ヤナセ君の件　2024/06/17

Twitterでbetcovor!!のライブ動画が出回ってきて、アウトロを間違えたドラムスに腹を立てたヤナセジロウが、興奮してドラムセットを蹴っている様子が映っていた。動画はファン層を超えた広い範囲に拡散されて、それなりに大きい規模の騒動に発展してしまった。少し経って、ヤナセが謝罪文を発表して一応は沈静化したようだったが、この先どうなるのか少し不安だ。

ヤナセは以前よりインタビューで、複雑な家庭環境で育ってきたことを語っている。親にぶん殴られて育ってきたのかもしれない。いかにもガラの悪そうな風貌からもそんな感じがする。ひどい憶測ではあるが。

暴力を受け続けた人間が、さらに弱い者を暴力で従えようとするのは、ある種の必然なのかもしれない。ホロコーストの傷を背負ったイスラエルが、誰よりも疑心暗鬼になって苛烈な攻撃に及ぶのと相似にみえる。暴力の連鎖を断ち切るというのは、本当は想像を絶するほど難しい。

それはそうと、Twitter上には「こういった一発触発の緊張感があってこそ素晴らしい演奏が生まれる」という擁護派と、「とにかく暴力はいけない」という否定派がいるようだった。中にはリスナーではない人間がわざわざ一家言申しに来ていてあきれる。「とにかく暴力はいけない」という単純な主張は「通り」が良いが、結局はもろもろの複雑さを切り捨てているだけで、結局何も解決しない。もちろん暴力も擁護できない。

複雑さを抱えたまま、本人が反省して償っていくあいだずっと、寄り添い続けてあげることが一番の誠意だ。Twitterで手短に掲げる正義なんて何にもならない。私は本当にファンなのだから、最後まで見極めてあげようと思う。