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東京にアイデンティティはない 2024/06/11

国立市で、完成間近のマンションが取り壊されるというニュースが話題になっていた。入居直前の時期になって、一度建てられたマンションが取り壊されるという事態は異例のようだった。国立駅から伸びる「富士見通り」は、文字通り富士山が眺望できる立地で、マンション建設による景観破壊に地元では反対運動が起こっていたらしい。

最近の中央線沿線は、先に住んでいた住民たちが既得権益的にあれこれと主張をしていて、ムラ社会のようになってしまった。私の住む西荻窪周辺もすっかり長年住んでいた高齢者ばかりで、そのうえ社会運動が盛んだから駅前でビラ配りばかりやっている。いまはもう地方から出てきた若者の住みよい街ではない。

反対運動に参加していた住民は、マンションの取り壊しの報道を聞いて「そんなことになるとは思わなかった」と答えていた。サークル活動のようなノリで、楽しく他人の経済的自由を侵害していたのだろう。

東京という街は歴史が浅く、地域に住むアイデンティティの根を下ろせないでいる者が大勢いる。なんとか自分自身を保つために、たかだか100年しか歴史のない景観を必死に守ったり、電車で1時間以上かけて里山の保護に赴いたりしている。無理筋の社会運動に血筋を立てて、大義のない正義を声高に叫ぶ。

匿名で楽しくわいわいやろうよ。正義なんていらないから。それなりに楽しく暮らしていくことに本気になろう。ちゃんとしてなくていいから。

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