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芸術祭で小さな焼菓子がたくさん売れた理由

いちはらアート×ミックス2020+の会期中、月出工舎のカフェでは珈琲やパン、スープの他に小さな焼菓子を出していました。
しかしこの焼菓子が空前の大ヒットとなる事とは誰も予想していませんでした。

小さな焼菓子の正体

この焼菓子は市原市の福祉作業所「シーモック」の利用者さん達が日々こつこつと作っています。

写真は現在のものですが、会期中はさらに種類豊富に取り揃えていました

シーモックさんは第1回目(2014年)のアート×ミックスで「こっこちゃん」という焼菓子を可愛らしいパッケージに詰め合わせた商品を開発しており、当初はそれを出す予定でしたが、諸事情により焼菓子単体で出すことに。

誰も予想していなかった売れ行き

会期初日、金土日・祝日の4日分を仕入れたのですが、初日でほぼ売り切れ。祝日前に急遽大量に仕入れるも翌日は完売。

結局翌週からは週2回シーモックさんの作業所に訪れては売場の焼菓子をかっさらっていく様に買い付けに行きました。
それでも飛ぶように売れるので、土日は他のフードの用意ができない時にだけカウンターに出していました。

通常の4〜5倍ぐらいの早さの売れ行きでしょうか。一人で3~4個以上お買い上げになる方もたくさんいらっしゃいました。

これにはヤマドリだけでなく月出工舎の統括ディレクターやシーモックの職員さん達も全員「えっ!?」という感じで驚きを隠せない表情。

何故こんなに売れるんだろうか

そう考えていた12月のある日。やっと予定を組めた会場巡りの日(会期中は休場日も作業していました)にシーモックさんの焼菓子をいくつか小さな巾着の中に詰めた瞬間「あっ!」とひらめきました。

芸術祭とはいわば「作品巡り=移動の連続」。
カフェで休憩する時間すら惜しいほどスケジュールを詰め込んでいる人、バスツアー等で行動が制限されている人は移動の最中に手軽に食べられるものが欲しい。
それが小さな鞄に入る小ぶりのお菓子、種類豊富、できればお値段も手ごろなもの。それがシーモックさんの焼菓子でした。

お菓子を選ぶ楽しみも

また、買い付ける焼菓子の種類も固定ではなくまんべんなくバラバラに仕入れていたので、選ぶのを楽しんでいる方もちらほら見かけました。

ちなみにアート×ミックスの総合ディレクター北川某さんも週に一度のガイドツアーで月出にお越しになる際に珈琲と一緒に焼菓子を大量買いされる常連さんでした。「(たくさんの種類の中から)選ぶのが楽しんだよ~」とおっしゃっておりました。

さらに「おすすめは何なの?」と聞かれましたが、ヤマドリ的には塩クッキーかな。甘みと塩のバランスが絶妙で、ヤマドリの中深煎り珈琲とあいます。

残念ながら、こんなに売れるのは移動の多いイベントだけの特需。
この事にもっと早く気付いて途切れることなく大量に仕入れるように出来れば良かったと後悔しております。
お客さんがあちこち移動することが多いイベントに出店される方はこの事例が参考になれば幸いです。

シーモックさんの焼菓子は毎月出店しているこっこ市や焙煎所の営業日にお出しています。(夏季は除く)
見かけたらヤマドリの珈琲と一緒にどうぞ~。

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