見出し画像

粘膜用Covid-19ワクチンがあったとしたら、それはより効果的であったのだろうか?Geertの回答 (VSS Scientific Updates During Pandemic Times #45 より) 

本記事はDr. Geert Vanden Bossche のHPのVSS Scientific Updates During Pandemic Times #45 (2022年11月19日)の
2. Would a Mucosal Covid-19 Vaccine Have Been More Effective? Geert Responds
の翻訳です。原文を参照の上ご利用ください。

PANDA uncut の記事の以下の部分についてコメントします。

『Covid-19ワクチンは、感染症予防と感染拡大の防止という点では成果を上げていない。これらの製品は明らかに感染を防いでいない。その作用機序(他の呼吸器系ウイルスと同様に、主要な免疫防御は上気道と肺を覆う粘膜に存在するにもかかわらず、血液中に抗体を作ること)から、そもそも期待されるべきものではなかった。』

“The Covid-19 vaccines have not delivered in terms of preventing infection and transmission. These products clearly do not prevent transmission. They should never have been expected to, by virtue of their mechanism of action (i.e. the creation of blood-borne antibodies, when - as with other respiratory viruses - the primary immune defenses reside in the mucous membranes lining the upper respiratory tract and lungs).”

https://pandauncut.substack.com/p/policy-review-covid-19-vaccines?spush=Z2VlcnQudmFuZGVuYm9zc2NoZUBsaXZlLmJl

この記述で、著者は粘膜型C-19ワクチンが有効である可能性を示唆していますが、これは正しくありません。パンデミック時に使用する場合においては、粘膜ワクチンであったとしても免疫逃避を防げるという証拠は何もない。また、粘膜ワクチンが(実験中のものを含め、粘膜から侵入する病原体に対するワクチンであっても)、同じワクチンを筋肉内や皮下で投与した場合よりも効果があるという証拠もない。そのため、商業化された粘膜ワクチンの種類は限られています。呼吸器系の病原体が粘膜を介して体内に侵入するから、粘膜ワクチン投与が有効なのではありません。また、全身性の抗体が粘膜に到達しないというのも全くの誤解です(実際には血中から漏出します)。しかも、中和IgA抗体の高力価を維持するためには、定期的なブースター投与(3〜4ヶ月ごと)が必要です。しかし、それでも、これらのワクチンをパンデミック時に使用した場合には、免疫逃避を避けることはできません。

私がこの記事に反応した理由は、ワクチンを打てばパンデミックから逃れられると今なお信じている人たちにとって格好のネタ(理由)になるからです。C-19ワクチンが感染や伝播を防ぐことができない本当の理由は、殺菌免疫を誘導することができないためです。ワクチンで誘導された抗体は、免疫システムが抗体を完成させている途上でウイルスにさらされた場合、ウイルスを排除することができません。 これらの抗体が完全に機能し(中和能力を獲得し)、ウイルスを中和するのに十分な量に達するには時間が必要です。体液性反応が不十分/未熟である限り、抗体はウイルスの感染力に対して最適とは言えない免疫圧力を発揮します。その結果、自然選択が起こり、より感染力の強い変異ウイルスが優位に増殖していきます。その結果、ウイルスの感染力が高まり、ウイルス伝搬は抑えられるどころか、促進されます。PANDAが科学志向の組織でないことは理解していますが、だからといって科学的に正しくない発言が許される理由にはなりません。それらは一般の人々には理解しやすいかもしれませんが、結局は混乱を招き、無意味な取り組みの連鎖を助長することになりかねません。


いただいたサポートは一般社団法人ワクチン問題研究会に寄付されます。