高く速い蹴りのためにマスターしたいこと
空手とバレエを行ったり来たりしている我がムスメ。
空手の稽古に行くと
蹴りが高い!!
速い!!
といつも褒められるそうです。
そうなんだ!とムスメにやってみてもらったり、動画で強い選手の組手の試合や型を見たり、動きの専門家の目で見ると理由がわかりました。
高く速い蹴りができる理由は、バレエのレッスンで必ず出てくるある動きにあります!!
そしてその動きをマスターすることは美脚にもつながります。
高く速い蹴りと美脚、まるで関係がなさそうですが、どういうことでしょう?
高く速い蹴りのためにマスターしたい動き
結論から言うと、速い蹴りのためにマスターしたいのは、バレエの「デベロッペ」という動きです。
まずヒザの位置を決め、太ももの骨(大腿骨)を動かさないようにヒザから先を伸ばし、最終的にキレイに伸びた長い脚を見せます。
デベロッペが代表的ですが、バレエには他にもフラッペやフォンデュなど、まずヒザの位置を決めてからヒザから先を伸ばす動きがたくさん出てきます。
この「ヒザの位置を決めてから伸ばす」動きの特徴は、前モモの筋肉はモリッとせず、腰からつま先まで、背面からモモ裏、と裏のラインが長くしなやかに伸びていくこと。
軸脚、体幹部はほとんど動かず、伸ばす脚だけが動きます。
一方、空手初心者の脚の上げ方を見ると、前モモがモリッ、ムキッとし、脚を上げた瞬間にバランスをとるように体幹部が後ろに倒れてしまいます。
背面の伸び感がないまま、前面だけが縮んでしまうのでバランスが崩れてしまうのです。
脚を上げても軸脚や体幹部が負けないようにしないと、高い蹴り、早い蹴りは難しくなります。
ということは体幹部の力がないから蹴りの脚が上がらない?蹴りが遅い?
では体幹部を鍛えるために、プランクやスクワットなどをすればよいのでしょうか?
プランクやスクワットも決して無駄ではありませんが、脚を上げることに特化した練習方法=デベロッペ的に脚を上げる方法を見ていきましょう。
ヒザの位置を決める
まずはヒザの位置を決めるために、ヒザを曲げたまま大腿骨を体幹部に寄せる練習をしてみましょう。
この時に使いたいのが、背骨の腰部分から骨盤の中を通って脚の付け根、内モモにつながっている大腰筋です。
内モモ側の脚の付け根を腰に寄せてくれば大腰筋が縮みます。
最も簡単に鍛える方法は、こちら↑の記事で紹介している体育座りです。
内モモ側の脚の付け根に背骨の腰の部分を寄せてみましょう。
外モモやお尻の力ではなく、もっと体の奥の力で骨盤が立つ感じが分かればOKです!
慣れてきたら背中を壁に付け、背中や、特にお尻が壁から離れないように片脚の膝を体幹部に引き寄せる練習をしてみましょう。
この時、大腿骨が骨盤にはまっているところ、丸い大腿骨頭がくるんと動くイメージをしてみるとよいでしょう。
体育の陸上の授業でおそらく多くの人がやったことがある「モモ上げ」とは違った感覚で、前モモが主張せず脚が上がる感覚がわかるでしょう。
大腰筋はいわゆるインナーマッスルの一つ。
この脚の上げ方は自然に体幹部の筋肉を鍛え、軸脚がぶれない身体を作ります。
ヒザの伸ばし方
大腰筋の力で大腿骨を寄せられたら、いよいよヒザを伸ばします。
ヒザを伸ばそうとすると、またしても前モモが存在を主張してモリッとしたがりますが、大腰筋を縮め続けて前モモ(特に外側)にはおとなしくしていてもらいます。
そして意識していただきたいのがヒザのお皿(膝蓋骨)。
ヒザのお皿はぷかりと水の上に浮いているとイメージしてみます。
そして、水に浮いたまま、ヒザののお皿を滑らせるように脚の付け根の方に寄せてきましょう。
この時使うのは前モモの筋肉の一番内側、内側広筋です。
内モモに近いところの筋肉ですいーっとヒザのお皿を引き寄せると、テコの原理のような感じでスネの骨が上がってきます。
同時に、ヒザの内側から足の親指にかけてのライン、ヒザの外側から足の薬指のラインをヒザから遠ざけるように伸ばしましょう。
結果、ヒザのお皿を押し込むことなく、脚が伸びていきます。
ヒザの伸ばし方については、ピラティスの代表的なエクササイズ「オープンレッグロッカー」のコツをまとめたこちら↑の記事でもご紹介していますので、是非ご確認ください。
蹴りへの応用
前モモの力で脚を上げるとどうしても「どっこらしょ」感が出てしまいます。
軸脚や体幹もブレやすくなります。
一方、大腰筋を使った脚の上げ方なら、軸がブレづらく、少ない力で素早く上げることができます。
ヒザを伸ばすのにヒザを押し込むようにしてしまうと、せっかく上げた脚、足が落ちてしまいますが、ヒザのお皿を脚の付け根の方向に引き寄せることができれば、ヒザの延長線上に足が伸びて行くのでヒットポイントがより高くなります。
また、軸脚、体幹が身体をしっかりと支えてくれるので、より強い蹴りを出すことができます。
美脚効果
前モモの力で脚を上げてしまうと、どんどんモモの前側や外側に筋肉が付き、脚が太くなってしまいます。
大腰筋で脚を上げることができれば、前モモや外モモの余分な筋肉が落ち、脚全体にバランスよく筋肉が付きます。
ヒザのお皿を引き上げる動きは、膝上の余計なニクを減らし、膝頭の位置を高くするのでヒザ下が長く見えるようになります。
ヒザ下を大腿骨の延長線上に伸ばす動きは、まっすぐ伸ばそうとすることでヒザ下の捩れを取り、より長いヒザ下を作ります。
より高く速い蹴りができるようになりたい方も。
引き締まって真っ直ぐな美しい脚のラインを手に入れたい方も。
・大腰筋を使って大腿骨を体幹部に寄せる
・ヒザのお皿を脚の付け根方向に滑らせながら、大腿骨を動かさずにヒザ下を伸ばす
この動きをマスターして、理想の動き、脚のラインを手に入れましょう!
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