見出し画像

小さな死 2024/05/17

べつに死ななくても森に行くことはできるな。鞄を脇に置いて、何もせずに座っているだけでいいし、目を瞑っててもいい。風が吹いたり吹かなかったりして、やや暑かったり涼しかったりする。そうすれば、ほんの少しだけ森に還れるかもしれない。

日常には小さな死が潜在している。速い速度の乗り物に乗ったり、落ちたら死ぬような高い所に昇ったり、息が上がるまで身体を動かしたり。死んでいる肉や植物を食べて、アルコールで理性を和らげたりすることもできる。

今日はみなとみらいで用事があって、終わってから海辺のベンチでアイスコーヒーを飲んだ。仕事や人間関係や将来が、その間だけ全部どうでもよくなった。今も本当はどうでもいい。帰りの東横線では座れず、考え事をしているうちに酔ってしまった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?