないに越したことはないんですけど)もし参考になればうれしいです。

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