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放射線治療おわり!
乳がん手術後の放射線治療が終わりました。
20日間、平日毎日通院するのは大変でもあり、人生で初体験だったので新鮮で興味深くもありました。
放射線治療は乳がん部分切除にマスト
放射線はさまざまな部位の治療に使われるので、どう使われるのかはケースバイケースですが、乳がんの場合は部分切除した患者さんに使われることが多いようです。全摘すると乳腺自体がなくなるので、がん細胞が再発するリスクはゼロになります(反対側の乳房はリスクありますが)。
でも部分切除はやはり全摘に比べると再発のリスクは上がるそうです。また、手術で物理的に取りきれていない目に見えないレベルの細かいがん細胞を放射線治療で叩くために、乳がん部分切除を選んだ患者さんは必ず放射線治療を受けることがセットになっている、と乳腺外科の先生に教わりました。
放射線治療は痛くない
「治療してるのに髪の毛抜けてないね」とたまに言われるのですが、放射線治療で髪の毛が抜けることはありません。それは抗がん剤です。
放射線治療は、ばっくり言うと「一度に浴びたら大やけどする量の放射線を、毎日同じ場所に微量ずつ照射して悪い細胞をやっつける」治療法です。照射位置もピンポイントで患部にだけ当たるよう、きめ細かく設定されます(そのため治療期間中は身体にマジックでマーキングされる)ので、全身に浴びることはありません。身体への影響も照射部位だけなので限定的。
一方抗がん剤は全身に回る薬を入れるので脱毛などの症状が出るようです。脱毛以外にも症状は多く、抗がん剤の方が副作用が重い印象です。
…と、偉そうに解説しましたが、私も去年まで放射線治療と抗がん剤治療の違いや、どう使い分けるのかについて全く知りませんでした。やっぱり当事者にならないと分からないことってたくさんありますよね!
一回の治療にかかる時間は下記の通りで、全部で30分程度です。実際に照射しているのは正味5分ほどです。
受付→治療着に着替え→治療室に入って治療着を脱ぎ、タオルを体にかけてベッドに横たわる→放射線技師さんが私の身体位置を調整→治療に必要な器具を設置→治療→終わってまた着替え→病院退出
照射されている間、部屋から技師さんは出ていってしまい一人で取り残されるのと、機械からビーッというブザーみたいな作動音が出るので最初はビクビクしていましたが、治療を受けている間私は痛みなどは全くありませんでした。
放射線治療で面白かったこと
病気の治療を面白がるのは不謹慎かもしれませんが、私にとっては初めて見るもの、体験するものばかりで緊張と少しのワクワクがごちゃ混ぜになっていました。その中でへー!と思ったもののひとつ。
私は乳腺に放射線を当ててもらったため、場所的に肺が近く、患者さんによっては肺や心臓にも放射線が当たる確率が高いらしい。そのため稀に副作用として肺炎を起こしたり心臓に影響が出る患者さんもいるそうです。
それを避けるために、照射時、息を吸ってとめているように指示をされました。息を吸って胸を膨らませて、少しでも乳腺と内臓を遠ざける方法だそうです。結構アナログなんだな。
さらにアナログなのが、呼吸を確認するために、仰向けに寝た私のお腹の上にレコードの針みたいな機械が置かれます。これが上下の動きを緻密に感知して、目盛で「このくらい吸ってる」「吐いてる」というのを数値化してくれます。
その数値は別室で技師さんもモニタリングしてくれていて、それを見ながら「はい、息を吸ってー、ここで止めてください」と指示を出してくれるので、息を止めるとその間に照射して、終わると「楽にしてください」とまた指示を出してくれるので、言われたとおりにしています。
呼吸の動きはスピーカーのアンプとかについてるような針がワイパーみたいに動く機械(名前がわからないので検索してみたら呼吸同期システムというらしい)に表示されるのですが、目盛を確認して「ここの目盛まで息を吸えばいいんだな」と思ってると急に目盛がガクンと動いて「えっ!そこまで吸うの」と変わったり、結構動きが人間的なんです。どういう仕組みで動いてるのか、精密なセンサーで高低差を感知してるのはわかるんだけど、目盛の急変の理由とか、最後までよくわからなかった。
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鏡の角度を変え、鏡越しにお腹の上の機械をチェックする
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針の動きを見ながら息を止める。
私の身体に起きたこと
放射線を受けて、身体にどんな変化があったかって話なんですが、これは人によって様々らしいので、私の場合ってことで書きますと
皮膚の変色(赤、茶)
日焼けした感じ。皮も剥ける。乳首が真っ黒になった
痛み
我慢できないほどではないけど、チクチク痛かったりする。痛くない時もある
人によっては乾燥してカサカサしたり、痒くなったりする人もいるそうですが、私はそれはありませんでした。
私の場合は20日間受けて、大体半分過ぎたところで皮膚が赤くなり出し、20回終えた時には乳首の色も反対側と明らかに変わって、黒くなっていました。治療が終わっていま二週間くらいですが、だんだん黒ずんだ皮膚の皮がむけ始めています。変色した皮膚の色も以前より薄くなってきているようです。
技師さんや看護師さん、放射線科の先生に感謝
治療の際、いつも「では治療始めます」の言葉と共に、ダッシュで部屋から技師さんたちが出ていくのが放射線から逃げているように見え、おいていかれてる感があって心細いなーと思ってました。
でも、回を重ねるうちに、技師さんの会話から、あれは逃げてるんじゃなくて操作するコックピットみたいなところが遠いから、私も待たせないために走って移動してるんだと分かりました。
その他にも、看護師さんは「ちょっと大袈裟じゃない?」と思うくらいに「つらいところはないか、困ってることはないか」と毎日聞いてくださって、それもとてもありがたかったです。
最終日、看護師さんがいつも通り見送ってくれて「もうこれでここに来ないと思うと寂しいです」と言ったら「来てよ!暇な時に」と答えてくれて、でも看護師さん忙しいから患者さん以外に構ってる時間ないだろうし、お邪魔じゃないかなあと思って口ごもってると、とびきりの笑顔で「私たちは、患者さんが元気になった姿を見せてくれるのが一番嬉しいんだよ!用なくても来てね」と言ってくれたので、不覚にも泣きそうになりました。泣かないよ!大人だし。
病院にも色んなところがあるし、お医者さんにも看護師さんにも、医療従事者の方にも色んな人がいるから一概には言えないけど、この病院にお世話になってよかったなと思った瞬間でした。
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