見出し画像

C-19 集団ワクチン接種が新たなパンデミックと感染症の連鎖反応を引き起こす

Dr. Geert Vanden Bossche 2022年7月13日投稿
https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/c-19-mass-vaccination-triggers-a-chain-reaction-of-new-pandemics-and-epidemics
の翻訳です。機械翻訳に基づきます。原文を参照の上ご利用ください。

C-19集団ワクチン接種は、集団免疫を作り出す代わりに、新たなパンデミックや 伝染病の連鎖反応を引き起こし、世界の健康に重大な影響を与える。

概要

以下の予測は、ワクチン接種率の高い集団が生み出したSARS-CoV-2(SC-2)の進化のダイナミクスによって、ウイルスがワクチン接種者の細胞性自然免疫系(CBIIS)をバイパスし、適応免疫能力を疲弊させる一方で、ワクチン非接種者のCBIISに「パワートレーニング」を提供するという詳細な分析から導き出されたものである。この複雑な現象の免疫学的帰結を理解することで、なぜCBIISを回避することでワクチン接種者がより感染力の強い変異型に再感染しやすくなるのかについて、新たな洞察を得ることができる。さらに、これらの人々が現在、「より毒性の強い」SC-2変異体(BA.4およびBA.5)の無症状リザーバーを形成し、また、一定程度他の糖鎖ウイルスによる急性自己限定(ウイルス)感染(ASLVI)または疾患(ASLVD)の無症状リザーバーを形成していることが説明できる。ワクチン接種率の高い集団が、現在、新たなウイルスのパンデミックを引き起こしている(例えば、進行中のパンデミックとして、「より強毒性の」SC-2変異体[即ち、BA.4およびBA.5]のパンデミック、サル痘ウイルスのパンデミック。懸念されるパンデミックの例として、鳥インフルエンザパンデミックがあげられる)。

訳者注:急性自己限定感染/疾患とは基本的に自然治癒する感染/疾患を指す。

これらの無症状のリザーバーのために、多くのウイルスが動物集団に入り込む可能性が出てきた。特に、ヒトとの距離が近い動物(家畜、動物園の動物など)に感染力の強いウイルスが存在する場合、その傾向は顕著である。ウイルスの進化的な動態とそれに対応する宿主の免疫反応の変化を理解することは、ワクチン接種者の感染増強抗体が、宿主のSC-2再感染に対する感受性を高める一方で、逆説的に重症化から守ることを可能にするということについて、説得力のある説明となるだろう。ウイルス感染とそれに続く宿主の免疫反応との間の連続的な相互作用の解析は、より感染力の強いSC-2変異体が及ぼす高い感染圧力が、ワクチンを接種していない幼い子どもや他の年齢層のワクチン非接種者の一部において、それぞれ、自然免疫、適応免疫を一時的に抑制する可能性を高める仕組みも明らかにした。この現象を理解することは非常に重要である。なぜなら、この現象は、ワクチンを接種していない子どもにおける重症疾患(ASLVI [SC-2を含む]、ASLVD、その他の急性または慢性微生物感染または免疫異常による病態 [肝炎など])の発生率の、限定的だが不幸な増加の原因となっていると考えられるからである。(ウイルス感染性の増強による)細胞性自然免疫系(CBIIS)の回避およびS(スパイク)タンパクを介した適応免疫系(AIS)の慢性的な活性化が、現在、他の(ASLVIまたはASLVD以外の)急性疾患や慢性の微生物感染症または免疫介在性疾患(例えば、癌や免疫異常)の流行に火を付け、多数のワクチン接種者に影響を及ぼしている。しかし、ワクチン非接種者でこれらの流行に苦しむのは、一部の高齢者(または脆弱者(1))と子どもだけである。

以上のような力学を理解すれば、子どもにC-19ワクチンを接種するということは、非常に刹那的な利益(短期間のC-19重症化予防)を、他の多くの急性・慢性微生物感染症や免疫異常による重症疾患の膨大なリスクと交換することであり、その結果はまさに劇的であることが明白になる。上述の病気は主としてワクチン接種者とワクチン接種率の高い国に影響を与える。従って、ワクチン非接種者とC-19ワクチン接種率の低い国は、自然免疫と集団免疫を構築する能力が損なわれていないため、パンデミックの嵐に大きく抵抗すると考えるのが妥当である(「アフリカが勝利する」)。ワクチン接種率の高い国は、今は第一に、ワクチン接種者の早期C-19治療と、安全かつ有効で、これらの人々に手頃なコストで十分な量を提供できる抗ウイルス剤の大量配布に力を注ぐべきである。

私の予測は、免疫学、ワクチン学、ウイルス学、進化生物学、生物物理学の各分野からなる学際的な分析に基づいている。これらの科学領域の基本原理と圧倒的な数の証拠との融合によって示される結論は、たとえそれがあまりにも悲惨に思えるとしても、非常に真剣に受けとめなければならない(「不可能を消去したときに残ったものは、どんなにありえないことでも真実に違いない、と、何度言ったらわかるだろう」シャーロックホームズより)。

(1) この原稿では、「脆弱な」人々/個人とは、免疫不全の人々/個人、合併症を持つ人々/個人、または免疫抑制状態にある人々/個人を指す。

懸念される、あるいは(?)重大な結果をもたらすパンデミックおよびエピデミック(地域的流行)

1.現在進行中の「より強毒な」SC-2亜種のパンデミックについて

SARS CoV-2(SC-2)を原因とする入院率および死亡率は、ワクチン非接種者が(主にNK細胞による)自然免疫反応をますます訓練するにつれて減少し続けている。一方、ワクチン接種者は、重度のC-19病だけでなく(肺におけるウイルスのトランス感染をブロックする感染増強抗体が高力価にあるため;https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-onevolution-c-19-pandemic)、軽・中程度のC-19病からもますます守られている(これは、C-19病からの自然な回復を可能にする多特異性のMHCクラスI非拘束性細胞傷害性T細胞(2)が強く活性化されていることによる[プライミングではない!])。しかし、現在ワクチン接種者の中で働いているどの免疫機構も増殖性感染を防ぐことができないため(図1参照)、ワクチン接種者は現在ますますSC-2の無症状のスプレッダーになってきている。これは、すべての接種者集団/年齢層に当てはまる。重症化を防ぐ免疫機構は、専ら適応的なものである(すなわち、抗原特異的感染増強抗体を介するものであり、接種者の自然免疫の状態とは無関係である)。

(2) これらのT細胞の持続的な活性化によって、感染増強抗体の高力価の存在下で、C-19疾患からワクチン接種者を保護することもできる(図1参照)。

より感染力の強い循環ウイルスに再曝露するたびに、ワクチン接種者の感染増強抗体はブーストされるため、これらの抗体は、現時点ではまだ重症化を防いでいるが(これは長くは続かない!)、ウイルスの毒性に対する免疫圧力を高めている。しかし、この集団レベルの免疫圧の上昇は、すでにウイルスの内在性病原性の強化につながっている(BA.4とBA.5は「より病原性の高い」変異体である;https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2022.05.26.493539v1.full.pdf)。ウイルスがこれらの抗体による病原性の中和効果から完全に逃避するために必要な最後のステップは、(感染増強部位はそのままで(3))遊走する樹状細胞(DC;図1参照)に付着したときに、もはや感染増強抗体と十分に結合しない変異体を選択することである。DC表面に付着したSC-2ウイルスに対するこれらの抗体の結合力が不十分であったり欠損したりすれば、トランス感染を防ぐことは出来なくなる(その結果、合胞体形成と重症化の原因となるトランス融合に至る;https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-on-evolution-c-19-pandemic)。これが起こると、重症化に対する防御は消滅する。同様のプロセスは、「より感染性の高い」SC-2変異体のS-RBD(Sタンパク質の受容体結合ドメイン)が、これまでは結合していた中和抗体ともはや十分に結合しなくなったことに既に現れている。これによって(中程度の)疾患に対する防御は消失した。

(3) この感染増強部位は、SのN-末端ドメイン(S-NTD)内に位置する。

ブースター接種の状況次第であるが(4)、私は、ウイルスがこの最後のハードルを越えるまでにあと数ヶ月しかないと予想している。そうなれば、抗ウイルス剤で大規模な治療を行わない限り、ワクチン接種率の高い集団は、大量のC-19罹患率とC-19死亡率によって打ちのめされることになる。SC-2が感染増強抗体の病原性抑制能力に対する耐性を獲得すれば、感染増強抗体は重症化を急速に加速させることになる。その結果、抗体依存性感染増強(ADEI)は、抗体依存性疾患増強(ADED)をもたらすこととなる。ADEDは、感染増強抗体の力価が高く、早い時期(すなわち、CBIISを訓練する機会を得る前)にワクチン接種を受けた人々に最初に発現する。したがって、高齢で脆弱なワクチン接種者が最初に影響を受けることになる。それでもワクチン接種前に自然免疫系を訓練する十分な機会があったならば、一部のワクチン接種者は生き残るために十分な自然免疫力を残しているかもしれない —しかし病院は彼らを治療することができるのだろうか?この押し寄せる波の最初の兆候の段階で、安全で効果的な抗ウイルス剤を、十分な供給量と手頃なコスト(5)で直ちにワクチン接種者に予防投与できるようにしない限り、我々は大量の人命損失に直面することになるであろう。最初の兆候は、ワクチン接種者の発症防御が再び向上することである(ただし、今回は細胞傷害性CD8+T細胞の持続的活性化による!)。その後、SC-2を原因として入院したワクチン接種者のSC-2を原因として入院した非接種者に対する比率が(特に20-60歳において)劇的に増加する。以下では、なぜこれが監視すべき重要なパラメータであるかを説明する。

(4) ブースター接種は、自然感染よりも感染増強性S特異抗体を効果的に呼び起こすことができる。これは、自然感染の場合はウイルス量の大部分を、活性化した細胞傷害性CD8+T細胞によって除去できるためである(ウイルス感染率が許す限りは...)。
(5) イベルメクチンとヒドロキシクロロキン以外に、他のすべての条件(安全で、安価で広く入手可能)を満たすような強い抗ウイルス活性を示す化合物を私は知らない

より感染力の強いSC-2変異体にさらされた場合、SC-2によって訓練された自然免疫系を持つワクチン非接種者でも、(変異体の感染力の強さ(6)と細胞性自然免疫系(CBIIS)の強さと訓練レベルに応じて)軽度から中程度のC-19疾患にかかることがあるが、その頻度はすぐに減少するだろう。(ワクチン接種者の感染増強抗体の病原性抑制活性に対する耐性に向かう)抗原性のシフトを特徴とする今後の変異体は、ワクチン接種率の高い国でまもなく優勢となり、ワクチン非接種者は増殖性感染に対して耐性となる(https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-onevolution-c-19-pandemic)。しかし、CBIISが未熟なワクチン非接種者(幼い子ども)では、限定的ではあるが、現在SC-2感染による重症化率の増加が見られている。これは、無症候性感染後すぐに再曝露した結果、(無症候性感染により誘発される)一過性の非中和性S特異的抗体がウイルスに結合してしまい、自然免疫系の中和抗体がウイルスと結合出来なかったためと考えることができる。

(6) SC-2の感染力の増強は、ウイルス固有の感染力の強さに起因する場合と、宿主のウイルス感染に対する感受性の強さに起因する場合がある。後者の例として、SC-2に無症状で感染した直後に再感染した場合が考えられる。これは、最初の無症候性感染後に惹起された一過性の非中和性抗体がウイルスと結合することにより、抗体依存性にSC-2感染を促進させるためである。

2.他の糖鎖ウイルスによる新たなパンデミック

(図2参照)

MHCクラスI非拘束性細胞傷害性T細胞は、感染増強抗体が高力価で存在する場合、C-19病からワクチン接種者を保護することができる。この細胞は急性自己限定性ウイルス感染(ASLVI)(8) や急性自己限定性ウイルス疾患(ASLVD)(9) を引き起こす他の糖鎖ウイルス(7)と共通の保存されたCTLエピトープを標的とする。したがって、これらのT細胞の持続的な活性化によって、C-19ワクチン接種者は他の糖鎖ウイルスに曝露した際にも、疾病から保護される可能性がある。しかし、この場合であっても、ワクチン接種者および非接種者が増殖性感染(すなわち疾患)をどの程度コントロールするかは、自然免疫エフェクター細胞(すなわちNK細胞、図1参照)がウイルスを除去してくれるレベルにも依存することになろう。したがって、成熟したCBIISを持つ健康な(10) C-19ワクチン接種者は感染を繰り返すことによって、これら他の糖鎖ウイルス(11)の無症候性リザーバー(12)に変わってしまうのである。しかし,CBIISが弱ったワクチン接種者(図2:④)は、これらの他の糖鎖ウイルスによる中程度の疾患を繰り返す可能性が高くなる。そのため、よく混合された(接種者、非接種者、様々な年齢層などがよく混じりあった)ワクチン接種率の高い集団では、無症候性リザーバーからの感染促進がCIIBが弱った接種者でASLVIまたはASLVDを引き起こす糖鎖ウイルスによる中程度の疾患の発生率を著しく上昇させる可能性が高い。しかし、CBIISが未熟で、適応免疫系が未発達なワクチン接種者(即ち、子ども;図2:⑤)では、これらの糖鎖ウイルスが重い疾患を引き起こす可能性が高い。
一方、成熟した自然免疫系を持つ健康なワクチン非接種者は、その感受性(13)とCBIISの強さに応じて、これらの他の糖鎖ウイルスから無症状から軽度(図2:①)または中程度から重度の(図2:②)疾患を一過性に発症する可能性が高くなる。したがって、高度にワクチン接種された集団で無症候性リザーバーからの感染伝播が促進された場合、C-19ワクチン非接種の人々ではASLVIまたはASLVDを引き起こす糖鎖ウイルスによる重症化率が著しく低下すると思われる。

しかし、一部のCBIISが未熟なワクチン非接種者(子ども;図2:③)では、SC-2について説明したのと同じ理由で、これらの他の糖鎖ウイルスから重い疾患を発症する可能性が高くなる(I.の項を参照)。ワクチン接種率の高い集団では、無症候性リザーバーからの感染促進によって、C-19ワクチン非接種の人々の間でASLVIまたはASLVDを引き起こす可能性のある糖鎖ウイルスによる重症疾患の発生率の限定的増加が引き起こされる可能性がある。

(7) 「その他」は「SC-2以外」を意味する。
(8)  SC-2以外のASLVIを引き起こす糖鎖ウイルスの例:季節性インフルエンザ、RSV、ワクチンで予防可能な感染症の原因ウイルス(麻疹、おたふくかぜ、風疹、水痘、ロタウイルス)。注:無症候性リザーバーの重要性を考えると、通常のインフルエンザによる疾患の発生は、もはや季節性が関係しなくなる可能性がある。
(9)  ASLVDを引き起こす糖鎖ウイルスの例:人獣共通インフルエンザ(例:鳥インフルエンザウイルス)、パラポックスウイルス(例:サル痘ウイルス)。
(10)  本稿では、「健康」とは、「基礎疾患や免疫抑制状態がないこと」とする。
(11) 小児期に弱毒生ウイルスワクチン(例:麻疹、おたふくかぜ、風疹、水痘)を接種した C-19 ワクチン接種者は、これらのウイルスのリザーバーにはならないだろうが、インフルエンザウイルスやRSウイルスの無症状の感染源となる可能性は依然としてある。
(12) 細胞傷害性T細胞(CTL)の反応には記憶がなく、感染増強抗体がワクチン接種者の再感染しやすさを促進するため、ワクチン接種者は再感染を繰り返し、軽症または中程度の疾患を発症する可能性がある。再感染が頻繁に起こるため、CTL活性化が持続し、ウイルス感染細胞がより迅速(つまり、増殖性感染の初期段階)に殺傷されると考えられる。増殖性感染の阻止が強化されると、無症候性感染につながる可能性が高いが、殺菌免疫は得られない(図1:Bを参照)。無症候性感染したワクチン接種者は、ワクチン未接種者に比べてウイルス排出量が少ない傾向にあるが(https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2022.01.28.22270044v1)、再暴露のたびに感染促進抗体の産生を高めながら、何度も何度もウイルスを排出し感染伝搬を繰返すことになる。
(13) これらの糖鎖病原体に対する宿主の感染感受性は、SC-2の感染力が増強された結果、一時的に低下する可能性がある。これは、無症状でSC-2に初回感染した後すぐにSC-2に再感染した場合に起こる現象である。これは、無症状での初回感染後に惹起される短期的な非中和抗体がウイルスと結合しやすいため、抗体依存性のSC-2の感染増強が起こり、それによってCD8+T細胞が一時的に活性化され、その結果、ASLVI-またはASLVD-を引き起こす糖鎖ウイルスによる疾患が抗体依存性に軽減される、ということが起こるからである。

3.現在進行中の他の微生物や 免疫介在性疾患のエピデミック(地域的流行)

その一方、適応免疫系のエフェクター細胞(IgG産生B細胞や細胞傷害性CD8+T細胞)の枯渇・消耗により、現在、健康なワクチン接種者が、糖鎖病原体による中程度の疾患を繰り返しやすくなっている。糖鎖病原体は、3つに分類される。

  1. 通常、他の(14) 急性自己限定性微生物感染(ASLMI)を引き起こす糖鎖細菌病原体: インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae; Hib)、Neisseria meningitidis属に属する髄膜炎菌(例えば、血清群A、C、WおよびY; Men ACWY)、Streptococcus pneumoniae属に属する肺炎球菌など

  2. 通常、慢性自己制御性微生物感染症(CSCMI)を引き起こす糖鎖を持つ微生物病原体: HSV-1/ HSV-2、EBV、CMV、HIV、結核など

  3. 通常、自己抗原に対する寛容によって制御されている糖鎖自己タンパク質

(14) ASLVI、ASLVD以外という意味

これらの疾患で予想される発生率の上昇は、SC-2が感染増強抗体による防御を突破するのを防ぐのに必要なレベルの免疫圧を達成するためにワクチン接種を受けた人の免疫系が必要とする適応免疫資源(S特異抗体および細胞傷害性CD8+T細胞)の程度を反映しているにすぎない。今のところ、感染増強抗体はウイルスの病原性(すなわち重症化)に対する保護を提供し続けている。その結果として、ワクチン接種者集団(この集団はほとんどの年齢層を占める)において、これらの病原体による中程度の疾患の発生率が引き続き大幅に増加することが予想される。しかし、CBIISが未熟(幼い子ども、図2:⑤)あるいは弱まった(図2:④)ワクチン接種者では、SC-2によるS特異的抗体や細胞傷害性CD8+T細胞の過剰な刺激により、他の抗原に対するIgGや、Sタンパク質に含まれる多特異的CTLエピトープを共有する病原体以外を標的とするCD8+T細胞が枯渇してしまうと思われる。したがって、ワクチン接種を受けた子どもや高齢者において、ASLMIやCSCMIを引き起こす糖鎖ウイルスによる重症化率の劇的な上昇を伴うと考えられる。また、免疫異常または癌を引き起こし得る糖鎖自己タンパク質に起因する重症疾患の発生率が、それぞれ、幼い子どもと高齢者で増加すると思われる。

ワクチン接種者はこれらの感染症の温床となるが、無症候性排出者ではないため、これらの糖鎖微生物感染症の蔓延は、パンデミックとはならず、地域的な流行に留まるだろう。自然免疫系が成熟しているワクチン非接種者が前述の他の糖鎖病原体に曝露した場合、その感受性(15)とCBIISの強さに応じて、軽度から中程度(図2:①)または中程度から重度(図2:②)の疾患を一過性に発症する可能性が高くなる。したがって、ワクチン接種率が高い集団では、ASLMIやCSCMI、あるいはがんを引き起こす可能性のある病原体による中等度から重度の疾患の発生率は増加すると考えられる。

しかし、CBIISが未熟なワクチン非接種者(幼い子ども;図2:③)の一部は、SC-2について先に説明したのと同じ理由で、これらの糖鎖病原体によって重症化しやすくなっている(I.の項を参照)。 したがって、ワクチン接種率の高い集団では、このようなC-19ワクチン非接種者の一部において、限定的にASLMIやCSCMI、あるいは免疫異常を引き起こす病原体による重症化率の上昇が生じることが予想される。

(15)これらの糖鎖病原体による増殖性感染症に対する宿主の感受性は、SC-2の感染性の増強の結果、一時的に上昇する可能性がある。これは、無症状でSC-2に初回感染した後すぐに再感染した場合に起こりうる現象である。無症状で感染した後に引き起される寿命の短い非中和抗体は、ウイルスと結合して抗体依存性のSC-2感染の増強を引き起こしやすいため、それによって他の糖鎖病原体の撃退に必要なIgGやCD8+T細胞が一時的に枯渇/消耗し、ASLMI-やCSCMI-を引き起こし得る糖鎖病原体あるいは免疫異常や癌を引き起こし得る病原体による疾患の抗体依存性増強がもたらされるからである。

4.これらのパンデミック/エピデミックはどのように進化し、どのような集団に影響を及ぼすのか?

他のASLVI(インフルエンザ、RSVなど)やASLVD(サル痘、鳥インフルエンザなど)による新たなパンデミックは、ワクチン接種率の高い集団では—幼い子ども達を除いて—(細胞障害性CD8+T細胞による交差防御により)比較的小さな被害で済むと考えられるが、これらの集団では適応免疫系が消耗していることによって他の微生物病やがんが流行し、より大きな被害を被ることになるであろう。しかし、もし地域社会が幼い子どもへのワクチン接種を進めるなら出現するすべてのパンデミックと進行中のエピデミックは、おそらく「より強毒性の」SC-2変異体のパンデミックがADEDという最終段階に移行する前であっても、子ども達に信じられないほどの損害を与えることになるだろう。ADEDを引き起こす変異体の発生時期に関する私の予測から考えると、これは特に、ワクチン接種率が比較的低い国において子どもたちに対しC-19ワクチン接種が行われる場合に当てはまるだろう。

一方、多くの動物種も、抗原特異的な抗体や十分に訓練された細胞性自然免疫を持たないために、感染力の強いSC-2や他の「抗原的にシフトした」糖鎖ウイルス(例えば、鳥インフルエンザ)に感染しやすくなってきている。このような状況は、動物園の動物のみならず家畜においても、ヒトに近いこと、寿命が短く(糖鎖ウイルスの周期的な流行がないため)自然免疫(ひいては集団免疫)が発達しないことにより、脅威となる可能性がある。さらに、高い飼養密度やその他の好ましくない管理・環境条件が、ストレス要因となり、自然免疫機能に悪影響を及ぼす可能性がある(例:家禽類、牛、豚の場合)。

ワクチン接種率が低く、自然免疫がよく訓練され、人口が若い国が最もうまくいくだろう(アフリカが勝つ!)。人命の損失は、SC-2ワクチン接種率が高い国々で最も深刻になると思われるが、これらの地域のワクチン非接種者は、ワクチン接種者の免疫状態によく適応して出現するSC-2変異体に対抗できるだけの自然免疫を十分に鍛えているであろう。例えば、中国のように、(高齢者の)割合が高いだけでなく、厳しい感染予防対策の結果、自然免疫の訓練が不十分で未接種者も危険にさらされている国では、状況は悲惨であろう。

全体のまとめ

ワクチン接種率の高い集団がSARS-CoV-2のライフサイクルに対し大規模に不適切な免疫圧力を及ぼしている結果、感染力の高い変異体の自然選択と優勢な増殖が促進され、細胞性自然免疫系が阻害される一方で適応免疫系は侵食され、新たなパンデミックやエピデミックの火がつけられ劇的な結末となるだろう。人間も動物も、特にC-19ワクチンの接種率が高い国や、特にワクチン接種を受けた子供たちが、大きな危険にさらされている。これらの国々は、ひとたびSC-2変異体がワクチンに由来する感染増強抗体の毒性抑制活性に耐性を持つようになれば、「より強毒な」SC-2変異体の大流行によって深刻な被害を受けることになる。

図1

図1

全身性/重篤な疾患に(そしておそらく死亡にも)至らない急性自己限定性ウイルス感染は、主要組織適合性遺伝子複合体(MHC)非拘束性の細胞障害性CD8+T細胞によって排除される。MHC非拘束性細胞障害性CD8+T細胞は記憶を持たず、スパイク(S)タンパク質内に含まれる普遍的かつ病原体非特異的T細胞エピトープによって活性化される。感染者が重症の疾患にまで進行してしまう場合を除いて、増殖性感染から迅速に(そしてもちろん、完全に機能するウイルス中和抗体がピークを迎える前に)回復できるのはこの細胞の働きのためである[2a-2b-2cの経路]。しかし、接種者がワクチンに由来する抗体の中和活性から逃れた変異体に暴露した場合、新しい中和抗体を新たに生成するのではなく、中和能のない感染増強抗体が急激に増えることになる。(感染増強抗体は、すべてのSC-2変異体のスパイクタンパクのN末端領域(S-NTD)内に保存されている抗原部位を標的とするので、いったん宿主免疫系をこの抗原に対し条件づければ「抗原原罪」が誘導されるライセンスとなる)。

図中の A(1a-1b-1cの経路)はC-19ワクチン接種前の状態である。C-19ワクチン接種前に十分な増殖性感染の経験をしていない(したがって自然免疫の訓練が不十分な)ワクチン接種者では、樹状細胞(DC)に付着したウイルスに結合して重症化を防ぐ(3a-3bの経路)役割を果たす感染増強抗体(16)の働き(図のC)と、持続的に活性化された細胞傷害性CD8+T細胞を介した感染細胞の殺傷(図のB)との相乗作用により、非常に再感染しやすいにも関わらず、発症を完全に免れ、無症状の状態となる(図のD)。発症予防は増殖性感染の予防ではなく、感染細胞の迅速な除去によるものであるため、ワクチン接種者は再感染の度にSC-2を排出し、感染伝搬し続けることになる。自然免疫のエフェクター細胞(NK細胞)はMHCに制限されず多特異性であるため、免疫逃避を促進しないが、感染増強抗体は抗原特異的(すなわちS特異的)であり、もし集団の大部分が高い力価でこれを産生するなら、これらの抗体の病毒性抑制能力に抵抗出来る免疫逃避変異体の自然選択を促進することになる。これは、ワクチン接種者は増殖性のウイルス感染を防ぐことができないためである。結果として、ワクチン接種者がウイルスの毒性に与える免疫圧力は不十分であり、この免疫圧力を克服する能力を持つ免疫逃避SC-2変異体の優勢な伝播を防ぐことはできない。感染増強抗体の病毒性抑制効果に対しウイルス変異体は抵抗性を持つようになり、ADEIを介したADEDを引き起こすことは避けられない。

(16) 以前に説明したように、非中和性感染増強抗体は下気道などの遠隔臓器レベルでのトランス感染を妨げている。これが現在、ウイルスの病毒性に対する集団レベルの免疫圧力となっている。https://www.voiceforscienceandsolidarity.org/scientific-blog/predictions-gvb-on-evolution-c-19-pandemic

図2

図2

図2は、よく混合されたワクチン接種率の高い集団で、本文で述べたパンデミックがどのような疾患を引き起こすか、また、CBIISの成熟度や強度と適応免疫系(AIS)の免疫経験の程度に応じて、ワクチン接種者と非接種者の間で、重症疾病の発生率(したがって入院率)がどのように推移するかを疾患の種類ごとにまとめたものである。C-19ワクチン接種者の中の無症候性感染者から集団の他の部分へのウイルス伝播が促進されると、3つの新しいタイプのパンデミックが引き起こされる(17)。すなわち、ワクチン接種者にADEIをひきおこす抗原シフトした「より強毒な」免疫逃避SC-2変異体のパンデミック(P1)急性自己限定性ウイルス感染のパンデミック(P2)急性自己限定性ウイルス性疾患のパンデミック(P3)ワクチン接種者にADEIによるADEDを引き起こす「より強毒な」免疫逃避SC-2変異体による「疑似パンデミック」(P4)である。
P1とP4は(今後)ワクチン接種率の高い国だけに影響する。現在進行中のパンデミック(P1、P2、P3)および差し迫った疑似パンデミック(P4)が、十分に混合されたワクチン接種率の高い集団の中の免疫学的に異なるグループに及ぼす健康影響については、本文中で説明されている。

(17) これらの感染性病原体の拡散や伝播は、ワクチン接種の進んだ国々に限定されないため、「エピデミック」ではなく「パンデミック」である。

略語

ADED: 抗体依存性疾患増強
AIS: 適応免疫システム
ASLMI: 急性自己限定性微生物感染症(ASLVI、ASLVD 以外)
ASLVD: 急性自己限定性ウイルス性疾患
ASLVI: 急性自己限定性ウイルス感染症
C-19: Covid-19
CBIIS:細胞性自然免疫系
CSCMI: 慢性自己制御性微生物感染症(宿主免疫系による自己制御性)
IE2:2回目の免疫逃避現象(感染増強抗体の毒性中和/抑制活性に対する「より強毒な」SC-2の抵抗性が発生し、それによってワクチン接種者が重症化しやすい状態になること)
P1:抗原シフトした「より強毒な」免疫逃避型SC-2変異体によりワクチン接種者にADEIを引き起こすC-19の新しいパンデミック(すなわち、BA.4とBA.5)。
P2: 現在進行中のASLVIのパンデミック
P3: 現在進行中のASLVDのパンデミック(鳥インフルエンザウイルス、サル痘ウイルス、RSウイルス)。
P4: 目前に迫った「疑似パンデミック」(18) 。これは新しい「より強毒な」免疫逃避型SC-2変異体が、ワクチン接種者においてADEIを介したADEDを起こすことによる。これは、ワクチン接種者に対して「高い感染性」と「高い毒性」を示すSC-2免疫逃避変異体によるC-19(疑似)パンデミックである。
SC-2: SARS-COV-2

(18) 本稿では、「疑似パンデミック」を、もはや蔓延することができないほど病原性の高い感染症の世界的流行と定義している

図2(再掲)

図2の注

  • 年齢層は、記載された CBIIS や AIS の状態に正確に対応するものではなく、示された免疫状態を持つ人々の大多数を構成する年齢層に関する大まかな目安を示しているに過ぎない。

  • 本稿では、「脆弱性」という語は、併存疾患や基礎疾患を持つ人、または免疫抑制や免疫不全の状態にある人のCBIISの状態を指す。

  • 本稿では、「高齢者」という語は、CBIISが多かれ少なかれ免疫学的に老化(加齢による免疫機能の変化)した人々/個人を指す。

  • 本稿では、「幼い子ども」という語は、CBIISが多かれ少なかれ未熟な人々/個体のことを指す。

  • 「重度」の疾患の劇的な増加(↑↑)は、その発生率と推移が入院の必要性を示唆するため、太字で強調した。

  • 無症状者は、無症状者集団がウイルス感染のリザーバーとして機能する場合、アンダーラインを付した。

  • 紫色のフォントでは、P1パンデミックの発生につながった無症候性リザーバーと、十分に混合されたワクチン接種率の高い集団の中の異なる免疫状態のワクチン非接種者に「より感染力の強い」および「より毒性が強い」SC-2変異体が伝播することによって引き起こされた疾患の種類を示した。より感染性の高い」変異体は集団全体の感染率を上げるので、ワクチン非接種の幼い子供の自然免疫を損なう一方で、他のワクチン非接種者層では自然免疫の訓練を向上させる。「より感染性の高い」変異体は、ワクチン由来中和抗体に対する抵抗性が増すにつれて、より容易に感染増強抗体と結合するようになる。感染増強抗体はトランス感染およびトランス融合を阻害することができるため、ワクチン接種者は(細胞傷害性CD8+T細胞を介して)増殖性感染を排除することができる。これは、初めは重症化の予防のみであるが、次第に(即ち、細胞傷害性CD8+T細胞の活性化が高まるにつれ)発症自体の防止となる。しかし、増殖性感染の防止はできない(図1参照)。

  • 赤いフォントでは、P2パンデミックの開始の原因となる無症候性リザーバーと、ASLVIを引き起こす糖鎖ウイルスが、十分に混合されたワクチン接種率の高い集団のさまざまなグループに無症候性に伝搬することによって起こる疾患の種類を示している。

  • 黒いフォントでは、P3パンデミックの開始の原因となった無症候性リザーバーと、ASLDを引き起こす糖鎖ウイルスが、十分に混合されたワクチン接種率の高い集団のさまざまなグループに無症候性に伝搬することによって起こる疾患の種類を示している。

  • 緑色のフォントは、ワクチン接種者で新しい「より強毒な」免疫逃避SC-2変異体が自然選択され、優勢となって伝播する結果引き起こされる疾患(すなわち、ADEIを介したADED)を示している

  • 金色のフォントは、ASLMIやCSCMIを引き起こす糖鎖病原体に対するIgGおよびCD8+T細胞の持続的(ワクチン接種者)または一過性(ワクチン未接種)の枯渇によって引き起こされるASLMIやCSCMIまたは免疫介在性疾患(すなわち、がんや免疫病態)を示す。

いただいたサポートは一般社団法人ワクチン問題研究会に寄付されます。