スペイン#4 (エッセイ)

ハンバーガー屋に行くと奇妙な位置の席に通される。奥の広いテーブルは空いているというのに。特に気に留めることもなかったが、これはアジア人差別らしい。まあ英語も話せない不審者だし、と妙に納得する自分がいる。

逆の立場だったら。私が日本の給仕の立場だったら、確かに変な客は奥には入れない。それは差別意識というよりも、危機管理といったほうが近い。差別は悪意ではない理屈で生まれるからタチが悪い。差別にも存在理由はある。

それはそうと、欧米人はほんとうによく髪の毛をセットしている。アジア人のように前髪を下ろしてた人間はまず見かけない。情熱の国はヘアオイルの匂いで、背広を着た猫背の私はなすすべもない。

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