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海外旅行での気づき(オーストラリア・ケアンズ)Day2

4.Day2

Day2は、テレビ番組「世界の車窓から」で有名なキュランダに行きました。今回もいろいろと気づきを交えて書きます。


4.1. 驚くほど日本車が多い

Day1はハプニングや移動の疲れもあり、Hartley's Crocodile Adventuresのあとはホテルでゆっくりしました。

Day2のツアーは、待ち合わせ場所は明確に書かれており、ホテル近くのバス停でした。なんと、「Tour Bus Only」と書かれており、Day1もここが集合場所のようでした…汗

バス移動中、ケアンズ中心街を抜けたのですが、日本企業、そして、日本車の多さに驚きました。車のほとんどがトヨタ。そして、マツダが意外と多かったです。

トラックは日野、いすゞなど。そういえば、Hartley'sのボートの船外機はヤマハ製でした。

ほかには韓国のKIAが多く、次にヒュンダイといった感じです。日本でもたまに目にするテスラも見かけました。日本よりもゴツい車が多く、トヨタの「ハイラックス」が多かったです。

日本車がここまで多いのは、日本と同じ左側通行だから?と勝手に思いました。

4.2. ケアンズの気候

ケアンズからキュランダへの道ですが、どんどんと山に入っていきます。私は自然地理が好きなので、オーストラリアと言えば、グレート・ディバイディング山脈、大鑽井盆地・・・

今まさにグレート・ディバイディング山脈の中に入っていると思うとテンションが上がりました。

ケアンズは、ケッペンの気候区分で言うと「Am:熱帯モンスーン気候」になります。

季節風(モンスーン)の影響を受け、4~11月が乾季、11月~3月が雨季と言われています。Am気候の近くにあるサバナ気候(Aw)では、より明瞭な乾季、雨季があります。

11月のケアンズは乾季と雨季のちょうど境目、これから雨季に入ろうとしているところです。晴れの日もありましたが、全体的に曇りの日が多かったです。

Day1で出会った韓国人ドライバーによると、「この時期は夜になると雨が降る」と言っていました。たしかに、朝、地面を見ると濡れており、雨が降っていました。

脱線:モーニング・グローリー

気候に関連して、少し脱線します。オーストラリアでいつか見てみたい自然現象があります。「モーニング・グローリー」です。ケアンズとは反対側で、ヨーク岬半島のカーペンタリア湾側、特にバークタウン周辺で見られます。

モーニング・グローリー(Morning Glory Cloud、巨大回転雲、巨大ロール雲とも表記されることもある)は、朝方を中心に現れる、巨大なロール状のの帯のことである。

Wikipedia

モーニング・グローリーは9~10月の夜明けに、気象条件がそろったときだけ見られる「奇跡の雲」と言われています。

雲の進行方向前方は激しい上昇気流が起き、後ろ側は下降気流となり、雲の帯は1000kmに達することもあります。

ヨーク岬半島東側で発生し、カーペンタリア湾を南の方向に向かって進むため、バークタウン周辺で見られます。

バークタウンをGoogle Mapで調べたのですが、かなり小さな町です。オーストラリアで「いつか見たい!」と思っているものの紹介でした。

4.3. Rainforestation Nature Park ”Army Duck”

山岳地帯に入り、Rainforestation Nature Parkに到着しました。ここでは、まず、熱帯雨林の中を、「Army Duck」と呼ばれる水陸両用車で巡りました。

Army Duckと呼ばれる水陸両用車。整備されていない道も川の中もどんどん進みます。

ガイドは2人の男性で、うち1人はかなり陽気な方でした。水陸両用車がバックするとき、最前列に座っていた女の子に「ピー、ピー、と言ってくれ!」と絡んでいました笑(彼女は恥ずかしそうでしたが)

ガイドの説明の中で、熱帯雨林の太陽光争奪戦の話がありました。

熱帯雨林は背が高く、葉を木の上部に集中させて、光に当たりやすくします。(光合成しやすくする)

地面に近い植物は、背の高い木を伝って、光を求めます。ほかには、成長した木に寄生して、木自体を乗っ取り、自分のものにしてしまうなど、日本では見られない植生を知りました。

深い熱帯雨林が広がります(右上:背の高い木に寄生した植物)
Rainforestation Nature Parkにも多数の動物がいました

4.4. Rainforestation Nature Park ”Aboriginal Culture”

Army Duckの次は、アボリジニの伝統文化体験をしました。まず、Canvas Artのプログラムでは、赤、茶、黄、黒、白の5色を使ってオリジナルの絵を描きました。

帰国後、アボリジニという表現方法を調べてみたのですが、差別的な意味合いが含まれる表現だとわかりました。

世界標準では「Aboriginal」「Aboriginal Australian」です。(ここでは、日本語表現を「アボリジニ」とします)また、「Aboriginal」は「Ab」+「original」からきており、「はじまり」を表します。

Canvas Artの後、アボリジニの方々による伝統音楽やダンスの披露、狩猟の再現がありました。うち1人の方は、私たちを連れて、硬い葦の葉を使った入れ物、家の作り方を教えてくれました。

そのとき、私たちは英語で質問できませんでしたが、もし、「アボリジニ」をそのまま英語で言っていたら…と怖くなりました。彼らに「非常識な日本人だ」と思われたかもしれません。

昨年、「異文化理解力」という本を読んでから、海外の見方が変わりました。

そこにも書いてあったかもしれませんが、ただ英語が流暢に話せる日本人と、”Janglish”だが相手の文化を深く知っている、もしくは、知らなければ知ろうとする日本人、どちらが信頼されるか?

後者に決まっています。英語nativeでない日本人に必要な要素は後者だと思います。改めて読み返してみます。

私が「アボリジニ」の言葉を知ったのは、中学の英語の授業です。

たしか、開隆堂の「Sunshine English」という教科書で、日本人の女子中学生Yuki Sayamaと、アメリカ?オーストラリア?の男性Andy、Tom?が登場していたと思います。YukiがAndyに惚れてしまい、最終的にはカップルになるストーリーだったと思います。

その教科書で、アボリジニの陸上競技選手「キャシー・フリーマン」が紹介されていました。彼女は女子400mの選手で、シドニーオリンピックの400mで優勝し、その際、オーストラリアの国旗とアボリジニの国旗、両方を掲げて世間の議論を巻き起こした方です。

私自身も中学時代に陸上競技部で400mを経験したため、特に印象に残っています。

教科書では、アボリジニの起源、文化、そして、白人によるアボリジニの迫害、白豪主義からの多文化主義への転換など、ざっくり書かれていたと思います。

中学生の頃、アボリジニに対する見方は「差別を受けてかわいそうな人々」「人種差別はしてはいけない」程度のものでした。

そして、「うかつに人種に関する内容、差別に関する内容には触れてはいけないし、議論に持ち込まないほうが良い。タブーだし、自分たちには関係ないから」とも思っていました。

ですが、最近、世界情勢や人種問題、人類の歴史に関する本を読むようになりました。読んでいるうちに何が真実なのか、わからないものも出てきました。

例えば、日本で「陰謀」について語ると、右翼、過激派、頭のおかしいやつ、と思われて、たいていは相手にされません。

陰謀に対する反応としては、大きく2つあると思います。

1つ目は、深く知ろうとせず、情報だけ集めまくって、家族や他人に思想を強要する人。

2つ目は、深く知ろうとする、真実を追究する人。他人に強要せず、「こういう考え方もあるな」「いろいろ点と点がつながってくることもあるな」程度にし、いろいろな本や情報に触れてみる。

私は陰謀的な話に触れたとき、後者の行動をとるように心がけています。

なぜ陰謀の話をここで出したのか?「当たり前」「一般常識」「学校ではこう習った」というものが、「実はそうではないのでは?」と思うことが多くなったからです。

例えば、第二次世界大戦後の日本とアボリジニを比較すると、両者が受けた内容が酷似しているからです。これもどこまで真実かわからないですが、こういう考え方があっても良いと思えました。

昨年、以下の本を読んでそう思いました。キーワードは、WGIPマインドセットです。

GHQが日本人にした「日本は一方的に戦争犯罪を犯した」「卑劣な行動をとったのは全て日本人」「悪いのは全てあなた方、日本人だ」という刷り込みです。幼い頃からの学校教育、教科書、マスメディアによる”洗脳”により、日本人としての誇り、アイデンティティを失ったという主張です。

オーストラリアは、多文化主義を取り入れてもなお、人種問題に揺れる国なのだと思いますし、オーストラリアに限らず、世界共通の問題と思います。

アボリジニだけでなく、奴隷制度から始まり、なぜ一部の白人はここまで残忍なことを平気で行ったのか?根っこにあるものは、キリスト教という一神教なのか?なぜキリスト教は生まれたのか?聖書は誰が書いたのか?白人至上主義はどうして生まれたのか?今に至るまでどんな影響を与えているのか?パレスチナで起こっている問題を整理して理解するには?など、知りたいこと、学びたいことはたくさんあります。

「歴史は強者によって作られる」と以下の本には書かれています。「陰謀」と呼ばれる内容であっても、「本当に?」と耳を疑う内容であっても、一旦は受け入れてみる。理解してみる。これを今後も実践したいと思いました。

「アボリジニで読むオーストラリア」の内容を少しだけ紹介します。

アボリジニと日本の輪廻転生の世界観、八百万の神的思想は似ています。キリスト教宣教師は成熟した大人のアボリジニを変えることはできず、変えるのが容易な子供を宗教施設に送り込み(子供と食べ物を引き換えにしたなど)、”洗脳”と西洋的生活スタイルをしみ込ませたとのこと。

アボリジニ文化を否定しアイデンティティを失わせるところが、なんとなく、WGIPに似ています。

(宣教師、英語でEvangelist。よく会社や組織で、何か新しい思想やしくみを吹き込んで変えようとしている人を”エバンジェリスト”と呼んでいますが、私はこの呼び方に若干違和感を覚えます。取り組みそのものは良いことなのですが、呼び方の問題です。)

左:伝統楽器ディジュリドゥ
右:やり投げシーン。指でヤリの先端を押さえて投げるスタイルとジャベリックスタイルがある。写真はジャベリックスタイルかつ錘をつけて飛距離を稼いでいる。
ダンスショー。ラグビーのハカを想起させた。
(ハカはニュージーランド、マオリの民族舞踊だが)

4.5. キュランダ

Rainforeatation Nature Parkの後は、キュランダへ向かいました。運よく、列車が停車しており、駅舎と車内を散策しました。本当は乗りたかったのですが、ツアーの都合上、見るだけとなりました。

熱帯雨林の中にある駅舎、鉄道は趣がありました。駅舎にはカフェが併設されており、妻とゆっくりお茶しました。

個人的に鉄道好きなので、線路の軌間(gage)に注目しました。日本では、在来線は1067mmの軌間(狭軌)が一般的で、新幹線になると1435mmの標準軌になります。

名前の通り、世界標準は1435mmです。これは、軌間が狭い方が小回りが利き、国土の狭い日本に向いているからです。一部の在来線では、1435mmを使っており、「なんか幅が広いな」と思ったときはだいたい標準軌です。(一部の在来線では標準軌や1372mmを使っていますが)

では、キュランダ鉄道は?なんと、日本と同じ狭軌でした!これは、山岳地帯を走る鉄道であり、やはり、小回りを利かせるために狭軌にしたのでは?と推測されます。

左側通行もそうですが、ここにも日本との共通点を見つけました。

駅舎と停車中の列車
駅舎のカフェの様子
左写真:左下に「We are cashless.(credit or debit card only)」と書かれた看板があった。

16:00頃になると続々とお店が閉まり始めました。妻も「店じまいが早いね」と言っていましたが、キュランダ→ケアンズ行きの最終列車が15:00頃、かつ、大多数の観光客がその列車に乗り、閑散とするためと思われます。

続いて最終日、Day3に続きます。


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